診療347日目、歯の健康に効果的なお茶は?

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診療347日目、歯の健康に効果的なお茶は?

2023年10月7日

「緑茶」と「麦茶」、歯の健康に効果的なお茶は?

歯が茶色くなるのは実は・・・。歯科医が明かすお茶のびっくり情報

 

すっかり秋めいてきましたね🍂

夏の水分補給はもちろん、毎日のリラックスタイムのお供でもあるお茶。

そのお茶も、種類や摂取の仕方によって歯の健康や美白に影響し、口臭や虫歯の予防にもなるとご存じでしたか?

今回は歯学博士の島谷浩幸さんに詳しく伺いました。という記事をシャアします!

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暑い夏の水分補給に欠かせないお茶。

ペットボトルで気軽に購入でき、自宅で作った緑茶や麦茶を冷やして水筒に入れる方も多いでしょう。

麦の香ばしい香りを感じつつ、氷の入るキンと冷えたグラスで飲む麦茶の美味しさは格別で、夏の風物詩でもあります。

しかも、歯の健康に良いのならば、もっとうれしいですよね。では、具体的な研究報告を見ていきましょう。

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緑茶を多く飲む高齢者は歯が多い

2020年に東北大学の相田潤教授や星真奈実氏らの研究グループは、

65歳以上の高齢者24147人を対象に、緑茶の摂取頻度と現在ある歯の数の関係を調べました。

その結果、緑茶を1日4杯以上飲む人は、緑茶を飲まない人に比べて約1.6本多く歯が残り

1カ月の間に会う人数が少ない人ほど顕著な傾向が見られました(図1)。

多くの人と交流がある高齢者が若々しいのは納得できると思いますが、

そのようなライフスタイルでなくとも、緑茶を飲む習慣で若さを維持できることを示唆していると言えるでしょう。

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麦茶は虫歯菌が歯に付着するのを抑える

また、2010年にStauder氏らの研究グループでは、

焙煎大麦の抽出液(麦茶に相当)が虫歯菌の働きに対して与える影響について調べました。

その結果、麦茶には、虫歯の原因となるミュータンス菌が歯の表面に接着する

バイオフィルムという粘着物質の生成を抑える効果があり、虫歯のもとになる歯垢(プラーク)ができにくくなることが明らかになりました。

これらの研究結果から緑茶・麦茶ともに歯の健康に効果が認められることが分かります。

しかし、「コーヒーやお茶をよく飲む人は、歯が茶色くなる」というように、

お茶の摂取による歯の着色(ステイン)を気にされている方もおられるでしょう。

では次に、お茶とステインの関係を調べた研究を紹介しようと思います。

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麦茶は歯のステインが付きにくい

2013年に静岡県浜松市健康福祉部の石川昭氏と神奈川歯科大学の荒川浩久氏らの研究グループは、

3歳児歯科健診を受診した幼児328人を対象に、様々な飲み物と歯の色素沈着との関連性を調べました。

その結果、よく飲むお茶を煎茶と選択した子どもは色素沈着を有する割合が有意に高くなり、

麦茶を選択した子どもは有意に低くなることが明らかになりました。

麦茶は茶色い色からして着色が付きやすいイメージがありますが、意外にステインは付きにくいのですね。

ところで、ステインは古くからタンニンと呼ばれてきた成分が歯に沈着したものですが、

その主成分はカテキンというポリフェノールの一種で緑茶の苦味・渋味を生み出します。

タンニンを含まない麦茶と違って、チャノキ(茶の木)を原材料とする緑茶、煎茶やほうじ茶、番茶、

紅茶などの飲み物はタンニンを多く含み、歯のステインの原因となります。

就寝時は唾液が減りタンニンが残りやすいので、寝る前に飲んだ場合のステイン予防として軽く水ですすぐか、歯磨きをしてください。

その一方で、タンニンの主成分・カテキンが虫歯予防に効果的だという研究報告が多くありますので、その一つを紹介しましょう。

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カテキンは虫歯や口臭の予防にも

緑茶のカテキンは虫歯菌に対して抗菌性を示し、虫歯の原因となる歯垢(プラーク)を

構成する粘着性の不溶性グルカンを作る酵素(グルコシルトランスフェラーゼ)の働きを抑えて、虫歯菌の歯への付着を抑えます。

さらに、カテキンは直接臭いの成分と化学的に結合する性質があるのに加えて、

油脂などの酸化を抑えることによって口臭を改善する効果もあります。

2021年に東北大学のグループが報告した研究では、緑茶カテキンであるEGCGが

虫歯関連菌であるミュータンス菌などの口腔レンサ球菌の酸産生を抑制し、虫歯予防効果に期待できるとしています。

加えてこの研究では、カテキンが虫歯関連菌の凝集を促進することで歯の表面に

付着することを阻止し、さらなる虫歯予防にもつながると報告しました。

このように歯の着色というマイナス面があるカテキンですが、虫歯や口臭の予防に有効だというのは魅力的ですね。

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緑茶は歯を丈夫にするフッ素が多い

緑茶、麦茶ともにCa(カルシウム)やK(カリウム)などのミネラル成分を含みますが、

特に緑茶はF(フッ素)を多く含みます。歯を丈夫にするフッ素は歯の表面の結晶構造を強くし、虫歯になりにくくさせる働きがあります。

一般的に若葉よりも成長した葉に多く、同じくチャノキから作られる番茶やほうじ茶に特に多く含まれます

緑茶の葉のフッ化物イオン濃度は200~400ppm前後ですが、比較的多く含む魚介類や海藻類などの中でも特に多いいわしの干物でさえ40ppmほどにしか過ぎません。いかに茶葉が豊富なフッ素を含むかが分かりますね。

しかし、飲むお茶では1ppm前後に濃度が下がるため、効率的にフッ素を取り込むにはどうすればいいのでしょうか?

そこで、野菜ソムリエでもある筆者がおすすめするのが「食茶」です。

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食茶で無駄なく栄養補給を

茶葉を粉末加工して茶そばや抹茶スイーツで食べることもできますが、

「食茶」はお茶を入れた後の茶殻を食べるなど、茶葉が含むものを丸ごと食べて活用することの総称です。

急須でお湯を注いで飲む成分抽出だけでは緑茶に含まれる有効成分の

20~30%しか摂取できません。茶葉のビタミンCやカテキンは水溶性のため、

お茶として飲むことでも摂取できますが、捨てている茶殻にこそビタミンA、

ビタミンE、食物繊維や残留したフッ素など、有効な栄養成分を含んでいます。

茶葉をしっかり歯で噛んで咀嚼すれば高濃度のフッ素が溶け出し、歯に取り込まれやすくなります。

しかも、食茶によって廃棄物(ごみ)の減量化につながり、エコの観点からもぜひ実践したいものです。

 

2019年に実施された全国の8046人を対象にしたアンケート調査では、

お茶の葉を「食べたことがある」と回答した人が53%を占めました。さらに都道府県別で詳しく見ると、

静岡県で76%、京都府・高知県で67%と、お茶の産地である静岡や京都で「食べたことがある」人の割合が高くなりました(図2)。

美味しく茶殻を食べるのに適しているのは柔らかい新芽(新茶・一番茶)で作られる玉露などで、

茶殻の色も美しく鮮やかで香り高い点も魅力ですが、その他のお茶も次のように工夫すれば美味しく頂けます。

食茶レシピの例として、しらすと鰹節を加えて和え物にしたり、乾燥後に細かくして卵焼きに混ぜたりするなど、

短時間で手軽に様々な料理にアレンジできます。

ただしカフェインには注意 

なお、食茶の注意点としてカフェインも多く摂り入れることになるため、

カフェインが苦手な人は控え目の摂取を心掛けましょう。

眠気覚ましの効果があるカフェインですが、特に就寝前に摂取すると利尿作用でトイレに行きたくなり、

良質な睡眠も妨げられます。その点、麦茶にはカフェインがないため、小さなお子さんから

安心して飲むことができます。

寝る前に飲むお茶としては、歯のステイン予防とカフェインレスの観点から、麦茶が適していると言えるでしょう。

この暑い夏、冷えたお茶でのどを潤しながら、お茶っ葉のアレンジレシピを楽しむのもいいかもしれませんね。

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