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診療1027日目、歯の健康は宇宙へ行くパスポート⁉︎

2026年8月5日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

今回のブログは、日本宇宙歯学研究会代表理事であり、

愛知学院大学歯学部歯学科教授などを歴任した前田初彦先生の解説を参考にしています。

前田先生は長年にわたり宇宙環境が口腔内に与える影響を研究し、

日本の宇宙歯学研究を牽引してきた第一人者です。

 

歯の健康は宇宙へ行くパスポート

~宇宙飛行士が歯医者さんに通う本当の理由~

「宇宙飛行士になるために必要なことは何ですか?」

こう聞かれると、多くの人は勉強や運動能力、英語力を思い浮かべるかもしれません。

しかし実は、宇宙へ行くためには「歯の健康」がとても重要です。

今回は、日本宇宙歯学研究会代表理事であり、長年にわたり宇宙歯学の研究に

携わってきた前田初彦先生の解説をもとに、宇宙と歯科の意外な関係について紹介します。

宇宙開発というとロケットや人工衛星を想像しがちですが、人間が安全に宇宙で

生活するためには、医療や歯科の研究も欠かせません。

実際に宇宙飛行士の健康管理には、歯科医師の知識が大きく関わっています。

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宇宙に行く人は「虫歯ゼロ」なの?

結論から言うと、宇宙飛行士は出発前に非常に厳しい健康診査を受けます。

なぜなら、宇宙では簡単に病院へ行けないからです。

例えば皆さんが学校で急に歯が痛くなった場合、歯科医院を受診すれば治療できます。

しかし宇宙ステーションではそうはいきません。

地球から約400km上空を飛行する国際宇宙ステーション(ISS)では、

歯科医院はもちろん存在しません。痛みが出ても、すぐに専門医の治療を受けることは極めて困難です。

そのため宇宙飛行士は、虫歯や歯周病だけでなく、将来的に問題が起こりそうな歯まで事前にチェックされます。

歯科の世界では「予防」が大切だとよく言われますが、宇宙ではその重要性がさらに高まります。

宇宙飛行士にとって歯の健康は、快適な生活のためだけでなく、任務を成功させるための重要な条件なのです。

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無重力が口の中に与える影響

では、宇宙空間では歯や口の中にどのような変化が起こるのでしょうか。

前田先生によると、無重力環境では体液が上半身へ移動することが知られています。

実際に宇宙飛行士の顔が少しむくんで見えることがありますが、これは体液移動の影響です。

さらに無重力では骨への刺激が減少します。

私たちの骨は、歩いたり立ったりすることで常に重力の負荷を受けています。

しかし宇宙ではその刺激が少なくなり、骨量が低下しやすくなることが分かっています。

この変化は顎の骨にも関係する可能性があります。

また、唾液の成分変化も指摘されています。

記事では、唾液中のカルシウム量が増えることで歯石が形成されやすくなる可能性について触れられていました。

歯石は細菌の温床となり、歯周病のリスクを高めます。

つまり宇宙では、「歯磨きをしなくても虫歯になりにくい」のではなく、

むしろ丁寧な口腔ケアがより重要になるのです。

 

宇宙でも歯磨きは欠かせない

では宇宙飛行士はどのように歯を磨いているのでしょうか。

地球では当たり前に使っている水ですが、宇宙では貴重な資源です。

無重力では水滴が空中を漂ってしまうため、地上と同じように水を流しながら歯を磨くことはできません。

そこで宇宙飛行士は、少量の水で歯磨きを行います。

歯磨き後の水は吐き出すのではなく、そのまま飲み込む方法が一般的です。

最初は驚くかもしれませんが、宇宙環境では合理的な方法なのです。

記事でも紹介されていましたが、歯磨き粉の泡や水滴が飛散しないよう工夫された製品も開発されています。

実際にライオン株式会社の「すすぎが簡単なハミガキ」は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が募集した宇宙生活向けアイデアとして採用されたことで知られています。

宇宙での研究は、私たちの日常生活の便利さにもつながっているのです。

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宇宙にも歯科治療セットがある

さらに驚くのは、宇宙には歯科器具も持ち込まれていることです。

記事には実際の携帯用歯科器具セットが掲載されていました。

その中には、

・歯科用ミラー

・探針

・注射器

・局所麻酔薬

・抜歯鉗子

・エレベーター

・仮封材

などが含まれています。

つまり、万が一の緊急事態に備えて最低限の歯科処置ができる準備がされているのです。

ただし、宇宙空間で実際に抜歯が行われた事例はほとんどありません。

それほど徹底した事前管理が行われているということでもあります。

「治療する」よりも「問題を起こさない」。

これは宇宙医療の基本的な考え方です。

 

宇宙歯学という学問

こうした研究を行う分野を「宇宙歯学」といいます。

まだ一般にはあまり知られていませんが、宇宙飛行士の健康管理や将来の月面基地、

火星探査に向けて重要性が高まっている研究分野です。

現在の国際宇宙ステーションへの滞在は数か月程度ですが、将来は月や火星への

長期滞在が現実になるかもしれません。

もし火星へ向かう場合、往復には数年単位の時間がかかると考えられています。

その間に歯が痛くなったらどうするのでしょうか。

地球へ戻ることはできません。

だからこそ宇宙歯学は、「人類が宇宙で暮らす未来」を支える学問として注目されています。

 

歯科は未来の宇宙開発にも関わっている

歯科医院というと、「虫歯を削る場所」というイメージを持つ人もいるでしょう。

しかし実際には、歯科医療は全身の健康管理や最先端科学とも深く関わっています。

宇宙飛行士の選抜や健康管理、長期宇宙滞在の研究、さらには将来の月面基地建設に向けた医療体制の検討にも、歯科の知識が活用されています。

皆さんが毎日行っている歯磨きも、宇宙飛行士が実践している口腔ケアと基本的な考え方は同じです。

「歯が痛くなってから治療する」のではなく、「痛くならないように予防する」。

この考え方は地球でも宇宙でも変わりません。

宇宙飛行士になる人だけでなく、部活動に打ち込む人も、受験勉強を頑張る人も、社会で活躍する大人も、健康な歯があってこそ本来の力を発揮できます。

もしかすると、今この記事を読んでいる中高生の中から、将来本当に宇宙へ行く人が現れるかもしれません。

そのとき覚えておいてほしいことがあります。

ロケットの訓練や英語の勉強も大切ですが、毎日の歯磨きと定期検診も、宇宙への第一歩なのです。

歯の健康は、未来へのパスポート。

そして宇宙へのパスポートでもあるのです。

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