診療743日目、「マウステーピング」と「マウスピース」

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診療743日目、「マウステーピング」と「マウスピース」

2025年6月6日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

SNSで大流行、睡眠時の「マウステーピング」に専門医が警鐘という記事を読んで、

改めてマウステーピングについて調べました。

⚠️推奨するための記事ではありません。

マウステーピング」と「マウスピース」はいずれも睡眠の質や口腔環境の改善

目的としていますが、その仕組みも影響もまったく異なります
それぞれの特性とリスクを比較しながら、人体への影響が少ないのはどちらかを以下に整理します。

結論から言うと:

基本的に、健康な方にとっては「マウステーピング」のほうが人体への影響が少ない傾向があります。

ただし、歯ぎしり・顎関節症・無呼吸傾向がある場合は「マウスピース」が必須になることもあります。

 

🔍 比較一覧:マウステーピング vs マウスピース

特徴 マウステーピング マウスピース
目的 口呼吸防止・いびき軽減 歯ぎしり防止・顎関節の保護
装着感 非侵襲的(テープを口に貼るだけ) やや異物感あり(歯列に装着)
慣れやすさ 比較的早い(数日~1週間) 個人差あり(違和感で眠れない人も)
副作用のリスク ・鼻詰まりや閉塞性睡眠時無呼吸があると危険

・肌荒れの可能性

・噛み合わせ変化(長期使用)

・口内炎・違和感・顎関節への負担

費用・手軽さ 非常に安価(市販のテープでOK) 歯科での作製で数千円~1万円以上
おすすめ対象 口呼吸傾向のある健康な人 歯ぎしり、食いしばり、TCH、顎関節症のある人

 

🧠 補足:それぞれの使用に向いていないケース

マウステーピングが向かない人:

  • 鼻づまりがある人
  • 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の可能性がある人
  • 不安やパニック障害がある人(口をふさがれる感覚がストレスになる)

マウスピースが向かない人:

  • アレルギー体質で樹脂に反応する人
  • 重度の口腔乾燥がある人(マウスピースが乾燥を助長)

 

💡 実用的な選び方のアドバイス:

  • 口呼吸・いびき対策
    マウステーピングが第一選択(鼻呼吸ができる人限定)
  • 歯ぎしり・顎の疲れ・被せ物の破損防止
    マウスピースが効果的(歯科でのカスタム作製がおすすめ)
  • 両方気になる場合
    → まず歯科で咬合や顎関節のチェックを受けた上で、両方併用可能かの確認を。

ご希望があれば、それぞれの安全な使い方おすすめ商品セルフチェック法などもご案内可能です。

お気軽にご相談くださいね✨

 

⚠️ただし、注意も必要です
マウステーピングは重度の鼻詰まりがある方にとっては場合によっては危険(有害)になる可能性があります。

なぜ危険なのか?

マウステーピングは「口を閉じて鼻呼吸を促す」ための方法です。
しかし、鼻が詰まっていて鼻呼吸が不十分な人が無理に口を閉じると、以下のような生理的リスクが生じます。

 

1. 呼吸困難

口が塞がれ、唯一の呼吸経路である鼻が詰まっていると、空気が通らなくなる危険性があります。
最悪の場合、酸素不足や睡眠時の窒息感につながることも。

 2. 睡眠の質の低下

苦しくて眠れない、または浅い呼吸で断続的に目が覚めるなど、レム睡眠や深睡眠が妨げられる恐れがあります。

 3. 睡眠時無呼吸症候群(OSA)の悪化

OSA(特に閉塞性)の可能性がある人は、マウステーピングによって症状が増悪することが報告されています。

 

📌 特に注意すべき人のチェックリスト

以下に該当する方は使用前に医療機関に相談が必要です。

  • 慢性的なアレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)
  • 鼻中隔湾曲や鼻ポリープ
  • 夜間口でしか呼吸できない自覚がある
  • いびきが大きい・止まると指摘されたことがある

安全な代替策・ステップ

  1. まず鼻呼吸ができる状態か確認(日中にテープを仮留めして短時間だけ鼻呼吸の練習)
  2. 鼻詰まりがある場合は:
  • 点鼻薬(医師の指導のもと)
  • 鼻うがい
  • アレルギー対策(寝具・空気清浄機)
  • 耳鼻科を受診して鼻呼吸の通気性をチェック(CT検査や内視鏡など)

🧘‍♀️ どうしても試したい場合の工夫

  • 完全に封じないタイプのマウステープ(中央が開いている製品など)を使用
  • 剥がれやすい粘着力の弱いテープを選ぶ
  • 日中の鼻呼吸トレーニングから始めて、夜間は短時間から導入

 

「鼻が通っていること」がマウステーピングの大前提です。
鼻づまりのある状態で行うと、睡眠の質を下げるだけでなく、生命に関わるリスクさえあり得ます。
必ず事前に呼吸状態を確認し、「無理をしない」「医師に相談する」という姿勢を大切にしてください。

楔形欠損(くさび形欠損 / WSL: Wedge-Shaped Lesion)は、主に咬合力やブラッシング圧などの

“非う蝕性要因”によって歯頸部(歯と歯茎の境目)が削れる現象です。


この視点から見たマウスピース(ナイトガード)使用のメリット・デメリット
を以下に整理します。

 

🦷「楔形欠損(くさびがたけっそん)」ってなに?

歯ぐきの近く(歯の根元のあたり)がえぐれたように削れてしまう状態のことです。
虫歯じゃないのに、力のかかりすぎや、歯のこすれ、強すぎる歯みがきなどが原因で、
歯が「くさび型」に削れてしまうので、こう呼ばれています。

 

😬 どうして歯が削れてしまうの?

  • 夜の歯ぎしりや、無意識のくいしばり
  • 強くゴシゴシこする歯みがきのクセ
  • 歯のかみ合わせのズレ

こうした力が歯にかかると、歯の根元にストレスが集中して、少しずつ削れていくんです。

🛡️ マウスピースってどんなもの?

夜寝るときに歯にかぶせるやわらかい透明なカバーのようなもの。
歯ぎしりやくいしばりから歯を守る道具です。

 

✅ 楔形欠損に対するマウスピースの【メリット】

① ブラキシズム(歯ぎしり・くいしばり)の緩和

  • 楔形欠損の一因は「過剰な咬合力・横揺れ」です。
  • マウスピースがクッションとなり力を分散するため、歯頸部への過度な応力集中を防止できます。

② 歯の摩耗・ひび割れの予防

  • 夜間の無意識の咬合によって、歯がしならされることで楔形欠損が進行します。
  • その機械的刺激を軽減し、歯を守ることができます。

③ 修復後の保護

  • レジン等で楔形欠損を修復した後、咬合力で再び破損・脱離するのを予防できます。

④ TCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)の自覚促進

  • 夜間の装着により、日中のかみしめや癖にも意識が向きやすくなるという副次的効果も期待されます。

⚠️ 楔形欠損に対するマウスピースの【デメリット】

① 装着に違和感・睡眠障害

  • 慣れるまで眠れない・口が乾くなどの症状が出る方もいます。
  • 特に就寝時の異物感は装着継続の障壁になり得ます。

② 自己判断での使用は逆効果のリスク

  • 噛み合わせに合わない既製品やネット通販のマウスピースは、むしろ力の集中を悪化させる場合があります。
  • 歯頸部や顎関節への偏った負荷を引き起こすことも。

③ 長期使用による噛み合わせの変化

  • 咬合状態が変化する可能性があるため、歯科での定期的な調整が必須です。
  • 不適切な使用でかえって咬合性外傷や歯周病の助長にも。

④ メンテナンスの手間

  • 毎日の洗浄・定期的な交換が必要で、衛生管理を怠ると細菌温床になります。

🦷 歯科的アドバイス(実用的な使い方)

  1. カスタムタイプのナイトガードを歯科で作成するのが最も効果的
    → 上下どちらの顎に作るべきかは咬合診断に基づくべき
  2. 咬合力の原因除去も大切
    → 噛み癖、ストレス、姿勢、頬杖、TCHなどの根本的な行動修正も並行して行うことが重要
  3. 歯磨き圧の見直しも忘れずに
    → 楔形欠損には咬合要因+ブラッシング圧の複合的関与が多いため、歯ブラシの毛の硬さや持ち方もチェック対象です。

まとめ:楔形欠損におけるマウスピースの意義

観点 評価
力の緩衝・防止 ◎ 効果的
日常ケアとの相乗効果 ○ 意識変容につながる
自己判断での使用 △~✕(歯科での作製が前提)
長期使用の注意点 △ 噛み合わせ変化・管理が必要

 

 

睡眠時の歯ぎしり(睡眠時ブラキシズム)に関する日本国内の成人男女(20歳以上)を対象とした研究は、

近年のものは限られていますが、以下のような調査結果があります。

📊 成人における睡眠時歯ぎしりの有病率

日本歯科医師会の情報によると、睡眠時ブラキシズムの発生率は以下のように報告されています。

  • 成人:約5~8%
  • 高齢者:2~3%

これらの数値は、患者の自己申告や同居者からの指摘に基づいており、無自覚なケースは含まれていない可能性があります。

 

🧠 無自覚な歯ぎしりの実態

1989年の日本歯周病学会会誌に掲載された研究では、被験者を「歯ぎしりを自覚している群」と

「自覚していない群」に分け、夜間の筋電図を用いて睡眠中の筋活動を観察しました。

その結果、両群ともに睡眠中のブラキシズム様筋活動が認められ、筋活動の頻度や持続時間に

有意差は見られませんでした。

この研究は、自己申告に頼るだけでは睡眠時ブラキシズムの正確な診断が難しいことを示しており、

客観的な診断方法の必要性を示唆しています。

 

📌 まとめ

  • 成人の睡眠時歯ぎしりの有病率は約5~8%と報告されていますが、これは自己申告に基づく
  • ものであり、実際の有病率はこれより高い可能性があります。
  • 無自覚な歯ぎしりも存在し、自己申告だけでは正確な診断が難しいため、客観的な評価方法が求められています。

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