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診療959日目、槇原敬之さんの楽曲が教えてくれる

2026年4月30日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

歯が痛いと、心まで余裕がなくなる

― 槇原敬之さんの楽曲が教えてくれる「歯痛を我慢しない大切さ」 ―

「歯が痛いだけなのに、何も考えられなくなる」

「優しい言葉をかけてもらっても、受け止める余裕がない」

そんな経験はありませんか。

ミュージシャンの槇原敬之さんが、自身のラジオ番組で語った

楽曲「夜空にピース」の誕生秘話が、今あらためて注目されています。

ラジオ番組で語ったエピソードが話題になりました。

 

歯が痛い時、人は思った以上に追い詰められる

「夜空にピース」は、突然の歯痛に苦しむ主人公が、

心配してくれる恋人に対して、思わずきつい言葉を投げてしまう――

そんな、少し切なくてリアルな場面が描かれています。

 

槇原さん自身、このエピソードについて

「ほぼ実体験」だと語っています。

歯が痛くて仕方がないとき、

全神経が痛みに持っていかれ、

本当は感謝しているはずの優しさにも、素直に向き合えなくなってしまう。

「歯が治ったあとに、なんであんなこと言ってしまったんだろう」

そう後悔した気持ちも含めて、この曲は生まれたそうです。

この話に、胸がチクリとした方も多いのではないでしょうか。

 

歯痛は、体だけでなく心も削っていく

歯の痛みは、他の痛みと少し違います。

体の中でも特にストレスが強い痛みです。

眠れない、集中できない、気持ちに余裕がなくなる。

結果として、普段ならしない言動をしてしまうことも珍しくありません。

•何をしていても気になる

•夜眠れない

•集中できない

•気持ちに余裕がなくなる

たった1本の歯のトラブルが、

日常や人間関係にまで影響してしまうことも、決して珍しくありません。

槇原さんが

「歯が痛いって、全神経をもっていかれる」

と語った言葉は、多くの方が共感できるのではないでしょうか。

それでも「我慢」してしまう人が多い理由

実際、歯科医院ではよくこんな声を聞きます。

「忙しくて後回しにしていた」

「そのうち治ると思った」

「歯医者が怖くて…」

でも、歯の痛みは

我慢しても自然に治ることはほとんどありません。

むしろ、

•痛みが強くなる

•治療が大がかりになる

•治療期間が長くなる

というケースが多いのが現実です。

「痛くなってから」ではなく、「痛くなる前に」

槇原さん自身も、ラジオの最後に

「みなさんに言いたい。歯は本当に気をつけよう」

と、リスナーに向けて注意を呼びかけていました。

 

歯科医療の立場からも、これはとても大切なメッセージです。

 

歯のトラブルは、

•早めに見つければ

•痛みが出る前に対処でき

•負担の少ない治療で済む

ことがほとんどです。

歯を守ることは、自分の余裕を守ること

「泣きながらでもピースできる人間になりたい」

槇原さんのこの言葉は、

歯が治ったあとに生まれた、心の余裕の象徴なのかもしれません。

 

歯の痛みがあると、

•笑うこと

•優しくすること

•前向きでいること

さえ難しくなってしまいます。

だからこそ、

歯が痛くなる前にケアすることは、心の余裕を守ること

にもつながります。

 

「これくらいなら大丈夫」と思ったときこそ

•少ししみる

•たまにズキっとする

•違和感が続いている

そんな小さなサインこそ、歯科受診のタイミングです。

歯医者は、

「我慢の限界になってから行く場所」

ではありません。

安心するために行く場所です。

 

歯が痛くなってからでは、選択肢が少ない

歯痛が出るということは、多くの場合、

・虫歯が神経近くまで進行している

・歯の根や歯ぐきに炎症が起きている

など、ある程度症状が進んでいる状態です。

 

この段階になると、

•治療回数が増える

•痛みを伴う処置が必要になる

•神経を取る治療になる可能性が高い

と、どうしても負担が大きくなります。

槇原さんが最後に語った

「みなさんに言いたい。歯は気をつけよう、本当に」

という言葉は、まさにその通りなのです。

 

槇原敬之さんの楽曲が教えてくれるのは、

歯の痛みは、想像以上に人を追い詰めるということ。

そして、

歯を大切にすることは、自分自身や周りの人を大切にすること

でもあります。

「ちょっと気になるな」

そう思った今こそが、受診のベストタイミングです。

どうか歯痛を我慢せず、

早めに歯科医院へ相談してくださいね。

 

定期検診では、

•初期の虫歯

•歯ぐきの炎症

•噛みしめ・歯ぎしりのサイン

など、自覚症状が出る前の変化を見つけることができます。

この段階で対応できれば、

・治療は最小限

・痛みもほとんどない

・通院回数も少なく済む

というメリットがあります。

 

何もないとき」に来る人ほど、歯は守れる

予防歯科や定期検診に通っている方ほど、

「実は歯医者で痛い思いをしたことが少ない」

という傾向があります。

歯が痛くなってから慌てるのではなく、

問題が起きない状態を維持する

それが、結果的に一番ラクで、コストも抑えられる方法です。

 

歯の痛みで、後悔しないために

歯痛は、心の余裕まで奪ってしまいます。

大切な人に、あとで後悔する言葉を向けてしまう前に。

そして、「あのとき行っておけばよかった」と思わないために。

痛みが出る前の定期検診、

ぜひ生活の一部として取り入れてみてください。

歯は、一生付き合う大切なパートナーです。

気づいた“今”が、守り始めるベストタイミングです。

 

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診療954日目、急に気づく「骨の出っ張り」

2026年4月23日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

これって何…?急に気づく「骨の出っ張り」

― 骨隆起(こつりゅうき)を知っておくと安心です ―

ある日、歯みがきをしていてふと気づいた、

歯ぐきの内側にある、硬い出っ張り。

「これ、前からあった?」

「触ると痛くないけど、なんだか気になる」

「ニキビ?おでき?口内炎?」

そんな不安を感じて、このページにたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

その正体は、骨隆起(こつりゅうき)かもしれません。

 

骨隆起ってなに?

骨隆起とは、あごの骨が部分的に盛り上がってくる状態のことです。

歯ぐきが腫れているのではなく、中の骨そのものが出っ張っているのが特徴です。

よく見られる場所は、

• 下の前歯の内側(舌側)

• 上あごの真ん中(口蓋)

• 奥歯の内側や外側

触るととても硬く、動かないため、

おできやニキビ、口内炎とは感触がまったく異なります。

 

なぜ骨隆起ができるの?

骨隆起は病気ではありません。

ただし、生活習慣や噛み方のクセが大きく関係していると考えられています。

主な原因として多いのは、

• 歯ぎしり・食いしばり

• 強い噛みしめのクセ

• ストレス

• 噛み合わせの偏り

 

特に、20代後半〜30代は、

• 仕事の責任が増える

• 無意識に力が入る

• 睡眠中の歯ぎしりが起きやすい

といった背景が重なり、骨隆起に気づく人が増える年代です。

 

骨は、力がかかると強くなろうとします。

その結果、防御反応として骨が盛り上がることがあるのです。

 

口内炎やニキビと間違えやすい理由

骨隆起は、

• 痛みがないことが多い

• 表面の歯ぐきは普通に見える

• 突然気づくことが多い

 

このため、

「何かできものができたのでは?」

と不安になる方が少なくありません。

しかし、

• 押してもブヨブヨしない

• 数日経っても治らない

• 触るとカチカチ

という場合、骨隆起の可能性が高いです。

 

骨隆起ができたら、どうすればいい?

まず大切なのは、慌てないことです。

骨隆起自体は、良性で、基本的に治療の必要はありません。

多くの場合、

• 痛みがない

• 日常生活に支障がない

のであれば、経過観察となります。

ただし、以下のような場合は歯科医院で相談しましょう。

• 大きくなってきた

• 食事や会話で違和感がある

• 入れ歯やマウスピースが合わない

• 繰り返し傷ができる

骨隆起と上手につき合うために

骨隆起そのものを小さくすることは難しいですが、

進行を抑えることは可能です。

 

ポイントは、

• 歯ぎしり・食いしばりの対策

• ストレスケア

• 噛み合わせのチェック

 

歯科医院では、

ナイトガード(マウスピース)を使って、

睡眠中の強い力から歯や骨を守ることもあります。

 

放置しても大丈夫?

基本的には問題ありませんが、

将来、入れ歯や矯正、インプラントを検討する際に、

骨隆起が影響することもあります。

 

だからこそ、

「今すぐ治療が必要ないからこそ、知っておく」

ことが大切です。

最後に:気づいた“今”が相談のタイミング

 

骨隆起は、

頑張っている人ほどできやすいとも言われます。

無意識に力が入っているサインかもしれません。

「これって何だろう?」

「放っておいていいのかな?」

そんな小さな疑問でも構いません。

早めに確認することで、安心につながります。

気になる出っ張りに気づいたら、

ぜひ一度、歯科医院で相談してみてください。

診療949日目、入れ歯を考え始めたあなたへ

2026年4月16日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

入れ歯を考え始めたあなたへ

 

― いま知っておきたい“入れ歯を支える人たち”の話 ―

 

「そろそろ入れ歯を考えたほうがいいのかな」

「ちゃんと噛めるようになるのだろうか」

「違和感が強かったらどうしよう」

 

入れ歯を検討し始めたとき、多くの方が同じような不安を感じます。

実はその不安の背景には、〝あまり知られていない“ある職業”が深く関わっています。

 

それが、歯科技工士です。

 

入れ歯は、歯科医師だけで作られているわけではありません

 

歯科医院で型取りをし、治療を行うのは歯科医師ですが、

実際に入れ歯やかぶせ物を形にしているのは歯科技工士です。

 

歯科技工士は、

• 噛みやすさ

• 話しやすさ

• 見た目の自然さ

 

これらすべてを考えながら、ミクロン単位の精度で歯を作る、いわば“口の中の職人”です。

 

実は今、歯科技工士が減っています

 

厚生労働省のデータによると、

歯科技工士の数はこの20年あまりで5000人以上減少しています。

 

さらに、現役の歯科技工士の約半数が50歳以上。

一方で、技工士を目指す若い世代は減り続け、養成学校も定員割れが続いています。

 

その結果、

「入れ歯を作れる技工所がなかなか見つからない」

「以前より完成まで時間がかかる」

といった声も、現場では増えてきています。

 

それでも、入れ歯は“人の手”で作られています

 

近年、歯科の世界でもデジタル化が進み、

3Dスキャナーやコンピューター設計、機械加工が導入されています。

 

これにより、作業時間は大幅に短縮され、精度も安定してきました。

しかし、最終的な仕上がりを左右するのは、やはり人の目と手です。

• ほんのわずかな出っ張り

• わずかな厚み

• 色の違い

 

口の中はとても敏感な場所です。

髪の毛1本でも気になるほど繊細な感覚だからこそ、

最後の調整は、熟練した技工士の感覚に委ねられます。

 

「よく噛めること」は、生活の質そのもの

 

実際に新しい歯を入れた患者さんからは、こんな声が聞かれます。

 

「硬いものが噛めるようになった」

「食事が楽しみになった」

「しっかり噛めると、元気が出る」

 

噛めるようになることは、

単に食事の問題だけでなく、**健康や生活の質(QOL)**に直結します。

 

入れ歯を考えるとき、大切にしてほしいこと

 

これから入れ歯を検討する方に、ぜひ知っておいていただきたいのは、

• 入れ歯は「既製品」ではない

• あなたの口に合わせて、ひとつずつ作られている

• その裏には、歯科医師と歯科技工士の連携がある

 

ということです。

 

完成までに少し時間がかかることもありますが、

それはあなたが毎日使う“体の一部”を丁寧に作っている時間でもあります。

 

不安なことは、遠慮なく相談してください

 

「違和感が出ないか心配」

「ちゃんと噛めるか不安」

「見た目が気になる」

 

こうした気持ちは、とても自然なものです。

歯科医院では、患者さん一人ひとりの不安に寄り添いながら、

最適な方法を一緒に考えていきます。

 

入れ歯は、我慢して使うものではありません。

毎日の食事と会話を、もう一度楽しむためのものです。

 

 

最後に

 

歯科技工士という“縁の下の力持ち”の技術に支えられて、

入れ歯は今も進化し続けています。

 

もし少しでも

「噛みにくい」

「合っていない気がする」

と感じていたら、早めにご相談ください。

 

あなたのこれからの生活が、

**「しっかり噛める安心感」**とともにあるよう、私たちは全力で支えます。

 

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診療944日目、ふるさと納税でインプラント治療?

2026年4月9日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

ふるさと納税でインプラント治療?

― 札幌市の新しい取り組みから考える「治療の選択肢」とお金の話 ―

「インプラントは気になるけれど、費用がネックで一歩踏み出せない」

20〜30代の患者さんから、こうした声を耳にすることは決して少なくありません。

そんな中、2025年12月より札幌市が全国の自治体で初めて、インプラント治療を“ふるさと納税の返礼品”として採択したことが発表され、歯科医療業界でも大きな注目を集めています。

 

椎名町駅えがお歯科では、インプラント治療は行なっておりませんので、

直接的な関係はないのですが、あまりにもびっくりしたニュースでしたので題材に選びました。

 

今回はこのニュースをきっかけに、

•そもそも「ふるさと納税」とは何か

•「医療費控除」とはどう違うのか

•インプラント治療を検討する際に、20〜30代が知っておくべき現実的な視点

を、当院の立場を明確にしながら解説します。

なお、本記事で紹介する「ふるさと納税返礼品としてのインプラント治療」は札幌市および特定医療機関での取り組みであり、当院は対象外です。

制度の誤解を避けるため、あらかじめ明記いたします。

 

そもそも「ふるさと納税」とは?

ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付を行うことで、

実質2,000円の自己負担を除いた金額が所得税・住民税から控除される制度です。

多くの方は、

•食品

•日用品

•旅行券

などの「返礼品」をイメージされるかもしれません。

今回札幌市で採択されたのは、その返礼品として

「インプラント治療に使えるクーポン(10万円分)」

を提供するという、これまでにない医療分野での活用でした。

高額になりやすい自由診療を、制度面からサポートしようとする点で、

非常に先進的な試みと言えます。

 

医療費控除とは何が違うの?

インプラント治療を考える際、もう一つ知っておきたいのが医療費控除です。

医療費控除とは、

1年間(1月〜12月)に支払った医療費が一定額を超えた場合、確定申告を行うことで税金の一部が戻ってくる制度です。

インプラント治療は保険適用外の自由診療ですが、

•機能回復を目的とした治療

•医師が必要と判断した治療

であれば、医療費控除の対象になるケースが一般的です。

 

“重要な違い”

ふるさと納税:寄付を通じた税控除+返礼品

医療費控除:支払った医療費に対する事後的な税控除

つまり、医療費控除は多くの歯科医院で共通して利用できる制度であり、

ふるさと納税型インプラントは、特定地域・特定施設に限定された取り組みです。

 

20〜30代でインプラントを考える意味

「インプラントは年配の人の治療」というイメージを持たれがちですが、実際には20〜30代で検討される方も年々増えています。

背景には、

•歯周病の若年化

•先天欠損や外傷による歯の喪失

•ブリッジや入れ歯に違和感を覚える

といった理由があります。

 

若いうちに治療を行うメリットは、

•周囲の歯を守りやすい

•噛み合わせの安定が長期的に期待できる

•生活の質(QOL)への影響が大きい

という点にあります。

一方で、費用・治療期間・メンテナンスといった現実的な要素を、

冷静に理解した上で判断することが不可欠です。

 

大切なのは「制度」より「中身」

今回の札幌市の取り組みは、

地域医療の質が評価され、全国から支えられる仕組み

という点で、非常に意義のあるモデルケースです。

ただし、インプラント治療において最も重要なのは、

•正確な診断

•治療計画の妥当性

•術後の長期管理体制

であることは変わりません。

制度はあくまで「選択肢を広げる手段」であり、

どこで、誰に、どのような治療を受けるか

を見極めることが、将来の安心につながります。

 

当院のスタンスについて(重要)

繰り返しになりますが、

当院は、ふるさと納税返礼品としてのインプラント治療の対象施設ではありません。

その代わり、

•十分な説明

•複数の治療選択肢の提示

•医療費控除を含めた費用面のご相談

を通じて、患者さんが納得した上で治療を選べる環境づくりを大切にしています。

「いま治療すべきか」「他の選択肢はないか」

そうした迷いも含めて、相談すること自体が第一歩です。

 

まとめ

インプラント治療を取り巻く環境は、制度面でも少しずつ変化しています。

今回のニュースは、その象徴的な一例と言えるでしょう。

ただ、どんな制度があっても、

自分の口の中に合った治療かどうか

を判断する軸は変わりません。

将来の自分が後悔しない選択のために、

まずは正しい情報を知ることから始めてみてください。

歯の話は後回しにしがちですが、

気づいた“今”が、いちばん若いタイミングです。

診療940日目、スマホ首が口の中を変える?

2026年4月3日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

姿勢と歯並びの意外な関係

― スマホ首が口の中を変える?

スマホやタブレットが生活の一部になった現代。

中高生の毎日は、勉強、連絡、娯楽の多くを画面越しに行う時間であふれています。

その一方で、近年歯科の現場では「歯並び」「噛み合わせ」「口呼吸」に関する相談が増えています。

その背景に共通して見えてくるのが、姿勢、特にスマホを見るときの首の位置です。

 

このブログでは、中高生とその保護者の方に向けて、「姿勢」と「口の中」の意外な関係を、

できるだけわかりやすく解説していきます。

 

姿勢が悪いと、なぜ口が開く?

人の頭の重さは体重の約10%ほどあり、見た目以上に重たいものです。

本来、正しい姿勢では、耳・肩・腰が一直線に並び、首やあごの筋肉は無理なくバランスを保っています。

しかしスマホを見るとき、多くの人は画面をのぞき込むように首を前に倒します。

この状態では、頭の重さを首やあごの筋肉だけで支えることになり、筋肉はすぐに疲れてしまいます。

その結果、下あごを引き上げておく力が弱まり、口が自然と開きやすくなります。

「ぼーっとしていると口が開いている」

「集中すると口が開く」

こういったクセは、性格やだらしなさではなく、姿勢の負担が原因になっていることも少なくありません。

 

首・肩・あごはチームで動いている

首、肩、あごは別々の場所にあるように見えますが、実際には筋肉や骨格でつながり、連動して動いています。

首が前に倒れると、肩は内側に入り、背中は丸くなります。すると下あごは後ろに引かれ、噛み合わせの位置が不安定になります。

成長期の中高生は、骨や筋肉がまだ発達途中です。この時期に姿勢の乱れが続くと、あごの成長方向や、

歯が並ぶためのスペースにも影響が出る可能性があります。つまり、姿勢は「今の体」だけでなく、

「これからの口の中」にも関わっているのです。

 

歯並びや噛み合わせへの影響

姿勢が悪いからといって、すぐに歯並びが悪くなるわけではありません。

しかし、

  • 口呼吸になりやすい
  • 舌が正しい位置に置かれない
  • あごの位置が安定しない

といった状態が長く続くことで、歯並びや噛み合わせに影響するリスクは高まります。

 

特に重要なのが舌の位置です。

舌は本来、上あごに軽く触れる位置にあり、内側から上あごの成長を支えています。

しかし猫背やスマホ首で口が開いた状態が続くと、舌は下に落ちやすくなります。

その結果、上あごの横への成長が妨げられ、歯が並ぶスペースが不足し、

歯並びがガタガタになる原因の一つになることがあります。

 

家でできる姿勢セルフチェック

ここで、家で簡単にできる姿勢チェックをしてみましょう。中高生も、保護者の方も一緒に確認してみてください。

  1. 壁にかかと、お尻、背中、後頭部をつけて立つ
  2. その状態で顎が無理なく引けているか
  3. 口を閉じたまま、鼻で楽に呼吸できるか

どこかが苦しい、後頭部が壁につかない、顎が上がってしまう場合は、首や背中に負担がかかっているサインです。

また、スマホを見るときの姿勢も要チェックです。

画面を目の高さまで上げ、首だけが前に倒れていないか意識してみましょう。肘を机や膝に置くだけでも、

首への負担は減らせます。

 

完璧じゃなくていい、まず気づくことが大事

姿勢は一日で完璧に直るものではありません。大切なのは「気づくこと」です。

  • スマホを見ているとき
  • 勉強しているとき
  • テレビを見ているとき

ふとした瞬間に、首の位置や口の開き方を意識するだけでも十分です。

少しずつ意識を重ねることで、体と口の中は確実に変わっていきます。

保護者の方へ。姿勢や口のクセを指摘するとき、「また猫背!」と注意するよりも、

「首、疲れてない?」と声をかけてみてください。責めるより、体の感覚に気づかせる方が、

子ども自身が前向きに取り組みやすくなります。

姿勢は、歯並びや噛み合わせ、呼吸、そして将来の健康にもつながっています。

スマホ時代だからこそ、体と口のサインを見逃さず、できるところから整えていきましょう。

診療937日目、なぜ今、「鼻呼吸」の話を伝えたいのか

2026年3月30日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

なぜ今、「鼻呼吸」の話を伝えたいのか

スマートフォンやタブレットは、今や中高生の生活に欠かせない存在です。

調べもの、勉強、友達との連絡、動画視聴。便利な一方で、長時間の使用が当たり前になっています。

その中で、歯科の立場から気になっている変化があります。

それが 「口が開いたまま過ごしている子どもが増えている」 ということです。

画面をのぞき込む姿勢が続くと、自然と首が前に出て、口が開きやすくなります。

本人は気づかないまま、口呼吸が習慣化しているケースも少なくありません。

呼吸は、意識しなくても一生続くものです。

だからこそ、成長期の今、正しい知識を知っておくことが将来の健康につながります。

 

鼻呼吸ってそもそも何がいいの?

鼻は「息をするために作られた器官」です。

実は、口よりもずっと高性能です。

鼻の中には、空気中のホコリや細菌を防ぐフィルター機能があります。

また、冷たい空気を温め、乾いた空気に湿り気を与えてから体に送ってくれます。

この働きによって、のどや肺への負担が軽減されます。

さらに重要なのが、脳との関係です。

鼻呼吸は酸素を効率よく取り込めるため、集中力や思考力を保ちやすくなります。

「授業中に集中が続かない」

「勉強しているとすぐ疲れる」

こうした悩みの背景に、呼吸の質が関係していることもあります。

 

口呼吸だと体の中で何が起きている?

一方で、口呼吸が続くと体にはさまざまな影響が出ます。

口は本来、食べたり話したりするための場所です。

呼吸用に作られていないため、乾燥しやすく、細菌が増えやすい環境になります。

その結果、

  • 虫歯
  • 歯肉炎
  • 口臭

のリスクが高まります。

また、口が常に開いていると舌の位置が下がります。

舌は本来、上あごに軽く触れている位置が理想です。

 

舌の位置が下がることで、

  • 歯並び
  • あごの成長
  • 噛む力のバランス

にも影響が出る可能性があります。

これは成長期だからこそ、見逃せないポイントです。

 

鼻呼吸ができている人・できていない人の違い

鼻呼吸ができている人は、無意識のうちに良い状態を保てています。

  • 普段、口が自然に閉じている
  • 口の中が乾きにくい
  • 朝起きたとき、のどが痛くなりにくい
  • 集中力が比較的続きやすい

一方で、鼻呼吸がうまくできていない場合、こんなサインが見られることがあります。

  • 気づくと口が開いている
  • 寝起きに口やのどが乾いている
  • 姿勢が悪くなりやすい
  • 歯並びが気になってきた

大切なのは、これは「本人の癖」や「だらしなさ」ではないということです。

生活環境や姿勢によって、誰にでも起こりうる問題です。

 

今日からできる簡単セルフチェック

難しいことは必要ありません。

まずは、今の状態を知ることが第一歩です。

  1. 何もしていないとき、口は閉じていますか?
  2. スマホを見ているとき、口が開いていませんか?
  3. 朝起きたとき、口の中が乾いていませんか?
  4. 無意識に口で息をしていませんか?

ひとつでも当てはまれば、気づけたことが大切です。

保護者の方は、

「口が開いていることが多いかな?」

と、やさしく観察してあげてください。

 

完璧じゃなくていい、まず気づくことが大事

鼻呼吸は、今日から完璧にできなくても問題ありません。

意識するだけでも、少しずつ体は変わっていきます。

スマホを見ているときに、口を閉じてみる。

勉強の合間に、鼻からゆっくり息を吸ってみる。

それだけで十分なスタートです。

歯科では、歯だけでなく

噛む力・舌の位置・呼吸の仕方 も含めて、成長を見守っています。

中高生の今は、体も口の中も大きく変わる大切な時期です。

小さな気づきが、将来の健康につながります。

完璧を目指さなくて大丈夫。

まずは「知ること」「気づくこと」から始めていきましょう。

診療935日目、スマホ時代に増えている「口呼吸」

2026年3月27日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

スマホ時代に増えている「口呼吸」

気づかないうちに、体と歯に起きている変化

授業の合間、帰り道、寝る前。

気づけばスマホを見ている時間が、1日の中でかなり長くなっていませんか。

実はこのスマホ習慣、「口呼吸」という問題と深く関係しています。

口呼吸は、ただの癖ではありません。歯並び、集中力、体調、さらには顔つきにまで影響することがあります。

 

口呼吸って、何が問題なの?

本来、人は鼻で呼吸するようにできています。

鼻は、空気を温め、加湿し、ホコリやウイルスを防ぐフィルターの役割を果たしています。

一方、口呼吸ではこれらの働きがほとんどありません。

その結果、

  • 喉が乾きやすい
  • 風邪をひきやすい
  • 口の中が乾燥する

といったトラブルが起こりやすくなります。

 

スマホと口呼吸の意外な関係

スマホを見ているときの姿勢を、思い出してみてください。

  • 頭が前に出ている
  • 背中が丸まっている
  • 顎が下がっている

この姿勢になると、自然と口が開きやすくなります。

口が開けば、呼吸は鼻ではなく口になりがちです。

長時間これを続けることで、口呼吸が「癖」として定着してしまうのです。

 

思春期は口呼吸が定着しやすい時期

高校生の時期は、

  • 顔や顎が成長途中
  • 筋肉や骨のバランスが未完成

という特徴があります。

この時期に口呼吸が続くと、

  • 顎が十分に成長しにくい
  • 歯が並ぶスペースが不足する
  • 歯並びが乱れやすくなる

といった影響が出ることがあります。

歯科では、口呼吸のある人ほど、歯並びや噛み合わせに問題を抱えやすいことが知られています。

 

口呼吸が引き起こす「口の中」のトラブル

口が乾くと、唾液の量が減ります。

唾液には、

  • 細菌を洗い流す
  • 歯を守る
  • 粘膜を保護する

といった大切な役割があります。

口呼吸が続くと、

  • 虫歯になりやすい
  • 歯肉炎が起きやすい
  • 口臭が出やすい

など、歯科的なトラブルが増えてしまいます。

 

口呼吸は、集中力にも影響する?

鼻呼吸は、脳に安定した酸素を送ります。

口呼吸では呼吸が浅くなりやすく、脳が軽い酸欠状態になることがあります。

その結果、

  • 集中が続かない
  • ぼーっとする
  • 疲れやすい

と感じる人も少なくありません。

勉強に集中できない原因が、実は呼吸の仕方にあることもあるのです。

 

自分が口呼吸かどうか、簡単チェック

次の項目に当てはまるものはありますか。

  • 気づくと口が開いている
  • 朝起きたとき、口や喉が乾いている
  • 唇がよく荒れる
  • 寝ているとき、いびきをかくと言われる

複数当てはまる場合、口呼吸の可能性があります。

 

今日からできる口呼吸対策

いきなり治そうとしなくて大丈夫です。

  • スマホを見るとき、目の高さまで持ち上げる
  • 姿勢を正す
  • 口を軽く閉じ、舌を上あごにつける
  • 鼻づまりがある場合は耳鼻科を受診する

これだけでも、鼻呼吸に戻りやすくなります。

歯並びや噛み合わせが原因の場合は、歯科で相談することも大切です。

 

口を閉じることは、自分を守ること

口呼吸は、怠けやだらしなさの問題ではありません。

生活環境や姿勢によって、誰にでも起こりうるものです。

そして、意識することで改善できる可能性があります。

スマホ時代だからこそ、

「口を閉じる時間」を大切にしてみてください。

それは、歯を守り、体を守り、未来の自分を守る習慣です。

次回は、口呼吸から鼻呼吸へとお話を移します!え?!鼻?!と思わず、ぜひ読んで頂きたいです。

診療932日目、食事中のゲップ、どうして出ちゃうの?

2026年3月23日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

食事中のゲップ、どうして出ちゃうの?

実はとても自然な体のサインです

「ごはんの途中でゲップが出そうになって焦る」

「友だちの前だと、余計に気になってしまう」

思春期の女の子にとって、ゲップはとても気になる悩みのひとつです。

マナー的に良くないと分かっているからこそ、「どうして自分だけ?」と

落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

 

でも、まず知ってほしいのは、ゲップは誰にでも起こる、とても自然な生理現象だということです。

ゲップとは、胃や食道にたまった空気が、口の方へ戻ってくる現象のことです。

 

食事のとき、人は食べ物と一緒に少しずつ空気も飲み込んでいます。

炭酸飲料を飲んだあとに出やすいのも、このためです。

日本では「食事中のゲップ=マナー違反」という考えが一般的ですが、実は国によって受け止め方は違います。

たとえば中国では、ゲップは「おいしく食べて満足しました」という意味として捉えられることもあります。

つまり、ゲップそのものが悪いのではなく、文化や場面の問題なのです。

 

ゲップが多いとき、体からのサインかもしれません

ゲップは普通のことですが、あまりにも頻繁に出る場合は、

体の調子が関係していることもあります。

代表的なのが、

  • 機能性ディスペプシア
  • 逆流性食道炎

といった、胃や食道の働きに関係する状態です。

これらは、検査では大きな異常が見つからなくても、胃の動きが弱かったり、胃酸が逆流しやすかったりすることで、

胃もたれ、ムカムカ、胸やけ、そしてゲップが出やすくなることがあります。

「会話中にも出てしまう」

「食事に集中できないくらい気になる」

そんなときは、無理に我慢せず、消化器内科に相談して大丈夫です。

きちんと診てもらうことで、気持ちも体も楽になります。

 

心とゲップは、意外と深くつながっています

最近の研究では、ゲップが多い人ほど、不安やストレス、

睡眠の質の低下を感じている割合が高いことも分かってきました。

  • 緊張しやすい
  • 人前で気を張ってしまう
  • テストや人間関係で頭がいっぱい

そんな状態が続くと、無意識のうちに空気をたくさん飲み込んでしまうことがあります。

これを「呑気症(どんきしょう)」と呼びます。

呑気症は、胃や食道の病気というより、心や生活習慣の影響が大きい状態です。

  • 早食い
  • よく噛まない
  • 噛みしめや食いしばりの癖
  • 口呼吸
  • 猫背や長時間のスマホ・勉強姿勢

こうしたことが重なると、ゲップが増えやすくなります。

「自分の性格のせいかも」と責める必要はありません。

思春期は、心も体もとてもがんばっている時期なのです。

 

赤ちゃんのゲップは、実はとても大切

ここで少し視点を変えてみましょう。

赤ちゃんは、ミルクのあとに必ずゲップをさせますよね。

これは、飲み込んだ空気を外に出して、吐き戻しや誤嚥を防ぐためです。

つまりゲップには、体を守る大切な役割があります。

大人になるにつれて、場面を選ぶ必要は出てきますが、

ゲップ自体が「悪いもの」ではないことを、ぜひ覚えておいてください。

 

今日からできる、やさしいゲップ対策

ゲップを完全になくそうとする必要はありません。

大切なのは、「出にくくする習慣」を少しずつ身につけることです。

  • よく噛んで、ゆっくり食べる
  • 一気食い、早食いを避ける
  • 姿勢を正し、前かがみになりすぎない
  • 噛みしめていることに気づいたら、少し口の力を抜く
  • 深くゆっくり息をする腹式呼吸を意識する
  • ストレスをひとりで抱え込まない

噛みしめが強い場合は、歯科でマウスピースを作ることで楽になることもあります。

これは「特別なこと」ではなく、体を守るための一つの選択肢です。

 

ゲップと嘔吐反射は、まったく別の仕組みです

歯科でよくある相談のひとつに、

「治療中にゲップが出そうになる」

「型取りや器具が入ると、吐きそうになる」

という声があります。

この2つは似ているように感じますが、体の仕組みとしてはまったく別物です。

 

ゲップは「空気」の逆流

ゲップは、胃や食道にたまった空気が上に戻る現象です。

食事や緊張によって飲み込んだ空気が原因で起こり、胃や食道の動き、姿勢、呼吸の影響を受けます。

  • 空気が原因
  • 自分でも少しコントロールできる
  • 体勢や呼吸で軽減しやすい

という特徴があります。

 

嘔吐反射は「のどの防御反応」

一方、嘔吐反射(おえっとなる反応)は、のどや舌の奥が刺激されたときに起こる防御反射です。

異物が気道に入らないよう、体が自動的に働いています。

  • 刺激が原因
  • 無意識に起こる反射

「吐きそう」と感じても、実際に吐くわけではないことが多い

歯科治療で使う器具や型取りがきっかけになることがありますが、異常ではありません

思春期は、嘔吐反射が出やすい時期でもあります

思春期の女の子は、

  • 緊張しやすい
  • 感覚が敏感
  • 呼吸が浅くなりやすい

といった特徴があり、嘔吐反射が強く出やすい傾向があります。

また、噛みしめや口呼吸、猫背などの姿勢も影響します。

これは性格の問題ではなく、体の成長途中に起こりやすい反応です。

 

歯科治療中にできる、嘔吐反射の対策

歯科では、嘔吐反射がある方への対応もきちんと考えています。

  • 鼻呼吸を意識する
  • 深くゆっくり呼吸する

「苦しい」と感じたら手を挙げて合図する

  • 姿勢を少し起こしてもらう
  • 必要に応じて表面麻酔を使う

事前に「オエッとなりやすいです」と伝えてもらえるだけで、対応は大きく変わります。

 

ゲップと嘔吐反射を混同しなくて大丈夫

ゲップは空気の問題、嘔吐反射は防御反応

原因も対処法も違います。

「気持ち悪くなる=吐くかも」と思い込むと、緊張が強まり、どちらも起こりやすくなります。

正しく知ることは、安心につながります。

 

歯科は「我慢する場所」ではありません

歯科治療は、つらさを耐える場所ではなく、体を守るための医療の場です。

ゲップが気になること、嘔吐反射が心配なこと、どちらも相談していいことです。

不安を言葉にするだけで、体は驚くほど楽になります。

安心して通える歯科との出会いが、長く健康なお口を守る第一歩です。

 

最後に

ゲップで悩むことは、恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。

体と心が一生懸命バランスを取ろうとしているサインです。

「ちょっと気になるな」

「最近多いかも」

そう感じたら、まずは生活を少し見直してみてください。

それでもつらいときは、周りの大人や医療機関を頼って大丈夫です。

あなたの体は、あなたの味方です。

焦らず、比べず、少しずつ整えていきましょう。

診療928日目、「よく噛むと頭がよくなる」は本当?

2026年3月16日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

「よく噛むと頭がよくなる」は本当?

噛む力と脳の発達の、意外と深い関係

「よく噛んで食べなさい」

子どもの頃、何度も言われた言葉ではないでしょうか。

実はこの言葉、ただの生活習慣の注意ではなく、脳の発達と深く関係する、とても理にかなったアドバイスなのです。

近年の研究や人類進化の視点から見ても、「噛む力」は、私たちの脳と切っても切れない関係にあります。

 

人類は「噛まなくなって」脳が進化した?

少し意外に思えるかもしれませんが、人類の進化をたどると、

顎は小さくなり、脳は大きくなったという変化が見られます。

約200万年前の人類は、硬い木の実や生肉などを噛むために、大きくて頑丈な顎を持っていました。

しかし火を使い、食べ物を加工し、やわらかく調理するようになると、強い噛む力がそれほど必要なくなります。

その結果、顎は少しずつ小さくなり、余ったエネルギーが脳の発達に使われるようになった、と考えられています。

つまり、噛む力と脳の進化は、バランスを取りながら変化してきたのです。

 

それでも「噛むこと」が脳に必要な理由

では、現代人は噛まなくていいのでしょうか?

答えは、はっきり「NO」です。

噛むという動作は、脳にとって非常に強い刺激になります。

  • 歯根膜(歯の根の周り)
  • 顎の筋肉
  • 顎関節

これらには多くの神経が集まっており、噛むたびにその刺激が脳へ送られます。

特に刺激されるのが、

・前頭葉(考える、判断する)

・海馬(記憶をつかさどる)

です。

 

実験で分かっている「噛む力と脳」の関係

動物実験では、やわらかい餌ばかりを与えられた個体は、

  • 記憶力が低下
  • 学習能力が落ちる
  • 脳の神経細胞が減少

すると報告されています。

 

人間でも、よく噛んで食べる人ほど、

  • 集中力が高い
  • 記憶力が安定している
  • ストレスを感じにくい

といった傾向があることが分かっています。

「噛む」ことは、脳にとってのスイッチのような役割を果たしているのです。

 

思春期は「噛む力」と「脳」が同時に育つ時期

高校生の時期は、脳がまだ成長途中です。

特に前頭葉は、20代前半まで発達が続くと言われています。

 

この時期に、

  • 早食い
  • やわらかい物ばかり
  • 噛まずに飲み込む

といった習慣が続くと、脳への刺激が不足しがちになります。

 

一方で、しっかり噛む習慣があると、

  • 授業中の集中力
  • 考える力
  • 感情のコントロール

にも良い影響が期待できます。

 

歯並びや噛み合わせも、脳と無関係ではありません

歯科の立場から見ると、噛む力は「歯並び」や「噛み合わせ」とも深く関係しています。

歯がうまく噛み合っていないと、

  • 片側だけで噛む
  • 噛む回数が減る
  • 顎の動きが小さくなる

といった状態になりがちです。

その結果、脳への刺激も偏ってしまいます。

歯並びや噛み合わせを整えることは、見た目だけでなく、体と脳をバランスよく使うための土台作りでもあります。

 

噛むことは、ストレス対策にもなる

噛む動きには、ストレスを和らげる作用もあります。

ガムを噛むと落ち着く、という経験がある人も多いでしょう。

噛むことで、脳内に

  • セロトニン
  • ドーパミン

といった、気分を安定させる物質が分泌されます。

勉強や人間関係でストレスを感じやすい思春期だからこそ、「噛む習慣」は心の安定にも役立つのです。

 

今日からできる「脳にいい噛み方」

難しいことは必要ありません。

  • 一口ごとに、少しだけ噛む回数を増やす
  • 姿勢を正して食べる
  • 片側だけで噛まない
  • スマホを見ながら食べない

これだけでも、噛む質は大きく変わります。

 

まとめ

噛むことは、過去と未来をつなぐ行為

77万年前の人類の顎の化石から、私たちの歯並びの悩みまで。

噛むという行為は、人類の進化の中でずっと重要な役割を担ってきました。

そして今も、

あなたの脳を育て、支え続けています。

食べることは、生きること。

噛むことは、考える力を育てること。

そう思って、今日の一食を少しだけ意識してみてください。

それは、未来の自分の脳への、立派な投資です。

診療924日目、MRI検査を受ける際の注意事項

2026年3月10日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

40代から増えるMRI検査

― 歯の被せ物・入れ歯がある方へ、事前に知っておいてほしいこと ―

40代を過ぎると、健康診断や精密検査で

MRI検査を受ける機会が徐々に増えてきます。

MRIは「強力な磁石」を使う検査です。

MRIはX線ではなく、非常に強い磁場を利用します。

そのため、金属類は原則すべてNGです。

 

❌持ち込み不可の代表例❌x

  • ヘアピン、ピアス、ネックレス
  • 時計、スマートフォン
  • 鍵、小銭
  • 磁気カード(キャッシュカードなど)

👉 検査前に必ず外します。

「少しくらいなら」は通用しません。

 

脳・脊椎・関節・内臓など、幅広い診断に使われるMRIは

身体への負担が少ない一方で、

「強い磁場を使う検査」という特性があります。

そのため、検査前には、「体内や体表に金属がないか」を必ず確認されます。

 

体内金属がある場合は必ず申告

これが最重要ポイントです💡

必ず伝える必要があるもの

  • ペースメーカー・ICD
  • 脳動脈クリップ
  • 人工内耳
  • 血管ステント
  • 体内金属(事故・手術歴)

種類や年代によってはMRI不可の場合があります。

自己判断はせず、必ず医療スタッフに伝えてください。

このとき、多くの方が迷われるのが、

「歯の被せ物や入れ歯は大丈夫なの?」という点です。

 

今回は、MRI検査を受ける前に知っておきたい注意点と、

特に口腔内に入っている補綴物(被せ物・入れ歯など)について、

40代以上の方に向けて分かりやすく解説します。

 

MRI検査で注意が必要な理由

MRIはX線やCTとは異なり、

非常に強力な磁石(磁場)を利用して画像を撮影します。

この磁場の影響で、

  • 金属が引き寄せられる
  • 金属が発熱する
  • 画像が乱れる

といった問題が起こる可能性があります。

 

そのため、MRI検査前には

金属に関する申告が非常に重要になります。

 

口腔内に入っている「補綴物」とは?

補綴物とは、失った歯や歯の一部を補うために装着する人工物のことです。

40代以上の方では、何らかの補綴物が入っているケースは珍しくありません。

代表的なものと材質を見ていきましょう。

 

被せ物(クラウン)

歯を大きく削ったあとに被せるものです。

主な種類と材質

  • 金属冠(金銀パラジウム合金など)

以前から保険診療で多く使われてきた素材

  • セラミック

見た目が自然、金属を含まない

  • ジルコニア

白くて強度が高く、基本的に非磁性

  • CAD/CAM冠(ハイブリッドレジン)

樹脂とセラミックの混合素材

▶ 多くの場合、MRI検査は可能ですが

古い金属冠や材質不明のものは申告が必要です。

 

詰め物(インレー)

比較的小さな虫歯治療で使用されます。

  • 金属インレー
  • レジン(樹脂)

こちらも基本的には問題ないことが多いですが、

金属製の場合は申告対象です。

 

ブリッジ

歯を失った部分を、両隣の歯を支えにして補う方法です。

支台歯・人工歯に金属が使われていることが多い

見た目はセラミックでも内部に金属がある場合あり

外すことはできません

→ 必ずMRI前に申告してください。

 

入れ歯(義歯)

入れ歯はMRIで特に注意が必要な補綴物です。

種類

  • 部分入れ歯(金属のバネあり)
  • 総入れ歯
  • ノンクラスプデンチャー(樹脂製)

外せる入れ歯は、原則外します

▶ 金属床義歯など、構造に金属を含むものは必ず申告

 

インプラント

歯を失った部分に人工歯根を埋め込む治療です。

  • 多くはチタン製
  • チタンは非磁性で、MRI対応のものがほとんど

▶ 基本的にMRI可能ですが、

「インプラントが入っている」と必ず伝えてください。

 

磁性アタッチメント義歯

高齢の方に多い、磁石を使った入れ歯です。

MRI不可のケースが多く、非常に重要な申告事項

▶ 外せない場合もあります

 

外せるもの・外せないものの考え方

ここはとても大切なポイントです。

外せる補綴物(入れ歯など)

→ 検査前に必ず外す

外せない補綴物(被せ物・ブリッジ・インプラント)

→ 必ず申告する

「外せないから言わなくていい」ではありません。

申告することで、安全に配慮した判断ができます。

 

粧・ネイルにも注意

意外と見落とされがちですが重要です。

  • アイシャドウ
  • マスカラ
  • アイライン
  • ネイル(ラメ・金属粉入り)

これらに含まれる微量金属が

  • 発熱
  • 画像の乱れ

の原因になることがあります。

👉 指示があればノーメイクが基本

 

閉所が苦手な方は事前相談を

 

MRIは

  • 音が大きい
  • 狭い
  • 動けない

という特徴があります。

  • 閉所恐怖症
  • パニックが出やすい

という方は、

事前に伝えることで対策が可能です

(耳栓、声かけ、鎮静など)。

 

検査中は「動かない」が鉄則

MRIは少しの動きでも画像がブレます

  • 体勢変更
  • 無意識の動き

👉 検査時間は20〜40分程度

「じっとしている」が最大の協力ポイントです。

 

 妊娠中・妊娠の可能性がある場合

MRI自体は放射線を使いませんが、

妊娠初期は慎重な判断がされます。

👉 必ず事前に申告してください。

 

40代以上の方にこそ知ってほしいこと

  • 過去に治療した歯が増えている
  • 材質を正確に覚えていない
  • 治療したのが何十年も前

というケースが多くなります。

それでも問題ありません。

 

MRI検査前に、

「歯に被せ物があります」

「入れ歯を使っています」

一言伝えることが何より大切です。

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