診療937日目、なぜ今、「鼻呼吸」の話を伝えたいのか
2026年3月30日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
なぜ今、「鼻呼吸」の話を伝えたいのか
スマートフォンやタブレットは、今や中高生の生活に欠かせない存在です。
調べもの、勉強、友達との連絡、動画視聴。便利な一方で、長時間の使用が当たり前になっています。
その中で、歯科の立場から気になっている変化があります。
それが 「口が開いたまま過ごしている子どもが増えている」 ということです。
画面をのぞき込む姿勢が続くと、自然と首が前に出て、口が開きやすくなります。
本人は気づかないまま、口呼吸が習慣化しているケースも少なくありません。
呼吸は、意識しなくても一生続くものです。
だからこそ、成長期の今、正しい知識を知っておくことが将来の健康につながります。
鼻呼吸ってそもそも何がいいの?

鼻は「息をするために作られた器官」です。
実は、口よりもずっと高性能です。
鼻の中には、空気中のホコリや細菌を防ぐフィルター機能があります。
また、冷たい空気を温め、乾いた空気に湿り気を与えてから体に送ってくれます。
この働きによって、のどや肺への負担が軽減されます。
さらに重要なのが、脳との関係です。
鼻呼吸は酸素を効率よく取り込めるため、集中力や思考力を保ちやすくなります。
「授業中に集中が続かない」
「勉強しているとすぐ疲れる」
こうした悩みの背景に、呼吸の質が関係していることもあります。
口呼吸だと体の中で何が起きている?
一方で、口呼吸が続くと体にはさまざまな影響が出ます。
口は本来、食べたり話したりするための場所です。
呼吸用に作られていないため、乾燥しやすく、細菌が増えやすい環境になります。
その結果、
のリスクが高まります。
また、口が常に開いていると舌の位置が下がります。
舌は本来、上あごに軽く触れている位置が理想です。
舌の位置が下がることで、
にも影響が出る可能性があります。

これは成長期だからこそ、見逃せないポイントです。
鼻呼吸ができている人・できていない人の違い
鼻呼吸ができている人は、無意識のうちに良い状態を保てています。
- 普段、口が自然に閉じている
- 口の中が乾きにくい
- 朝起きたとき、のどが痛くなりにくい
- 集中力が比較的続きやすい
一方で、鼻呼吸がうまくできていない場合、こんなサインが見られることがあります。
- 気づくと口が開いている
- 寝起きに口やのどが乾いている
- 姿勢が悪くなりやすい
- 歯並びが気になってきた
大切なのは、これは「本人の癖」や「だらしなさ」ではないということです。
生活環境や姿勢によって、誰にでも起こりうる問題です。
今日からできる簡単セルフチェック
難しいことは必要ありません。
まずは、今の状態を知ることが第一歩です。
- 何もしていないとき、口は閉じていますか?
- スマホを見ているとき、口が開いていませんか?
- 朝起きたとき、口の中が乾いていませんか?
- 無意識に口で息をしていませんか?
ひとつでも当てはまれば、気づけたことが大切です。
保護者の方は、
「口が開いていることが多いかな?」
と、やさしく観察してあげてください。
完璧じゃなくていい、まず気づくことが大事
鼻呼吸は、今日から完璧にできなくても問題ありません。
意識するだけでも、少しずつ体は変わっていきます。
スマホを見ているときに、口を閉じてみる。
勉強の合間に、鼻からゆっくり息を吸ってみる。
それだけで十分なスタートです。
歯科では、歯だけでなく
噛む力・舌の位置・呼吸の仕方 も含めて、成長を見守っています。
中高生の今は、体も口の中も大きく変わる大切な時期です。
小さな気づきが、将来の健康につながります。
完璧を目指さなくて大丈夫。
まずは「知ること」「気づくこと」から始めていきましょう。
診療935日目、スマホ時代に増えている「口呼吸」
2026年3月27日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
スマホ時代に増えている「口呼吸」
気づかないうちに、体と歯に起きている変化
授業の合間、帰り道、寝る前。
気づけばスマホを見ている時間が、1日の中でかなり長くなっていませんか。
実はこのスマホ習慣、「口呼吸」という問題と深く関係しています。
口呼吸は、ただの癖ではありません。歯並び、集中力、体調、さらには顔つきにまで影響することがあります。
口呼吸って、何が問題なの?

本来、人は鼻で呼吸するようにできています。
鼻は、空気を温め、加湿し、ホコリやウイルスを防ぐフィルターの役割を果たしています。
一方、口呼吸ではこれらの働きがほとんどありません。
その結果、
- 喉が乾きやすい
- 風邪をひきやすい
- 口の中が乾燥する
といったトラブルが起こりやすくなります。
スマホと口呼吸の意外な関係

スマホを見ているときの姿勢を、思い出してみてください。
- 頭が前に出ている
- 背中が丸まっている
- 顎が下がっている
この姿勢になると、自然と口が開きやすくなります。
口が開けば、呼吸は鼻ではなく口になりがちです。
長時間これを続けることで、口呼吸が「癖」として定着してしまうのです。
思春期は口呼吸が定着しやすい時期
高校生の時期は、
という特徴があります。
この時期に口呼吸が続くと、
- 顎が十分に成長しにくい
- 歯が並ぶスペースが不足する
- 歯並びが乱れやすくなる
といった影響が出ることがあります。
歯科では、口呼吸のある人ほど、歯並びや噛み合わせに問題を抱えやすいことが知られています。
口呼吸が引き起こす「口の中」のトラブル

口が乾くと、唾液の量が減ります。
唾液には、
といった大切な役割があります。
口呼吸が続くと、
- 虫歯になりやすい
- 歯肉炎が起きやすい
- 口臭が出やすい
など、歯科的なトラブルが増えてしまいます。
口呼吸は、集中力にも影響する?
鼻呼吸は、脳に安定した酸素を送ります。
口呼吸では呼吸が浅くなりやすく、脳が軽い酸欠状態になることがあります。
その結果、
と感じる人も少なくありません。
勉強に集中できない原因が、実は呼吸の仕方にあることもあるのです。
自分が口呼吸かどうか、簡単チェック
次の項目に当てはまるものはありますか。
- 気づくと口が開いている
- 朝起きたとき、口や喉が乾いている
- 唇がよく荒れる
- 寝ているとき、いびきをかくと言われる
複数当てはまる場合、口呼吸の可能性があります。
今日からできる口呼吸対策
いきなり治そうとしなくて大丈夫です。
- スマホを見るとき、目の高さまで持ち上げる
- 姿勢を正す
- 口を軽く閉じ、舌を上あごにつける
- 鼻づまりがある場合は耳鼻科を受診する
これだけでも、鼻呼吸に戻りやすくなります。
歯並びや噛み合わせが原因の場合は、歯科で相談することも大切です。
口を閉じることは、自分を守ること
口呼吸は、怠けやだらしなさの問題ではありません。
生活環境や姿勢によって、誰にでも起こりうるものです。
そして、意識することで改善できる可能性があります。
スマホ時代だからこそ、
「口を閉じる時間」を大切にしてみてください。
それは、歯を守り、体を守り、未来の自分を守る習慣です。
次回は、口呼吸から鼻呼吸へとお話を移します!え?!鼻?!と思わず、ぜひ読んで頂きたいです。
診療932日目、食事中のゲップ、どうして出ちゃうの?
2026年3月23日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
食事中のゲップ、どうして出ちゃうの?
実はとても自然な体のサインです

「ごはんの途中でゲップが出そうになって焦る」
「友だちの前だと、余計に気になってしまう」
思春期の女の子にとって、ゲップはとても気になる悩みのひとつです。
マナー的に良くないと分かっているからこそ、「どうして自分だけ?」と
落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも、まず知ってほしいのは、ゲップは誰にでも起こる、とても自然な生理現象だということです。
ゲップとは、胃や食道にたまった空気が、口の方へ戻ってくる現象のことです。
食事のとき、人は食べ物と一緒に少しずつ空気も飲み込んでいます。
炭酸飲料を飲んだあとに出やすいのも、このためです。
日本では「食事中のゲップ=マナー違反」という考えが一般的ですが、実は国によって受け止め方は違います。
たとえば中国では、ゲップは「おいしく食べて満足しました」という意味として捉えられることもあります。
つまり、ゲップそのものが悪いのではなく、文化や場面の問題なのです。
ゲップが多いとき、体からのサインかもしれません
ゲップは普通のことですが、あまりにも頻繁に出る場合は、
体の調子が関係していることもあります。
代表的なのが、
といった、胃や食道の働きに関係する状態です。
これらは、検査では大きな異常が見つからなくても、胃の動きが弱かったり、胃酸が逆流しやすかったりすることで、
胃もたれ、ムカムカ、胸やけ、そしてゲップが出やすくなることがあります。
「会話中にも出てしまう」
「食事に集中できないくらい気になる」
そんなときは、無理に我慢せず、消化器内科に相談して大丈夫です。
きちんと診てもらうことで、気持ちも体も楽になります。
心とゲップは、意外と深くつながっています
最近の研究では、ゲップが多い人ほど、不安やストレス、
睡眠の質の低下を感じている割合が高いことも分かってきました。
- 緊張しやすい
- 人前で気を張ってしまう
- テストや人間関係で頭がいっぱい
そんな状態が続くと、無意識のうちに空気をたくさん飲み込んでしまうことがあります。
これを「呑気症(どんきしょう)」と呼びます。
呑気症は、胃や食道の病気というより、心や生活習慣の影響が大きい状態です。
- 早食い
- よく噛まない
- 噛みしめや食いしばりの癖
- 口呼吸
- 猫背や長時間のスマホ・勉強姿勢
こうしたことが重なると、ゲップが増えやすくなります。
「自分の性格のせいかも」と責める必要はありません。
思春期は、心も体もとてもがんばっている時期なのです。
赤ちゃんのゲップは、実はとても大切
ここで少し視点を変えてみましょう。
赤ちゃんは、ミルクのあとに必ずゲップをさせますよね。
これは、飲み込んだ空気を外に出して、吐き戻しや誤嚥を防ぐためです。
つまりゲップには、体を守る大切な役割があります。
大人になるにつれて、場面を選ぶ必要は出てきますが、
ゲップ自体が「悪いもの」ではないことを、ぜひ覚えておいてください。
今日からできる、やさしいゲップ対策
ゲップを完全になくそうとする必要はありません。
大切なのは、「出にくくする習慣」を少しずつ身につけることです。
- よく噛んで、ゆっくり食べる
- 一気食い、早食いを避ける
- 姿勢を正し、前かがみになりすぎない
- 噛みしめていることに気づいたら、少し口の力を抜く
- 深くゆっくり息をする腹式呼吸を意識する
- ストレスをひとりで抱え込まない
噛みしめが強い場合は、歯科でマウスピースを作ることで楽になることもあります。
これは「特別なこと」ではなく、体を守るための一つの選択肢です。
ゲップと嘔吐反射は、まったく別の仕組みです
歯科でよくある相談のひとつに、
「治療中にゲップが出そうになる」
「型取りや器具が入ると、吐きそうになる」
という声があります。
この2つは似ているように感じますが、体の仕組みとしてはまったく別物です。
ゲップは「空気」の逆流
ゲップは、胃や食道にたまった空気が上に戻る現象です。
食事や緊張によって飲み込んだ空気が原因で起こり、胃や食道の動き、姿勢、呼吸の影響を受けます。
- 空気が原因
- 自分でも少しコントロールできる
- 体勢や呼吸で軽減しやすい
という特徴があります。
嘔吐反射は「のどの防御反応」

一方、嘔吐反射(おえっとなる反応)は、のどや舌の奥が刺激されたときに起こる防御反射です。
異物が気道に入らないよう、体が自動的に働いています。
「吐きそう」と感じても、実際に吐くわけではないことが多い
歯科治療で使う器具や型取りがきっかけになることがありますが、異常ではありません。
思春期は、嘔吐反射が出やすい時期でもあります
思春期の女の子は、
といった特徴があり、嘔吐反射が強く出やすい傾向があります。
また、噛みしめや口呼吸、猫背などの姿勢も影響します。
これは性格の問題ではなく、体の成長途中に起こりやすい反応です。
歯科治療中にできる、嘔吐反射の対策
歯科では、嘔吐反射がある方への対応もきちんと考えています。
「苦しい」と感じたら手を挙げて合図する
- 姿勢を少し起こしてもらう
- 必要に応じて表面麻酔を使う
事前に「オエッとなりやすいです」と伝えてもらえるだけで、対応は大きく変わります。
ゲップと嘔吐反射を混同しなくて大丈夫
ゲップは空気の問題、嘔吐反射は防御反応
原因も対処法も違います。
「気持ち悪くなる=吐くかも」と思い込むと、緊張が強まり、どちらも起こりやすくなります。
正しく知ることは、安心につながります。
歯科は「我慢する場所」ではありません
歯科治療は、つらさを耐える場所ではなく、体を守るための医療の場です。
ゲップが気になること、嘔吐反射が心配なこと、どちらも相談していいことです。
不安を言葉にするだけで、体は驚くほど楽になります。
安心して通える歯科との出会いが、長く健康なお口を守る第一歩です。
最後に
ゲップで悩むことは、恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。
体と心が一生懸命バランスを取ろうとしているサインです。
「ちょっと気になるな」
「最近多いかも」
そう感じたら、まずは生活を少し見直してみてください。
それでもつらいときは、周りの大人や医療機関を頼って大丈夫です。
あなたの体は、あなたの味方です。
焦らず、比べず、少しずつ整えていきましょう。
診療928日目、「よく噛むと頭がよくなる」は本当?
2026年3月16日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
「よく噛むと頭がよくなる」は本当?
噛む力と脳の発達の、意外と深い関係

「よく噛んで食べなさい」
子どもの頃、何度も言われた言葉ではないでしょうか。
実はこの言葉、ただの生活習慣の注意ではなく、脳の発達と深く関係する、とても理にかなったアドバイスなのです。
近年の研究や人類進化の視点から見ても、「噛む力」は、私たちの脳と切っても切れない関係にあります。
人類は「噛まなくなって」脳が進化した?
少し意外に思えるかもしれませんが、人類の進化をたどると、
顎は小さくなり、脳は大きくなったという変化が見られます。
約200万年前の人類は、硬い木の実や生肉などを噛むために、大きくて頑丈な顎を持っていました。
しかし火を使い、食べ物を加工し、やわらかく調理するようになると、強い噛む力がそれほど必要なくなります。
その結果、顎は少しずつ小さくなり、余ったエネルギーが脳の発達に使われるようになった、と考えられています。
つまり、噛む力と脳の進化は、バランスを取りながら変化してきたのです。
それでも「噛むこと」が脳に必要な理由
では、現代人は噛まなくていいのでしょうか?
答えは、はっきり「NO」です。
噛むという動作は、脳にとって非常に強い刺激になります。

これらには多くの神経が集まっており、噛むたびにその刺激が脳へ送られます。

特に刺激されるのが、
・前頭葉(考える、判断する)
・海馬(記憶をつかさどる)
です。
実験で分かっている「噛む力と脳」の関係
動物実験では、やわらかい餌ばかりを与えられた個体は、
- 記憶力が低下
- 学習能力が落ちる
- 脳の神経細胞が減少
すると報告されています。
人間でも、よく噛んで食べる人ほど、
- 集中力が高い
- 記憶力が安定している
- ストレスを感じにくい
といった傾向があることが分かっています。
「噛む」ことは、脳にとってのスイッチのような役割を果たしているのです。
思春期は「噛む力」と「脳」が同時に育つ時期
高校生の時期は、脳がまだ成長途中です。
特に前頭葉は、20代前半まで発達が続くと言われています。
この時期に、
といった習慣が続くと、脳への刺激が不足しがちになります。
一方で、しっかり噛む習慣があると、
にも良い影響が期待できます。

歯並びや噛み合わせも、脳と無関係ではありません
歯科の立場から見ると、噛む力は「歯並び」や「噛み合わせ」とも深く関係しています。
歯がうまく噛み合っていないと、
- 片側だけで噛む
- 噛む回数が減る
- 顎の動きが小さくなる
といった状態になりがちです。
その結果、脳への刺激も偏ってしまいます。
歯並びや噛み合わせを整えることは、見た目だけでなく、体と脳をバランスよく使うための土台作りでもあります。
噛むことは、ストレス対策にもなる

噛む動きには、ストレスを和らげる作用もあります。
ガムを噛むと落ち着く、という経験がある人も多いでしょう。
噛むことで、脳内に
といった、気分を安定させる物質が分泌されます。
勉強や人間関係でストレスを感じやすい思春期だからこそ、「噛む習慣」は心の安定にも役立つのです。
今日からできる「脳にいい噛み方」
難しいことは必要ありません。
- 一口ごとに、少しだけ噛む回数を増やす
- 姿勢を正して食べる
- 片側だけで噛まない
- スマホを見ながら食べない
これだけでも、噛む質は大きく変わります。
まとめ
噛むことは、過去と未来をつなぐ行為
77万年前の人類の顎の化石から、私たちの歯並びの悩みまで。
噛むという行為は、人類の進化の中でずっと重要な役割を担ってきました。
そして今も、
あなたの脳を育て、支え続けています。
食べることは、生きること。
噛むことは、考える力を育てること。
そう思って、今日の一食を少しだけ意識してみてください。
それは、未来の自分の脳への、立派な投資です。
診療924日目、MRI検査を受ける際の注意事項
2026年3月10日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
40代から増えるMRI検査
― 歯の被せ物・入れ歯がある方へ、事前に知っておいてほしいこと ―
40代を過ぎると、健康診断や精密検査で
MRI検査を受ける機会が徐々に増えてきます。

MRIは「強力な磁石」を使う検査です。
MRIはX線ではなく、非常に強い磁場を利用します。
そのため、金属類は原則すべてNGです。
❌持ち込み不可の代表例❌x
- ヘアピン、ピアス、ネックレス
- 時計、スマートフォン
- 鍵、小銭
- 磁気カード(キャッシュカードなど)
👉 検査前に必ず外します。
「少しくらいなら」は通用しません。
脳・脊椎・関節・内臓など、幅広い診断に使われるMRIは
身体への負担が少ない一方で、
「強い磁場を使う検査」という特性があります。
そのため、検査前には、「体内や体表に金属がないか」を必ず確認されます。
体内金属がある場合は必ず申告
これが最重要ポイントです💡
必ず伝える必要があるもの
- ペースメーカー・ICD
- 脳動脈クリップ
- 人工内耳
- 血管ステント
- 体内金属(事故・手術歴)
種類や年代によってはMRI不可の場合があります。
自己判断はせず、必ず医療スタッフに伝えてください。

このとき、多くの方が迷われるのが、
「歯の被せ物や入れ歯は大丈夫なの?」という点です。
今回は、MRI検査を受ける前に知っておきたい注意点と、
特に口腔内に入っている補綴物(被せ物・入れ歯など)について、
40代以上の方に向けて分かりやすく解説します。
MRI検査で注意が必要な理由
MRIはX線やCTとは異なり、
非常に強力な磁石(磁場)を利用して画像を撮影します。
この磁場の影響で、
- 金属が引き寄せられる
- 金属が発熱する
- 画像が乱れる
といった問題が起こる可能性があります。
そのため、MRI検査前には
金属に関する申告が非常に重要になります。
口腔内に入っている「補綴物」とは?

補綴物とは、失った歯や歯の一部を補うために装着する人工物のことです。
40代以上の方では、何らかの補綴物が入っているケースは珍しくありません。
代表的なものと材質を見ていきましょう。
① 被せ物(クラウン)

歯を大きく削ったあとに被せるものです。
主な種類と材質
以前から保険診療で多く使われてきた素材
見た目が自然、金属を含まない
白くて強度が高く、基本的に非磁性
樹脂とセラミックの混合素材
▶ 多くの場合、MRI検査は可能ですが
古い金属冠や材質不明のものは申告が必要です。
② 詰め物(インレー)
比較的小さな虫歯治療で使用されます。
こちらも基本的には問題ないことが多いですが、
金属製の場合は申告対象です。
③ ブリッジ
歯を失った部分を、両隣の歯を支えにして補う方法です。
支台歯・人工歯に金属が使われていることが多い
見た目はセラミックでも内部に金属がある場合あり
▶ 外すことはできません
→ 必ずMRI前に申告してください。
④ 入れ歯(義歯)

入れ歯はMRIで特に注意が必要な補綴物です。
種類
- 部分入れ歯(金属のバネあり)
- 総入れ歯
- ノンクラスプデンチャー(樹脂製)
▶ 外せる入れ歯は、原則外します
▶ 金属床義歯など、構造に金属を含むものは必ず申告
⑤ インプラント

歯を失った部分に人工歯根を埋め込む治療です。
- 多くはチタン製
- チタンは非磁性で、MRI対応のものがほとんど
▶ 基本的にMRI可能ですが、
「インプラントが入っている」と必ず伝えてください。
⑥ 磁性アタッチメント義歯
高齢の方に多い、磁石を使った入れ歯です。
▶ MRI不可のケースが多く、非常に重要な申告事項
▶ 外せない場合もあります
外せるもの・外せないものの考え方
ここはとても大切なポイントです。
•外せる補綴物(入れ歯など)
→ 検査前に必ず外す
•外せない補綴物(被せ物・ブリッジ・インプラント)
→ 必ず申告する
「外せないから言わなくていい」ではありません。
申告することで、安全に配慮した判断ができます。
粧・ネイルにも注意
意外と見落とされがちですが重要です。
- アイシャドウ
- マスカラ
- アイライン
- ネイル(ラメ・金属粉入り)
これらに含まれる微量金属が
の原因になることがあります。
👉 指示があればノーメイクが基本。
閉所が苦手な方は事前相談を
MRIは
という特徴があります。
という方は、
事前に伝えることで対策が可能です
(耳栓、声かけ、鎮静など)。
検査中は「動かない」が鉄則
MRIは少しの動きでも画像がブレます。
👉 検査時間は20〜40分程度
「じっとしている」が最大の協力ポイントです。
妊娠中・妊娠の可能性がある場合
MRI自体は放射線を使いませんが、
妊娠初期は慎重な判断がされます。
👉 必ず事前に申告してください。
40代以上の方にこそ知ってほしいこと
- 過去に治療した歯が増えている
- 材質を正確に覚えていない
- 治療したのが何十年も前
というケースが多くなります。
それでも問題ありません。
MRI検査前に、
「歯に被せ物があります」
「入れ歯を使っています」
と一言伝えることが何より大切です。
診療920日目、ホワイトニングは医療費控除の対象?
2026年3月5日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
「ホワイトニングは医療費控除の対象になりますか?」
「歯医者の自費治療やインプラント、セラミックは対象ですか?」
確定申告の時期になると、
歯科受付でこうした質問を多くいただきます。
歯科治療は、保険診療・自費診療・審美治療が混在しているため、
どこまでが医療費控除の対象になるのか分かりにくい分野です。
本記事では、国税庁の基準をもとに、
歯科の医療費控除について現場目線で整理します。
※制度の最終判断は税務署または税理士へご確認ください。
■ 医療費控除とは?対象となる条件
【国税庁基準】
医療費控除とは、
一定額を超えた医療費を支払った場合に、所得控除を受けられる制度です。
国税庁「医療費控除の対象となる医療費」より要点を整理すると、
次のとおりです。
・自己または
生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費が対象
• 原則として年間10万円(または所得の5%)を超える部分が控除対象
• 対象期間は1月1日から12月31日まで
• 「治療を受けた日」ではなく、「実際に支払った年」で判定される
✍️ここで重要なのは「支払日基準」という点です。
・対象税目は「所得税」
・最高で200万円まで
医療費控除は、給与所得者など、
すでに源泉徴収によって税金を納めている方が、
払いすぎた税金を取り戻すことができる「還付申告」として行うことができます。
医療費を支払った年の翌年1月1日から5年間
(当該年の翌年1月1日〜5年後の12月31日)の間に
行うことができます。
「確定申告」として行う場合は、
翌年2月16日から3月15日までとなります。
■ 歯科の医療費控除|対象になる治療一覧
原則:治療目的であれば対象
• 虫歯治療
• 歯周病治療
• 抜歯
• 保険診療の補綴治療
• 義歯(入れ歯)
• 自費治療の補綴治療・インプラント(咀嚼機能回復目的)
• 機能回復を目的とした矯正治療
• 通院に必要な公共交通機関の交通費
✍️電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合、
タクシー代も含まれます
国税庁では、「治療に直接必要な医療費」が控除の対象とされています。
そのため、自費診療であっても、
機能回復や治療を目的とするものは対象となる場合があります。
受付として、医療に携わる立場として、
年間治療が10万円を超えそうな患者さんには、
自ら「医療控除はご存知ですか?申請されたことはありますか?」と
声掛けしています。
受けられる制度はどんどん活用すべきです。
制度を知った上で申請するかどうかを判断することが
重要だと考えています。
知らなかったから申請できなかった、
とならない為のリスクヘッジと共に、
医院への信頼度も増す効果があります。
少し話は逸れますが、保険診療の定義もおさらいしましょう
■ 保険診療とは?歯科における基礎知識
保険診療とは、公的医療保険制度が適用される診療のことです。
健康保険(社会保険・国民健康保険など)に加入していることで、
治療費の一部(原則1〜3割)を自己負担し、
残りは保険者が負担する仕組みになっています。
全国一律で適用されるしくみのため、
日本全国どこで治療を受けても医療費は変わりません。
歯科での代表例は以下のとおりです。
・虫歯治療
・歯周病治療
・抜歯
・保険適用の被せ物・詰め物
・必要と認められた検査やレントゲン撮影
■ 保険診療と自費診療の違い|医療費控除の判断基準
自費診療は保険が適用されないため、費用は全額自己負担となります。
ただし、自費=医療費控除の対象外ではありません。
医療費控除では「保険か自費か」ではなく、
治療目的かどうかが判断基準になります。
■ ホワイトニングは医療費控除の対象外?
結論から言うと、
審美目的のホワイトニングは原則対象外とされています。
国税庁では、
美容や容貌を美化する目的の費用は医療費控除の対象外とされています。
ホワイトニングは審美目的のため、通常は対象になりません。
ただし、個別事情によって判断が異なる可能性があるため、
最終的には税務署への確認してもいいでしょう。
対象外になりやすいもの
• 審美目的のみのセラミック治療
• 美容矯正
• ホワイトニング
• デンタルケア用品(歯ブラシ・歯磨剤など)
• 自家用車通院のガソリン代
これらは「治療」ではなく、
生活費や美容費と判断されるケースが多いとされています。
一般的な歯ブラシや歯磨剤などの日用品は、
原則として医療費控除の対象外とされています。
ただし、医師の指示に基づき治療のために購入した医療器具等については、個別判断となる場合があります。
■ 歯科受付から見た注意すべき3つのポイント
実務上、特に大切なのは次の3点です。
① 領収書・明細書の保管
医療費控除の申告にあたり医療費の明細書の作成が必要とされています。
領収書の保管は5年間とされています。
基本、再発行ができないため、保管は重要です。
② 支払年の確認
カード払いや分割払いは、実際に支払った年で判定されます。
③ 自費=対象外ではない
自費診療であっても、治療目的であれば対象となる可能性があります。
悩んだら読み返しましょう
■ まとめ|歯科治療は“目的”で判断される
歯科医療は、保険・自費・審美が混在するため判断が難しい分野です。
国税庁では「治療目的かどうか」が基準とされています。
正しい理解が、不安や損失の回避につながります。
不明点がある場合は、国税庁の公式情報を確認するか、
税務署へ直接問い合わせることをおすすめします。
診療918日目、虫歯は過去最少
2026年3月2日
虫歯は過去最少。でも視力と肥満は?
― 2025年度 学校保健統計から見える子どもの健康 ―
2025年、文部科学省が公表した「学校保健統計調査」で、
少し明るいニュースがありました。
虫歯のある子どもの割合が、すべての校種で過去最少を更新したのです。
対象は、全国の5〜17歳 約314万人。健康診断の結果をもとに、
子どもたちの発育や健康状態が調査されました。
虫歯は確実に減っている
「虫歯が1本でもある子」の割合は以下の通りです。
• 幼稚園:19.44%
• 小学校:30.83%
• 中学校:25.23%
• 高校:32.77%
いずれも前年度より改善し、過去最少を更新しました。
小学生では約3人に1人。
ひと昔前と比べると、確実に減っています。
背景として考えられるのは、
• 学校での歯みがき指導の定着
• フッ化物応用の普及
• 保護者世代の予防意識の向上
• 定期歯科受診の習慣化
特に30〜40代の保護者は
「予防歯科」の価値を理解している世代
「痛くなったら行く」から「悪くなる前に防ぐ」へと、確実にシフトしています。
ただし、小学生で約3割という数字は、決してゼロではありません。
永久歯への生え変わり時期は最も虫歯リスクが高いタイミング。
生えたての永久歯はエナメル質が未成熟で、溝も深く、磨き残しが起こりやすいのです。
仕上げ磨きは低学年だけで終わらせず、少なくとも10歳前後までは“点検役”として関わることが重要です。
視力低下は依然として深刻
一方で、気になるデータもあります。
裸眼視力1.0未満の割合は、
• 幼稚園:23.90%
• 小学校:36.07%
• 中学校:59.35%
• 高校:71.51%
高校生では7割以上が1.0未満という結果でした。
小学校はわずかに改善しましたが、全体としては依然高水準。
文科省は「近くを見る時間の増加」が要因と分析しています。
タブレット学習、動画視聴、ゲーム。
今の子どもは、私たちの世代よりも圧倒的に“近見作業”が多い環境にいます。
家庭でできる予防の基本はシンプルです。
• 画面や本は目から30cm以上離す
• 30分に1回は遠くを見る
• 外遊びの時間を確保する
実は、屋外活動は近視進行抑制に効果がある可能性が報告されています。
日光を浴びることが、眼の成長調整に関与すると考えられているためです。
勉強を頑張る子ほど、目の負担は増えがち。
「努力しているからこそ、休ませる」
これは保護者のマネジメント領域です。
11歳前後で増える“肥満傾向”
もう一つ注目したいのが、肥満傾向児の割合。
男女ともに11歳前後でピークとなり、特に男子は9歳以降で1割を超えます。
この時期は、
• 運動量の個人差が広がる
• 食事量が急増する
• ホルモンバランスが変化する
といった成長期特有の影響を受けます。
肥満は単に体型の問題ではありません。
将来的な生活習慣病リスクとも直結します。
ただし重要なのは、
体重そのものよりも生活習慣です。
• 朝食を抜かない
• 砂糖飲料を習慣化しない
• 睡眠時間を確保する
• 体を動かす習慣を持つ
完璧を目指す必要はありません。
“続けられる範囲で整える”ことが鍵です。
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今の子どもは健康?それとも課題が多い?
今回の統計から見えるのは、
• 虫歯は減少(予防意識の成果)
• 視力低下は依然深刻
• 肥満は思春期前後が要注意
という構図です。
歯は改善、目は課題。
健康問題も時代によって変わります。
30〜40代の保護者世代は、
「虫歯が多かった子ども時代」を経験している方も多いでしょう。
今の子どもは虫歯は減りましたが、
代わりにデジタル由来のリスクと向き合っています。
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親ができることは“完璧”ではなく“継続”
健康管理は短距離走ではありません。
・夜の仕上げ磨きを丁寧に
・画面時間をルール化
・外遊びを意識的に確保
・定期健診を習慣に
小さな積み重ねが、将来の差になります。
統計は「社会の傾向」を示しますが、
お子さんの未来を作るのは、日々の家庭習慣です。
虫歯が減ったことは素晴らしい成果。
その流れを維持しながら、
“目と生活習慣”にも目を向けていきたいですね。
数字は変化しています。
だからこそ、私たちもアップデートしていきましょう。
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