診療911日目、いま子どもの「歯周病」が増えている理由
2026年2月19日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
虫歯は減ったのに、なぜ?
いま子どもの「歯周病」が増えている理由

親子でできる口腔ケア3つのポイント
「ちゃんと歯みがきしているのに、歯ぐきが赤いと言われた」
「虫歯はないのに、歯医者で歯肉炎って言われた」
そんな経験、ありませんか?
実はいま、令和の子どもたちに“歯周病(歯肉炎)”が増えています。

少し意外に感じるかもしれませんが、これは珍しい話ではありません。
虫歯は激減。でも歯周病は増えている。
厚生労働省の調査によると、
5〜9歳の子どもで虫歯がある割合は、約30年で36% → 2.5%まで大きく減りました。
フッ素入り歯みがき粉や定期検診が、しっかり根付いた成果です。
一方で、歯周病は増加傾向が見受けられます。
中学生以上では約2人に1人が歯周病。
さらに、小学生でも歯肉炎のある子は約4割にまで増えています。
つまり、「虫歯がない=お口が健康」とは言い切れない時代になっているのです。
なぜ子どもの歯周病が増えているの?
歯科衛生士の視点から、特に影響が大きいとされているのが次の2つです。
① 食生活の変化による「栄養バランスの偏り」
共働き家庭が増え、作り置きや簡単に食べられるメニューが日常に。
「ちゃんと食べてくれるもの」を優先すると、
- 炭水化物中心
- 脂質が多い
- たんぱく質が不足しがち
という食事になりやすい傾向があります。
歯ぐきはコラーゲン(たんぱく質)でできた組織。

材料が足りなければ、どうしても弱くなってしまいます。
完璧な食事でなくて大丈夫。
「毎食じゃなくても、1日どこかでたんぱく質を意識する」
それだけでも、歯ぐきの健康には十分意味があります。
② 「自分で磨いているから大丈夫」という思い込み
実は、歯ブラシだけでキレイにできるのは
お口全体の約25%。

子どもが一生懸命磨いていても、
仕上げ磨きをしないと、実際にきれいになっているのはそのうちの一部だけです。
調査では、
仕上げ磨きを毎日している家庭は約半数。
理由として多かったのは、
- 「もう自分で磨いているから」
- 「忙しくて時間がない」
どれも、とても現実的な理由です。
だからこそ、「できる範囲で、続けられる形」が大切になります。
親子で取り組みたい、口腔ケア3つのポイント
<1> 歯ブラシ+αで「落としきる」

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは半分程度しか取れません。
- フロス
- 歯間ブラシ
- 子ども用マウスウォッシュ
を組み合わせることで、ケアの質が一段上がります。
- 歯ブラシ=物理的に落とす
- マウスウォッシュ=見えない部分までカバー
という役割分担。
「全部やらなきゃ」ではなく、できるものを一つ足す感覚でOKです。


<2> 仕上げ磨きは「チェック役」で十分
仕上げ磨き=完璧に磨く、ではありません。
ポイントは磨き残しの多い場所だけ確認すること。
特に見てほしいのは、
- 奥歯の噛み合わせの溝
- 前歯の裏側
- 奥歯の内側
歯ブラシを小さく動かし、角度を変えるだけで効果は大きく変わります。
毎日数分でも、歯ぐきの状態は確実に違ってきます。
<3> 定期検診は「答え合わせ」
セルフケアが基本ですが、
歯科医院では
- 磨き方のクセ
- 家庭では難しい部分のケア
- 成長に合わせたアドバイス
を受けることができます。
年に3〜4回の検診は、
「ちゃんとできているか」を確認する安心材料にもなります。
歯周病は、歯だけの問題ではありません
歯周病が進行すると、
将来、歯を失うリスクが高まるだけでなく、
- 心臓病
- 脳梗塞
- 全身の慢性疾患
との関連も指摘されています。
もちろん、子どもを怖がらせる必要はありません。
ただ、なぜ歯みがきが大切なのかを、
年齢に合わせて少しずつ伝えていくことが重要です。
仕上げ磨きは、親子の時間でもある
忙しい毎日の中で、
スマホを見る時間はあっても、向き合う時間は意外と少ないもの。
仕上げ磨きは、
歯を守るだけでなく、親子のコミュニケーションの時間にもなります。
「今日どうだった?」
そんな一言を添えるだけで十分です。
完璧じゃなくていい。
できることを、できるペースで。
それが、子どもの一生の歯を守る一番の近道です。







