診療700日目、「虫歯」を放置しても自然に治ることはあるの?
2025年3月17日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
記念すべき診療700日目になりました👏
「虫歯」を放置しても自然に治ることはあるの?
受付に座っていると、たまに聞かれます。
希望を持ちたいお気持ちは非常にわかります😭
しかし、嘘はよくありません。事実をお伝えしますね。
子どもの歯磨きや歯科健診は一生懸命しているのに、ご自分のデンタルケアはおろそかになっていませんか?
大人の歯は、毎日歯磨きをしていても、つい日常に紛れてトラブルを放置しがち……。
おかしいな?と思っても放っておきがちな「大人の虫歯」についてお話しします。
虫歯の放置の原因は…大人は痛みが出にくい?
「子どもの虫歯がこの20年ほどで急激に減少している」というニュースをご覧になった
ことはありますか? 厚生労働省の「平成28年歯科疾患実態調査」によると、
5歳以上10歳未満で永久歯に虫歯(治療済みを含む)のある子どもの割合は、1993年は36.3%でしたが、
2016年は8.2%まで減少しました。23年間で子どもの虫歯率は大きく改善されています。
では、わたしたち大人はどうでしょう?
同調査によると、25歳以上85歳未満の虫歯率は2016年も80%以上。
特に35歳以上44歳未満では99.3%と、子育て世代の大人のほとんどに、
虫歯があることがわかります。思い当たる人も多いのではないでしょうか?
「大人の虫歯は、症状が特にない状態でじわじわ進行していくことがかなり多い」です。
たとえ痛みや黒ずみがなくても、大人の歯には虫歯が潜んでいるかもしれないのです。
虫歯を放置して勝手に治ることはある?
痛みもなく、黒ずみもない“隠れ虫歯”、放っておくとどうなるのでしょうか?
自然に治ることはないのでしょうか。
虫歯ができるしくみとともにみてみましょう。
虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌は口腔内に存在します。
ミュータンス菌は食べ物や飲み物に含まれる糖質をエサにして酸をつくります。
口の中が酸性に傾くと、歯が溶けてしまう「脱灰(だっかい)」が起こり虫歯になります。
この「脱灰」を止められるのがだ液。だ液には虫歯を防ぐ「再石灰化作用」があり、
酸を中和して歯の表面のエナメル質を元の状態に修復することができます。
私たちの歯は食事のたびに「脱灰」と「再石灰化」を繰り返しています。
虫歯はこの「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れ、「脱灰」が優位になった結果、できてしまうものなのです。
「逆に、歯の表面がわずかに溶け出す程度の初期虫歯の状態であれば、
ケアをきちんと積み重ねて“再石灰化”を優位にすることにより、虫歯の進行を止めてエナメル質を元の状態に戻すことができます」
とはいえ、これはあくまで初期虫歯の場合です。
下記の図、虫歯の進行の中では「CO」と呼ばれる状態の場合です。
ご自身で初期虫歯かどうかを自己判別するのは難しいですし、虫歯になる人は虫歯ができやすい
口腔環境にあるため、初期虫歯だから大丈夫と考えるのはとても危険です。
万が一、初期以降の虫歯を放置した場合、進行して痛みが出たり、歯根部に膿が溜まったりして、
最終的に抜歯することになってしまいます。
歯は体のほかの組織と異なり、自己再生ができません。初期虫歯を放置して、
みなさんが虫歯と認識されているような、穴の開いて黒く見えるような状態になったときは、
一生懸命磨いたからといって治ることはありませんから、すぐに歯医者さんへ行きましょう。
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“隠れ虫歯”を見つけるには?
症状が出ない“隠れ虫歯”を見つけるには、定期的に歯科医院へ行き、チェックを受ける必要があります。
「歯に何のトラブルもないのに歯科医院へ行くのはちょっと……」と思う方もいらっしゃるでしょう。
虫歯を早期に発見できれば治療も簡単に済みますし、健診の際にクリーニングを行えば、見た目も美しく、
口の中もスッキリとします。
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あくまでも目安ではありますが、
平均的は「虫歯治療後の歯の寿命」をご紹介します。
人生100年時代、到底賄えない年数になってしまいます。
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歯科健診はどれくらいの頻度で受けるべき?
正直にお答えすると人それぞれ、お口にあった頻度があります。
当院の中では多くの患者様に3.4ヶ月ごとの定期検診を勧めています。
ついで多くご案内するのが、心配な歯や歯茎の場所がある2ヶ月の方、
ご自身での口腔ケアが難しくなってきた1ヶ月検診の方です。
歯の健康に対する意識も高くて歯の状況もいい方の場合は半年に1回でも構いません。
最低でも1年に2回は受診するようにしましょう。