診療890日目、現代人は歯並びが悪くなりやすいのか

TEL03-6908-2281

アクセス椎名町より徒歩1

診療時間
10:00 ~ 13:00 / / /
15:00 ~ 19:00 / / /
  • ▲:土曜日は、9:00~13:00/14:30~17:00

  • ※第2・4土曜日は9:00~14:00

キービジュアル

診療890日目、現代人は歯並びが悪くなりやすいのか

2026年1月20日

こん日は、椎名町駅えがお歯科です。

 

なぜ現代人は歯並びが悪くなりやすいのか

――食生活だけでは語れない、進化・遺伝・ライフスタイルの複雑な関係

歯列矯正や外科的矯正治療は、もはや特別なものではありません。

「歯並びを整えたい」「口元の印象を良くしたい」という理由で、多くの人が治療を選択しています。

.

では、そもそも疑問に思いませんか。

人類は何万年も生き延びてきたのに、なぜ現代になってこれほど“不正咬合”が目立つようになったのでしょうか。

研究者たちの見解は一致しています。

答えは単純ではなく、進化・食生活・遺伝・現代の生活習慣が複雑に絡み合った結果だというのです。

 

不正咬合は昔から存在していたが、頻度が違う

歯の叢生(そうせい)や歯列のずれといった不正咬合は、実は現代人だけの問題ではありません。

狩猟採集民の頭蓋骨からも、歯の埋伏や咬合異常は確認されています。

ただし、発生頻度と重症度は明らかに異なります。

産業革命以降、とくに近代〜現代にかけて、不正咬合は「一般的な状態」になったと考えられています。

この変化を説明する際、まず注目されるのが「食生活」です。

 

農耕の開始が顎の形を変えた

初期の狩猟採集民は、

  • 硬い獣肉
  • 繊維質の野菜
  • 木の実や種子

といった、強い咀嚼力を必要とする食物を常食していました。

それに適応するため、

✔ 大きく前方に張り出した下顎

✔ 発達した咀嚼筋(咬筋・側頭筋)

✔ 十分な歯列弓の幅

を持っていたと考えられています。

しかし約1万2000年前、人類が農耕を始めると状況は一変します。

穀物を粉砕し、加熱・加工することで、食物は次第に軟らかく、噛みやすいものへと変化しました。

これにより、顎にかかる機械的ストレス(メカニカルロード)は大きく低下します。

 

顎は「使われなければ育たない」

骨は静的な構造物ではありません。

一生を通じて、筋肉からの牽引や咀嚼による刺激に反応し、形態を変化させます。

実験動物の研究では、

液体食や軟食を与えた群では、

  1. 咀嚼筋の萎縮
  2. 下顎骨の小型化
  3. 顔面形態の変化

が明確に確認されています。

つまり、

噛まない生活=顎を成長させない生活

という関係が成り立つのです。

 

進化だけでは説明できない「速すぎる変化」

一方で、近年の研究は「進化論だけでは説明がつかない」とも指摘しています。

人類の顎の変化、特にここ数百年の変化は、

遺伝的進化としてはあまりにスピードが速い

スタンフォード大学の研究チームは、

  • 姿勢(猫背・前傾姿勢)
  • 口呼吸
  • 舌位の低下

といったライフスタイル要因が、顎の発達に大きく影響している可能性を示唆しています。

これは「世代を超えた進化」ではなく、

一人の成長過程の中で起こる形態変化です。

 

歯の数は変わらない、顎だけが小さくなる

ここで問題が生じます。

歯の本数やサイズは、急激には変化しません。

結果として起こるのが、

顎骨と歯のサイズの不調和(ディスクレパンシー)です。

  • 歯が並ぶスペースが足りない
  • 歯が重なり合う(叢生)
  • 親知らずが萌出できない

こうした状態は、下顎が小型化した現代人に特有の現象といえます。

 

遺伝的要因も無視できない

不正咬合のすべてが環境要因ではありません。

  • 上顎前突(いわゆる出っ歯)
  • 下顎前突(受け口)
  • 歯のサイズや形態

これらには、明確な遺伝的背景があります。

特定の集団に特定の咬合様式が多く見られるのは、産業化とは無関係なケースも少なくありません。

 

「増えた」のか、「気づかれるようになった」のか

現代では、

  • 審美歯科の普及
  • SNSや写真文化
  • 顔貌への関心の高まり

により、歯並びへの意識が格段に高まっています。

 

そのため、

昔なら問題視されなかった程度の不正咬合も、治療対象として認識される

という側面もあります。

不正咬合が「増えているように見える」理由には、

医学的変化と社会的価値観の変化、両方が関係しているのです。

 

歯並びは、現代を生きる私たちの“環境適応”

歯並びの問題は、

✔ 食生活

✔ 成長期の習慣

✔ 遺伝

✔ 美意識の変化

これらが重なって生じる、極めて現代的な現象です。

 

だからこそ、

「歯並びが気になる」のは、努力不足でも特別な問題でもありません。

今の時代に生きる、ごく自然な悩み。

そして、きちんと向き合えば整えられる選択肢がある、ということでもあります。

口元は、第一印象を大きく左右します。

気になった“今”が、向き合うベストタイミングかもしれません。

——歯は、あなたの笑顔の名刺です。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

  • 24時間WEB予約
  • 無料メール相談

【電話でのお問い合わせ】

電話でのお問い合わせ03-6908-2281

【住所】

〒171-0031
東京都豊島区目白5-21-8

このページのトップへ戻る