診療908日目、歯科治療で花粉症がやわらぐ?
2026年2月16日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
歯科治療で花粉症がやわらぐ?

「花粉症」と「虫歯」の、ちょっと意外で深い関係
2月が近づくと、「今年も来たか…」と身構える方も多いのではないでしょうか。
鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ。花粉症は、春の訪れと引き換えにやってくる厄介な存在です。
花粉症というと「鼻の病気」というイメージが強いですが、
実はお口の中とも密接に関係していることが分かってきています。
そしてその影響は、大人だけでなく子どもにも及びます。
今回は、花粉症と歯・口腔の関係について、歯科の視点から分かりやすく解説します。
花粉症は子どもでも起こる?
花粉症は、鼻腔に入り込んだ花粉に対して体が過剰に反応することで、
- 鼻水・鼻づまり
- くしゃみ
- 目のかゆみ
などの症状を引き起こします。

子どもの場合、
✔ 「熱はないのに元気がない」
✔ 「集中力が続かない」
✔ 「夜よく眠れず、日中ぼんやりしている」
といった分かりにくいサインとして現れることも少なくありません。
近年の調査では、スギ花粉症の有病率は年々増加しており、**10〜19歳では約50%**と、
大人とほぼ変わらない水準に達しています。
つまり、花粉症はすでに「子どもでも珍しくない病気」なのです。

花粉症が「虫歯・歯周病リスク」を高める理由
花粉症で鼻が詰まると、無意識に口呼吸が増えます。
この口呼吸が、実はお口の健康にさまざまな悪影響を及ぼします。
● 口の中が乾きやすくなる

口呼吸が続くと、唾液が蒸発しやすくなり、口腔内が乾燥します。
唾液には、
- 汚れを洗い流す「自浄作用」
- 菌の増殖を抑える「抗菌作用」
- 歯を修復する「再石灰化作用」
といった重要な役割があります。
唾液が減ることで、虫歯や歯周病のリスクは一気に上昇します。
● 風邪や感染症にもかかりやすくなる
本来、鼻呼吸では鼻毛や粘膜がフィルターとなり、ウイルスやホコリを防いでくれます。
口呼吸ではそれができず、病原体が直接体内に入りやすくなります。
花粉症の時期、歯が痛くなることはありませんか?
春先になると、
「奥歯がズーンと痛む」
「何本も歯が痛い気がする」
と訴える方が増えます。
この原因の一つが**副鼻腔炎(蓄膿症)**です。

上あごの奥歯の根は、鼻の奥にある副鼻腔と非常に近い位置にあります。
そのため、鼻の炎症が歯に響いて歯痛として感じられることがあります。
特徴としては、
- 上あごの奥歯が痛い
- 何もしなくても痛む
- 下を向くと痛みが強くなる
などが挙げられます。
この場合、歯自体に問題がないことも多いため、耳鼻咽喉科での治療が優先されます。
一方で、歯の感染が鼻に広がる「歯性上顎洞炎」もあるため、歯と鼻は切り離せない関係です。
花粉症治療「舌下免疫療法」と歯科治療の注意点
近年、花粉症の根本治療として注目されているのが舌下免疫療法です。
アレルゲンをごく少量ずつ体に慣らし、体質改善を目指す治療法で、5歳から保険適用されています。
ただし、この治療は舌の下に薬を置くため、
- 抜歯後
- 口内炎
- 口の中に傷や炎症がある時
には注意が必要です。
2023年、日本小児歯科学会は、
「必ずしも休薬が必要とは限らないが、口腔内に傷がある場合は、主治医と相談することが望ましい」
と提言しています。
歯科治療を受ける際は、舌下免疫療法を行っていることを必ず伝えるようにしましょう。
歯科用マウスピースで花粉症がやわらぐ?

興味深い研究も報告されています。
2020年、神奈川歯科大学の研究では、季節性アレルギー性鼻炎の患者に歯科用マウスピースを装着してもらったところ、
- 唾液分泌量が増加
- 鼻炎症状のスコアが有意に改善
する結果が示されました。
下あごへの適度な刺激が自律神経に作用し、
アレルゲンを排除する免疫成分(IgA)の分泌が促された可能性が示唆されています。
歯科のアプローチが、花粉症症状の緩和につながる可能性があるという、注目すべき報告です。
花粉症は「鼻だけ」の問題ではありません
花粉症は、
鼻・目・口、そして全身の状態と深く関係しています。
✔ 口が乾く
✔ 虫歯・歯周病リスクが上がる
✔ 歯痛の原因が鼻にあることも・・・

こうした背景を知っておくことで、対処の選択肢は広がります。
花粉症か判断が難しい方は、上の図を参考にしてくださいね。
✔ 「鼻の症状だから耳鼻科だけ」
✔ 「歯が痛いから歯科だけ」
ではなく、複数の視点で体を見ることが、つらい季節を少し楽にする近道です。
花粉症シーズン、気になる症状があれば、迷わず専門医に相談してください。
お口のケアが、春を少し快適にしてくれるかもしれません。







