医院ブログ

TEL03-6908-2281

アクセス椎名町より徒歩1

診療時間
10:00 ~ 13:00 / / /
15:00 ~ 19:00 / / /
  • ▲:土曜日は、9:00~13:00/14:30~17:00

  • ※第2・4土曜日は9:00~14:00

キービジュアル

診療328日目、「歯生え薬」実用化目指す・京大ベンチャー

2023年9月8日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です!

 

以前、歯を生やす「歯生え薬」の実用化に、京都大発のベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などのチームが取り組んでいますと、紹介しました。(診療300日目を参照ください☺️)

.

2024年7月ごろから健康な成人で薬の安全性などを確かめる臨床試験(治験)を始め、2030年ごろの実用化を目指しています。チームは「世界初の試み」としています✨

チームは、歯の成長を抑制するタンパク質「USAG―1」の働きをなくす抗体薬を開発しました。人には乳歯、永久歯とは別に、新たな歯になり得る「芽」のようなものがありますが、通常は生えずになくなります。薬はこの芽に働きかけ、成長を促します。

2018年、歯の数が少ないマウスに薬を投与し、歯を生やすことに成功しました。続いて、人と同様、乳歯と永久歯があるフェレットでは永久歯の内側から新たな歯が生えました!夢が現実化しているようでワクワクしますね。

.

おさらいはここまでです!

2025年からは生まれつき永久歯の数が少ない「先天性無歯症」の2~6歳の子どもを対象とした治験を始める予定だそうです!

同社創業メンバーで北野病院(大阪市)の高橋克歯科口腔外科主任部長は「子どもの場合、歯が生えないと顎の骨の発達などにも影響する。歯生え薬で悩みに応えたい」と話しています。

診療327日目、乳幼児期における親との食器共有について

2023年9月7日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

先日見つけた、最新ホヤホヤ・日本口腔衛生学会からの発信です📨

乳幼児期における親との食器共有について

「小さいお子さんと箸や食器を共有すると虫歯菌は移るのか?」という内容です!

 

発信のきっかけは、乳児期の食器共有などによる唾液接触が、アレルギー発症リスクの低下と関連していたという和歌山県立医科大学の研究結果が報道されたことだそうです。子育てに携わる人々の間では”親の唾液を通してミュータンスレンサ球菌が子どもに感染することで虫歯リスクが上がる”ことが一般的に言われてきました。そのため、和歌山大学の研究を紹介する複数の記事で、”唾液接触による虫歯菌感染”への懸念が触れられていました。 学会は、食器共有による虫歯感染については気にしすぎなくてよい、としているが、その根拠としてまず「親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている」ことを挙げています。

発信の内容を詳しく見ていきましょう!

以前から、親から子どもへのう蝕原因菌の感染を予防するために、親とスプーンやコップなどの食器の 共有を避けるようにとの情報が広がっています。しかし、食器の共有をしないことでう蝕予防できるということの科学的根拠は必ずしも強いものではありません。最近、親の唾液に接触することが子どものアレルギーを予防する可能性を示す研究内容が報道されました。それに付随し、親の唾液からう蝕の原因になるミュータンスレンサ球菌が子どもに感染するリスクを高めると報道で触れられていますので、情報発信をいたします。

親からの口腔細菌感染は食器の共有の前から起こっている

最近の研究で、生後4 か月に母親の口腔細菌が子どもに伝播していることが確認されています。食器の共有は離乳食開始時期の生後 5~6 か月頃から始まりますが、それ以前から親から子どもに口腔細菌 は感染しているのです。日々の親子のスキンシップを通して子どもは親の唾液に接触しますので、食器の 共有を避けるなどの方法で口腔細菌の感染を防ぐことを気にしすぎる必要はありません。

う蝕の原因菌は、ミュータンスレンサ球菌だけではない

親のミュータンスレンサ球菌が子どもに感染することは複数の研究で確認されています。しかし口 腔内には数百種以上の細菌が存在し、ミュータンスレンサ球菌だけでなく多くの口腔細菌が酸を産生 し、う蝕の原因となりますので、ミュータンス連鎖球菌だけがう蝕の原因菌ではありません。

食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかった。

う蝕は砂糖摂取や歯みがきなど様々な要因で起こるため、食器の共有と子どものう蝕の関連を調べる 際にはそうした要因を考慮する必要があります。う蝕に関連する複数の要因を調べた日本の研究では、3 歳児において親との食器共有とう蝕との関連性は認められていません。

子どものう蝕予防のために

親から子どもに口腔細菌が伝播したとしても、砂糖の摂取を控え、親が毎日仕上げみがきを行って歯垢 を除去し、またフッ化物を利用することでう蝕を予防することができます。特に、フッ化物の利用は多く の論文でう蝕予防効果が確認されている方法です。フッ化物配合歯磨剤の利用方法は 4 学会合同の推奨 方法が出されていますのでご参照ください

診療326日目、災害でも歯のケアは大切!・後編

2023年9月5日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

災害でも歯のケアは大切!少量の水でできる歯磨きや洗浄剤を紹介します

非常持ち出し袋に歯ブラシなどの口腔(こうくう)ケアグッズは入っていますか?災害時にも口内の健康に注意を払わないと、虫歯や歯周病など口の中のトラブルにとどまらず、インフルエンザや誤えん性肺炎など全身へ影響を及ぼす可能性もあるそうです!
水をあまり使えなくてもできる口腔ケアの方法や、非常持ち出し袋に加えたいおすすめ口腔ケアグッズを紹介します。

非常持ち出し袋に歯ブラシなどの口腔(こうくう)ケアグッズは入っていますか?災害時にも口内の健康に注意を払わないと、虫歯や歯周病など口の中のトラブルにとどまらず、インフルエンザや誤えん性肺炎など全身へ影響を及ぼす可能性もあるそうです!
この記事では、水をあまり使えなくてもできる口腔ケアの方法や、非常持ち出し袋に加えたいおすすめ口腔ケアグッズを紹介します。

歯ブラシが手に入らない場合のケア

歯ブラシが手元にないこともあるかもしれません。そういう場合にもできる口腔ケアはあります。
清潔なタオルやティッシュを人差し指に巻き付けて、親指で端をおさえるように持ちます。これで歯の表面をこすって、できる限り歯こうを除去します。歯ブラシのように歯間などの細かい所をきれいにするのは難しいですが、非常時には有効なケア方法です。

持ち出し袋に何を入れる?口腔ケアグッズを比べてみました

災害への備えとしてよく薦められている「液体歯磨」と「歯磨きシート」を実際に使ってみました。

.

液体歯磨き&歯ブラシ

液体歯磨きは、口に含んで口内に行き渡らせ、そのまま歯磨きをしたら、その後のうがいは不要です。水が用意できなくてもOKで、液体歯磨きと歯ブラシさえあれば口腔ケアは完了します。水が貴重な災害時には嬉しいですね。刺激の少ない子ども用も販売されています。

液体歯磨きと似た製品に「洗口液」がありますが、洗口液は通常の歯磨き後に口に含んで使うもの。パッケージの裏側に「液体歯磨」「洗口液」と記載があるので購入時に確認してみてください。

使ってみると、チューブタイプの歯磨き粉を使った時よりも泡立ちがないだけで、歯磨きの効果はチューブタイプの歯磨き粉と変わらないと感じました。清涼感もしっかりあります。

大人向けの製品だと刺激の強いものも多いので、家族全員で使うには低刺激のタイプを用意したり、子どもがいれば子ども用製品もそろえたりした方が良いと思います。

.

歯磨きシート

歯磨きシートとは、不織布のシートタイプの口腔ケアグッズ。指に巻き付けて歯を擦って歯こうを除去します。使用後のうがいは不要です。
こちらも子ども向けに刺激の少ない商品が販売されています。歯の生え始めた赤ちゃんに使えるものもありますよ。子ども向けの製品はベビー用品売り場で見つけることができます。

今回用意したのは、以下の2製品です。
一般向け:無印良品 指型歯みがきシート
子ども向け:和光堂 にこピカ 大きな 歯みがきシート キッズ りんご味

「無印良品 指型歯みがきシート」は指サック型で使いやすい形状になっています。少々スーッとした刺激があり、使用後は口がさっぱりします。

子ども向けの製品は刺激がなく、甘いリンゴの味もするので小さい子どもでも使いやすいと思います。

使ってみると、歯間などの細かい部分や歯の裏側は磨きにくく感じました。歯ブラシとは違うので仕方がないと思いますが、いつもの歯磨きと比べると、8割くらいはきれいになったかな、という感じ。どうしても磨ききれない部分が残ってしまいました。

歯磨きシートは急場をしのぐのには良いですが、歯磨きシートのケアが長く続くと不安です。持ち出し袋には、歯ブラシと液体歯磨きが良いと思いました。
一方で短期間を想定した防災ポーチには、こちらのシートタイプが持ち運びに便利です。

.

まとめ

平常時と同じく災害時にも注意をすべき口腔ケアですが、災害への備えとしては意外と後回しにされがちかもしれません。非常時には自分の身は自分で守るのが基本となります。口腔ケアグッズは、口の中のトラブルや感染症から身を守るために必要なアイテムです。ぜひ災害用備蓄に用意しておきたいですね。

診療325日目、災害でも歯のケアは大切!・前編

2023年9月4日

災害でも歯のケアは大切!

少量の水でできる歯磨きや洗浄剤を紹介します

今年は、関東大震災から100年になります。

そこで、今回は災害時での口腔ケアについてです!

 

早速ですが、皆さんは非常持ち出し袋に歯ブラシなどの口腔ケアグッズは入っていますか?災害時にも口内の健康に注意を払わないと、虫歯や歯周病など口の中のトラブルにとどまらず、インフルエンザや誤えん性肺炎など全身へ影響を及ぼす可能性もあるそうです!
水をあまり使えなくてもできる口腔ケアの方法や、非常持ち出し袋に加えたいおすすめ口腔ケアグッズを紹介します。

非常持ち出し袋に歯ブラシなどの口腔ケアグッズは入っていますか?災害時にも口内の健康に注意を払わないと、虫歯や歯周病など口の中のトラブルにとどまらず、インフルエンザや誤えん性肺炎など全身へ影響を及ぼす可能性もあるそうです!
この記事では、水をあまり使えなくてもできる口腔ケアの方法や、非常持ち出し袋に加えたいおすすめ口腔ケアグッズを紹介します。

災害時も、口腔ケアはなぜ重要?

歯みがきなどの口腔ケアは虫歯・歯周病予防のためと考えている人が多いと思いますが、口内の細菌を取り去る以外にも重要な意味があるんです。
歯周病菌がインフルエンザウイルスの活性化を促進することがわかっており、毎日の歯みがきは風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症を予防することにもつながります。
特に高齢者では、口腔ケアができないと、口内の細菌が気道に入って誤えん性肺炎も起こりやすくなります。

また、医療が満足に受けられない状況ですから、虫歯になることも避けたいですよね。災害時にも、普段と同じく口腔ケアに気を配ることは大切なんです。

覚えておこう!少ない水で歯磨きをする方法

でも、災害時は断水などで水が十分に用意できないこともありますね。そんな時のために、いつものようにたくさん水を使わなくてもOK!の歯磨き法を紹介します。
一般的なチューブの歯磨き粉を使うと、泡が発生して口をゆすぐための水を多く使いますが、これから紹介する方法で必要な水の量は約50mlと、かなり少量です。

【必要な物】
・歯ブラシ
・ティッシュ1枚
・コップ2つ
・水約50ml
・(あれば)リップクリーム
・(あれば)うがい薬や洗口液・デンタルリンス

【手順】
(1)ティッシュを水で濡らし、唇を軽くふきます。これで口角や唇が切れるのを防ぎます。

(2)コップ2つのうち1つに水を約30ml(=大さじ2杯)入れ、歯磨き後に行ううがい用に取っておきます(コップA)。
もう1つのコップに水を約20ml入れ、歯ブラシのすすぎ用にします(コップB)。

(3)コップBに歯ブラシを浸してから歯を磨きます。だんだんと歯ブラシが汚れてくるので、(1)のティッシュで拭って汚れをできるだけ取ってからコップBですすぎ、また歯磨きする、というのを繰り返します。歯ブラシを濡らして加湿しながら歯磨きをするのが大事です。

(4)歯磨きが完了したら、コップAの水で2回にわけてブクブクうがいをして口の中に残った汚れを取り去ります。2回に分けたほうがきれいになるそうです。

(5)あればリップクリームなどを使って唇を保湿しましょう。

※うがい薬や洗口液・デンタルリンスが手に入れば、(3)のコップBと、(4)のコップAの2回目のうがい時に少量ずつ加えると効果的です。

 

明日は、歯ブラシが手に入らない場合のケアを紹介します!

診療324日目、親知らず、「抜くか」「抜かないか」

2023年9月2日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

親知らず、「抜くか」「抜かないか」の境界線

無理に抜歯しなくてもいいケースもある

親知らず。大人になってから口のいちばん奥に生えてくるいちばん前から数えて8番目の歯です。正式には「第三大臼歯(智歯)」と呼ばれる親知らずは「抜いたほうがいい」とか「抜いたらすごく腫れた」など、怖くて厄介なヤツというイメージが一般に浸透しています。

どう判断する? 抜くか抜かないかのポイント

そんな親知らずは、本当に抜かないといけなかったり、抜くと必ず腫れたりするのでしょうか。

現代人はあごが小さく、親知らずが真っすぐ出てこられず斜めになっていることが多いため、虫歯になったり腫れたりして、抜かなければならないことが多くなっています。

抜くか抜かないか。そのポイントはどこにあるのでしょうか。まず、何といっても真っすぐ生えているかどうかを見ましょう。真っすぐ生えていて、歯ブラシがしっかりできるようであれば、親知らずは抜かなくてもまったく問題ありません。

一方で、親知らずが斜めを向いていたり、埋まって横を向いていたりすると事情は異なります。そういう人の親知らずは歯ブラシが届きにくく、汚れがたまって虫歯になっていたり、歯茎が腫れてしまったりとトラブルになっているケースが多く見られます。手前の大事な7番目の奥歯が、虫歯になっていたりしても大変なので、抜くことがあります。

歯ブラシがしっかりできているかどうかも非常に重要なポイントです。

斜めを向いていたとしても、しっかり歯ブラシができていれば必ずしも抜く必要はありませんが、真っすぐ生えていても歯ブラシが全然届いていなければ、虫歯や歯周病リスクが高まるので抜かなければならないこともあります。奥歯の奥まで磨く感覚を身に付け、しっかり歯ブラシしましょう。ワンタフトブラシなど奥歯の奥を磨きやすい歯ブラシを使うのも効果的です。

実は最近では親知らずが生えない人も増えてきています。こういうケースで上の親知らずに対して下の親知らずがない、もしくは完全に埋まってしまっていたら、かみ合う相手がいないので、上の親知らずはどんどん下へ落ちてきてしまいます。そうすると、親知らずの手前の歯との間に段差ができ、物が詰まるようになったり、下の歯茎に当たってきたりとトラブルが起きてくるので、抜くことがあります。

親知らずが生えてきたことによって咬(か)み合わせがずれてきたりすると、あごが痛くなったり、歯周病が進行したりと、さまざまなトラブルが起きてきます。横を向いて生えている親知らずによって前歯の歯並びが崩れてきたりすることもあります。まとめれば、歯ブラシができているかどうか、虫歯になっていないか、歯茎が腫れたりしていないかが親知らずを抜くかどうかの重要な判断材料となります。

抜くのを勧めるケース

親知らずはそもそも物をかむのに必要な歯ではありません。そのため、抜きたければ抜いても構わない歯です。積極的に抜くことが勧められるのは次のようなケースです。

1.虫歯が大きい場合

虫歯が小さい場合には治療も可能ですが、大きな虫歯ができている場合、治療が困難を極めるだけでなく、治したとしても予後が悪いため、抜歯を勧めます。

2.歯茎の炎症がひどい場合

智歯周囲炎を頻繁に繰り返していたり、炎症の程度がひどかったりする場合には、抜歯を勧めます。つらい症状に悩まされ続けたり、炎症が広がって重症化し、入院をしたりするようなひどい目に遭う場合もあります。

3.きちんと生える見込みがない場合

親知らずが歯茎から出ていても倒れて埋まっていたり、スペースが足りずに生えきらない場合は、後にトラブルが起こる前に早めに抜くことを勧めます。

4.歯並びを悪くしてしまう場合

親知らずが傾いて埋まっている場合、隣の歯を押して歯並びがずれてしまうことがあります。このような場合には抜かなければ歯並びがどんどん乱れてしまいます。

.

口の中に悪影響を与えている場合も要注意

5.口の中の粘膜や顎関節にダメージを与えている場合

親知らずがきちんと生えていて虫歯がなくても、向かいの親知らずが生えていないなどの理由でかみ合わない場合、向かいの歯茎をかんでしまったり、頬粘膜を傷つけ、口内炎を作る原因となります。また、親知らずが生えていることで顎関節にダメージが加わることがあります。

6.口の中の清掃状態が良くない場合

歯磨きがきちんとできていない人は、親知らずが後に痛みや腫れなどのトラブルを起こす危険性が高いため、トラブルのないうちに抜いておいたほうが良いといえるでしょう。

親知らずに痛みがあっても、必ずしも抜かなければならないわけではありません。親知らずは完全に生えきるまで数カ月かかることも珍しくなく、その間歯茎の炎症を起こしたり、隣の歯を圧迫することで時々痛みを出すことは多かれ少なかれあります。

ただ、その親知らずがその後きちんと生える見込みがあり、本人がしっかりと親知らずの周囲を歯磨きするなど、清潔に保っていけるようであれば、親知らずを無理に抜く必要性はありません。むしろ抜歯せずに残しておくことで、将来、他の歯がダメになった場合に移植に利用したりすることもできるため、最近では「残せる見込みのある親知らずは残す」という姿勢の歯医者さんが多いようです。

個人個人の置かれている状況によっても判断基準が変わってきますので、親知らずが痛いときは一度、歯医者で診てもらいましょう。

診療323日目、お口を綺麗にしたら医療費が1000万節約できる・後編

2023年9月1日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

先日の復習からです!

口内環境の悪化がさまざまな全身疾患にもつながる原因は、大きく3つあります。

①歯周病菌の影響

②歯を失うことによる脳の血流不足

③歯を失うことによるタンパク質不足

 

「歯がない人はボケやすい」は正しい

ところが、歯の本数が少なくなればなるほど、歯根膜のクッションにかかる圧力が減って、脳に送り込まれる血液の量が少なくなります。脳への刺激が減って、脳機能の低下につながるわけです。脳機能の低下は、ヤル気の喪失や、もの忘れを引き起こし、やがては認知症へとつながっていきます。

事実、口の中に残っている歯の数と認知症発症率には、関連があります。東北大大学院の研究グループが、70歳以上の高齢者を対象に行った調査によると、「脳が健康な人」の歯は平均14.9本でしたが、「認知症疑いあり」と診断された人はたったの9.4本でした。つまり、残っている歯が少ない人ほど、認知症になりやすいことが明らかになったのです。

昔から言われている「歯がない人はボケやすい」は、科学的に見ても正しかったわけです。また、咀嚼回数が減ると、唾液の分泌が減ります。唾液には、発がん性物質が作り出す活性酸素を消す作用がある「ペルオキシダーゼ」が含まれているので、唾液の分泌が減ることでがんのリスクが高まることもわかっています。

.

3番目の「歯を失うことによるタンパク質不足」について。歯が弱って噛むことができなくなった高齢者は特に、柔らかい食べ物を好むようになります。しかし、良質なタンパク源というのは、鶏胸肉や牛ステーキ、イワシの丸干しなど、基本的に固い食材に多いもの。つまり、固いものを噛みくだける健康な歯がないと、良質なタンバク質の摂取量が減ってしまうことにつながるのです。

固いものが噛めなくなると、その代わりに、やわらかい炭水化物ばかりになってしまう。そうなると、人は一気に弱ります。元気なお年寄りが、ステーキをモリモリ食べているのを見たことがあるでしょう。彼らは、良質なタンパク質を摂取しつつ咀嚼で脳に血液を送り込むことで、体と脳の健康をキープしているのです。

すでに厚生労働省と日本歯科医師会は1989年から「8020運動」を推進していることをご存じの方も多いと思います。

大人の歯は、全部で28本が基本です(他にも親知らずが4本ありますが、これは生えてこない人もいるので、基本数に含めません)。このうち少なくとも20本以上自分の歯があれば、 ほとんどの食べ物を噛みくだくことができ、 死ぬまでおいしく好きなものが食べられて、楽しく健康でいられる。そのような趣旨で始められた運動です。この運動が功を奏して、厚生労働省が発表した2016年調査では、80~84歳の「8020」達成者が51.2%となりました。

.

目標は「8020」を超えた「8028」

認知症専門医である私から見ても、この運動は素晴らしいと思います。ただ、個人的な感想を言わせていただくと、私がクリニックで患者さんたちの口の中を見た印象では、残った歯の数が20本というのは、かなりスカスカの状態です。

『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!』(かんき出版)。

20本ということは、すでに8本の歯が失われているわけです。例えば、あなたの上の前歯が4本、下の前歯が4本なくなっているところをイメージしてみてください。これって「うわぁ、かなりごっそり抜けてるなぁ」という感じではないでしょうか。

ですから、本気で脳の老化を防ぎたいなら、そして、全身疾患を予防したいなら、「8020」で満足せずに、もっと高いレベルを目指す必要があります。私が推奨したいのは、「8028」! つまり、「80歳で28本、すべての歯を残す!」という気持ちで、口腔ケアを行ってほしいのです。

ただ、日々の歯みがきやケアでは限界があります。年に1度の歯科検診だけに頼らず、3カ月に1度程度は歯科に通って歯石取りやプラーク除去などの定期的なメンテナンスを受けることをお勧めします。

いまや、「歯医者さんに通うのは治療のため」だけではありません。「国民皆歯科健診」の制度の導入からもわかるように、時代は治療歯科から予防歯科へと移り変わろうとしているのです。

診療322日目、お口を綺麗にしたら医療費が1000万節約できる・中編

2023年8月31日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

火曜日は突然ブログをお休みしてしまい、申し訳ありませんでした。

 

先日の復習からです!

口内環境の悪化がさまざまな全身疾患にもつながる原因は、大きく3つあります。

①歯周病菌の影響

②歯を失うことによる脳の血流不足

③歯を失うことによるタンパク質不足

 

歯周病は自然治癒しない

まず、①の「歯周病菌の影響」は、35歳前後から増大し、40代になるころには進行の差こそあれ8割もの人が歯周病を発症します。歯周病は、風邪などと違って自然治癒しません。

その歯周病菌がもとになって生成される「アミロイドβ」が、血管を通じて運ばれて脳内で記憶を司る「海馬(かいば)」を中心に少しずつ溜まっていき、これが、アルツハイマー型認知症を発症させたり、悪化させたりする原因となることがわかっています。ちなみに、アミロイドβが脳内に溜まって認知症を発症するまでには、25年ほどかかると言われています。

また、歯周病菌が出す毒素の影響でつくられる炎症物質「サイトカイン」が血管を通じて全身に放出されることにより、インスリンが効きにくくなって「糖尿病」が発症・進行しやすくなります。さらに、動脈の内壁が厚く硬くなって「脳卒中」のリスクを高め、冠動脈が傷んで「心筋梗塞」を起こす一因となるのです。

このほか、高齢者が発症する肺炎の約70%以上といわれる「誤嚥性肺炎」も、歯周病菌が発症リスクを高めることがわかっています。さらに歯周病は、強烈な口臭の原因にもなります。

次に、2番目の「歯を失うことによる脳の血流不足」について解説しましょう。

大人が歯を失う原因の第1位は、むし歯ではなく、歯周病です。ごく軽い炎症から始まる歯周病は痛みもなく、自覚できないまま静かに進行していきます。違和感に気づいて歯科医院に行くころには、すでに歯茎も歯根もボロボロ。そうなると、抜歯しか選択肢がない場合もあるのです。

ですが、歯は、体に思っている以上に全身へ影響を与えています。実は、歯でものを噛むときには、ひと噛みごとに脳に大量の血液が送り込まれています。

歯の下には「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような器官があり、噛むときは、歯がこのクッションに約30ミクロン沈み込みます。そのほんのわずかな圧力で、歯根膜にある血管が圧縮されて、ポンプのように血液を脳に送り込むのです。

その量は、ひと噛みで3.5㎖。市販のお弁当についている、あの小さな魚の形の醤油入れがだいたい3~3.5㎖サイズなので、噛むたびに、あの容器いっぱいの血液をピュッと脳に送り込んでいるということ。ひと噛みでこの量ですから、よく噛む人の脳にはひっきりなしに血液が送り込まれて、その間、常に刺激を受け続けていることになります。つまり、噛めば噛むほど刺激で脳が活性化されて元気になり、どんどん若返るのです。

診療320日目、お口を綺麗にしたら医療費が1000万節約できる・前編

2023年8月28日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

興味深い切り口の記事を見つけたのでご紹介します!

医療費を1千万円減らす「口腔ケア」のすごい効果

歯周病で認知症、糖尿病、脳卒中等のリスク増大

調査によると、歯や歯茎などの正しいケアをすることで、私たち1人ひとりの生涯医療費が1千万円以上も抑えられる可能性があるそうです。

「国民皆歯科健診」の制度が検討されている今、「医科歯科連携」を進め、『認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!』などの著書を手掛ける認知症専門医の長谷川嘉哉氏に、歯や口腔内のケアの重要性について伺いました。

週1の口腔ケアで認知症が大きく改善

認知症専門医である私は、口内環境と全身の健康状態には密接な関係があることを知っています。そのため、認知症外来のクリニック敷地内に歯科診療所を建て、基本的に患者さん全員にその歯科で受診をしてもらっているほか、訪問診療も行うなど、長年にわたり「医科歯科連携」を進めています。

その中で、日々、口腔内のケアによって認知症の症状が改善したり回復していく患者さんたちを目の当たりにしているのですが、先日、かなり驚いたことがありました。

私が訪問診療を担当するグループホームに、週に1度、歯科衛生士さんにも口腔ケアに入ってもらうことにしました。すると、あるとき介護の現場の方がふと気づいたのです。「この1年半、誰も退所する人がいなかった」と。

このことは、18人の入居者のうち1人も、状態が悪化することも亡くなることもなかったことを意味します。

一般的なグループホームでは、月に1人くらいは重症度が高くなってしまって入院したり、亡くなられたりする方がいらっしゃるのが普通ですから、これはかなり驚異的なことです。

当初は、「毎週の口腔ケアは、さすがに多すぎませんか?」と言っていたスタッフや患者さんのご家族も、口腔ケアの重要性を再認識したようです。

認知症患者さんの治療には、薬物療法や非薬物療法(ご本人が興味を持っていることに挑戦してもらい脳と心を活性化する療法)などがありますが、歯のケアをすることで、薬も使わずたいした時間もかけずに、認知症状を緩和・改善できることは、専門医である私にとって改めて大きな驚きでした。

認知症患者さんの口の中というのは、ちょっとビックリするくらい汚れています。また、私のクリニックで患者さんたちの歯の数を調べたところ、残された歯の数は平均的に非常に少なく、0本の「総入れ歯」の方は25%を占めました。

このような、歯や歯茎を含めた口腔内の機能低下が「認知症」に深く関連することは、さまざまな研究によってわかっています。それだけでなく、「脳卒中」「心筋梗塞」「糖尿病」「ガン」にいたるまで、人間の命にかかわるすべての疾患に影響を及ぼすことが明らかになっているのです。

国民全員、健康診断時に歯科検診を受けましょうという「国民皆歯科健診」は、このことを踏まえ、口腔ケアをすることで全身疾患を予防し、個人の医療費も国の医療費も抑制する狙いがあります。

 

約1万9000人対象の調査でわかった事実

では、どれくらい医療費が抑制されるのか。

具体的に計算すると、適切な口腔ケアを行うことで、なんと1人あたりの生涯医療費が1千万円以上も安くなる可能性があるのです。

日本歯科医師会が、全国の40歳以上、約1万9000人を対象に行った調査では、残っている歯の数が20本以上ある人は、0~4本の人よりも、年間の医療費が平均で17万5900円も低いという結果が出ました。

この先、日本人の寿命は延び続け、2050年には日本の100歳以上の人口が100万人を突破すると推計されています。もし100歳まで生きるとして、歯周病菌が増え始める40歳以上から100歳までに60年間分の医療費の差額を計算すると

17万5900円×60年=1055万4000円となります。

ちなみに、この金額を1日あたりに換算すると、17万5600円÷365日=約481円となります。つまり、歯を20本以上キープする歯のケアを続けるだけで、毎日約500円もの医療費を得することになるのです。

口内環境の悪化がさまざまな全身疾患にもつながる原因は、大きく3つあります。

①歯周病菌の影響

②歯を失うことによる脳の血流不足

③歯を失うことによるタンパク質不足

それぞれ、簡単に説明しましょう。

明日に続きます!

診療319日目、70代よりも食べ物を「噛み切れていない」若年層・後編

2023年8月26日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

昨日のおさらいからです!

食べることは、おおまかに次の「4つの口の力」で成り立っています。

これら4つの力のうち、1つでも弱まると、さまざまなことに支障が出てしまいます。

【4つの口の力】

❶噛む力

❷舌の力

❸唾液量

❹飲み込む力

口の力の衰えは、すべての年齢層で見られ、体全体の不調につながる「オーラルフレイル」の予備軍として、いま問題になりつつあります。

オーラルフレイルとは、「口が老化」したいわゆる「老け口」の状態であり、「口の機能が弱っている状態」を指す言葉です。

口が老化していくことで、かたいものが噛み切りづらくなったり、大きめのものや粘り気のあるものを飲み込みづらくなったり、ムセやすくなったりするなどの症状が表れるようになります。

すると、弾力のある肉類や、繊維質の根菜類や葉物類の野菜などが食べづらくなって避けるようになり、たんぱく質やビタミン類といった栄養素をうまく摂ることができず、栄養バランスが崩れます。

こうした衰えが、口から体全体へとつながっていき、全身の機能が弱っていく「フレイル」にいたる恐れがあります。

また、舌の筋肉が弱ると、会話をするときに、言葉の滑舌が悪くなるといった変化もあります。

一般的には、60代後半あたりから顕著になるといわれていますが、早い人では40代後半あたりからこうした変化が表れることも珍しくありません。

 

■「老け口」を防ぐには? 

では、どうすればよいのか。それが4つの口の力を同時に鍛えられる「かみかみリズム体操」です。「かみかみリズム体操」は、誰でも手に入りやすいグミを使って行うことをおすすめしています。

グミと聞いて、あまり「噛む力」や口の健康と結びつかない人もいるかもしれませんが、わたしが専門とする補綴学の分野では、グミは咀嚼能力検査で長く使われており、信頼度の高い材料です。

 

グミを使うことで、次の4つのメリットが得られます。

❶噛みごたえを自由にコントロールできる

なぜ「かみかみリズム体操」はグミを使うのかというと、グミにはいろいろなかたさの商品があるため、自分で自由に噛みごたえを選ぶことができるからです。

たとえば、「噛む力」が弱っていたり、歯にあまり自信がなかったりする人は、やわらかいものを選んで気軽にはじめることができます。

商品によっては、噛みごたえをわかりやすく数値化して表記されているものもあるので、その日の気分によって選んでみてもいいでしょう。

「鍛えられてきたな」と感じたらよりかたい、数値の高いものに挑戦する楽しみもあります。

❷舌を使った複雑な咀嚼運動が期待できる

グミは、「複雑な噛みごたえ」に特徴があります。弾力があり、口のなかで次々と変わるかたちや大きさの変化に適応するために、食べるだけで、舌を使った複雑な咀嚼運動ができ、結果的に舌や口まわりの筋肉を、楽しみながら鍛えることができます。

❸唾液が増える

❷と関連しますが、グミを食べるだけで、口のなかの複雑な機能をたくさん使うことから、自然と唾液が出るようになります。

❹甘いからおいしく楽しく続けやすい

グミを間食で食べるついでにできますし、甘くておいしいグミでできるので、続けやすいというのも特徴です。とくに子どもなどは、喜んで自ら実践してくれているようです。

また、「かみかみリズム体操」は、のちに紹介する「毒出しうがい」とセットで行いますから、口のなかに残った細かいグミ(食べかす)をしっかり洗い流すことができます。

 

■「老け口」防止のための「かみかみリズム体操」

では、「かみかみリズム体操」の具体的なやり方です。

まずは、舌の力をつける「舌ポジリセット」を行います。

①好みのかたさのグミを口に含み、舌の上にのせます。

②舌を使って、グミを歯ぐきの裏側にぐっと押し付け、その状態を10秒キープします。

次に行うのが「3・3・7拍子がみ」です。

③「舌ポジリセット」のグミを舌で左側の歯に持っていき、3・3・7拍子のリズムで噛みます。

④次に舌で右側の歯にグミを持っていき、右側の歯でも3・3・7拍子のリズムで噛みます。

⑤さらに左側で同様に噛みます。飲み込めるくらいまで、2~3を繰り返して、飲み込みます。

新しいグミで、「舌ポジリセット」と「3・3・7拍子がみ」をもう1度繰り返します。

最後に仕上げの毒出しうがいです。

⑥上の歯をきれいにする

30㎖程度の水(口のなかで水をかき回してみて、全体に水が回るくらい)を口に含み、口を閉じます。そのまま口に含んだ水を上の歯に向けて、クチュクチュとできるだけ大きな音になるように強く速くぶつけます。10回ぶつけたら、水を吐き出します。

⑦下の歯をきれいにする

同じように口に水を含み、その水を下の歯に向けて、1と同じように強く速くぶつけます。10回ぶつけたら、水を吐き出します。

⑧左の奥歯をきれいにする

同じように口に水を含み、その水を左の歯に向けて、強く速くぶつけます。10回ぶつけたら、水を吐き出します。

⑨右の奥歯をきれいにする

同じように口に水を含み、その水を右の歯に向けて、強く速くぶつけます。10回ぶつけたら、水を吐き出します。

 

■やる気UP効果も期待できる

毒出しうがいの水は、吐き出すのが一番いいですが、吐き出す場所がなければ飲み込んでも構いません。ただし、重度の歯周病の人は、吐き出すことをおすすめします。

水が理想ですが、お茶でも構いません。

食事でムセる、噛み切れないといった口の老化からくる「老け口」といえる症状の改善だけでなく、唾液の分泌が促されたり、口呼吸の改善が期待できたりするため、口臭予防にも役立ちます。また、今回、「かみかみリズム体操」の前後で自律神経の測定をしたところ、やる気やパフォーマンスを上げる効果も期待できそうです。

診療318日目、70代よりも食べ物を「噛み切れていない」若年層・前編

2023年8月25日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

歯学博士が警告「すべての老いは口から始まる」 

70代よりも食べ物を「噛み切れていない」若年層

最近、滑舌が悪くなった、食事をしていると噛み疲れする、気づいたら食べこぼして、シャツに染みができる。そんなことはないでしょうか。食べ物をうまく噛めないといった「口の老化」は、高齢者の話と思われるかもしれません。しかし、日本歯科医師会の調査を見ると、近年の柔らかい食べ物への変化もあって、10代~50代の若い人たちの方にも高齢者ではないのに、口の力が衰えている人が増えているといいます。

若いのに口の力が衰えている、いわゆる「老け口」なって、「食事で噛んでいるとあごが疲れる」「かたいものが噛み切れない」といった症状で、悩んでいる人も少なくないようです。

歯学博士の照山裕子氏の著作『食事でムセる かみ切れない 口臭が気になる人のための口の強化書』から一部抜粋・編集して、現代人の口の老化の現状とその対策法を紹介します。

■若い人たちが、70代よりも噛めていない? 

わたしたち日本人はどのくらい口の機能が弱っている状態になっているのか。最近の調査結果で、口腔機能の実態があきらかになってきました。日本歯科医師会による、全国の15歳から79歳の男女1万人を対象に実施した「歯科医療に関する一般生活者意識調査」(2022年)によると、10代は「噛む力」が未発達の傾向があり、ふだんの食事について聞いたところ、「かたい食べ物よりやわらかい食べ物が好き」が53.6%、「かたい食べ物を食べるときに噛み切れないことがある」が40.3%と、全年代のなかで最多となりました。

これはつまり、10代は70代よりも、食べ物を“噛み切れていない”実態があきらかになったというわけです。

加えて、「食事で噛んでいるとあごが疲れることがある」と答えた10代は48.3%で、70代のなんと2.7倍にも上り、さらにいえば、70代が各年代で最も数値が少ないという事実から鑑みると、若年層から中年層の口腔機能の発達が不十分な疑いを表す結果になっているのです。

■口が老化することで何が起こる? 

では、具体的に口の老化によって何が起こるのでしょうか。

口の老化といわれると、 歯の本数や「噛む力」だけを気にする 人がいますが、 口の老化は、それだけではありません。なぜなら、「自分の口で食べる」ためには、歯だけではなく、口全体の機能が大切になるからです。

口のなかの機能は互いに関連しているため、1つひとつの機能としてではなく、口全体として考える必要があるわけです。

まず、食べることは、おおまかに次の「4つの口の力」で成り立っています。

これら4つの力のうち、1つでも弱まると、さまざまなことに支障が出てしまいます。

【4つの口の力】

❶噛む力

❷舌の力

❸唾液量

❹飲み込む力

口の力の衰えは、すべての年齢層で見られ、体全体の不調につながる「オーラルフレイル」の予備軍として、いま問題になりつつあります。

明日は掘り下げていきます!

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

  • 24時間WEB予約
  • 無料メール相談

【電話でのお問い合わせ】

電話でのお問い合わせ03-6908-2281

【住所】

〒171-0031
東京都豊島区目白5-21-8

このページのトップへ戻る