診療168日目、虫歯菌の代表格・ミュータンス菌について
2023年1月27日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
ミュータンス菌とは
むし歯は「歯垢」の中の菌がつくる”酸”によって歯が溶ける病気です。
口の中にはいろいろな種類の菌がいて、酸を出す菌もたくさんいるのに、
なぜ「ミュータンス菌」は「むし歯菌」と呼ばれているのでしょうか?
その理由の1つが「歯面に強く付着して、歯垢を作りやすい」からです⚡️
今日は虫歯菌の代表格・ミュータンス菌について掘り下げます🙋♀️✨
むし歯に大きく関与する「ミュータンス菌」
「むし歯菌」とも呼ばれる「ミュータンス菌」という言葉を、耳にしたことはありますか?
むし歯菌の正式名称は、「ストレプトコッカス・ミュータンス(Streptococcus mutans)」といい、
大きさは約1μm (マイクロメートル、 1/1000mm)の球状のとても小さな菌です。
口の中にいる口腔連鎖球菌の一種で、写真のようにつながって増えていきます。
むし歯は「歯垢(プラーク)」の中の菌がつくる“酸”によって歯が溶ける病気です。
口の中にはいろいろな種類の菌がいて、歯を溶かしてしまう酸を出す菌もたくさんいます。
その菌の中で、なぜ「ミュータンス菌」は「むし歯菌」と呼ばれているのでしょうか。
その理由をご紹介します💡
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理由①「歯面に強く付着して、歯垢を作りやすいから」
ミュータンス菌は、水に溶けない「グルカン」というネバネバ物質を作り、
歯に強くくっつく性質があります。ミュータンス菌がグルカンをつくると、
菌が洗い流されず歯の表面にとどまりやすくなります。
そこに細菌の塊ともいえる歯垢が形成されます。
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理由②「酸を作る能力が高いから」
ミュータンス菌は砂糖やブドウ糖から酸を作ります。
特に周りに砂糖が沢山あると、体の中に多糖として糖を蓄え、
周りに糖がなくなると、体の中の糖を分解して酸を作ります。
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理由③「酸性の環境に強いから」
酸を作ると周りの環境が酸性に傾きますが、ミュータンス菌は酸性の環境でも
弱ることなく、酸を出し続けます。
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ネバネバ物質「グルカン」の正体はなんだろう?
ミュータンス菌がつくるネバネバ物質の「グルカン」は、ブドウ糖が長く結合
(α1-6結合とα1-3結合)した多糖です。このうち、α1-6結合を分解する酵素を
「デキストラナーゼ」、α1-3結合を分解する酵素を「ムタナーゼ」といいます。
「デキストラナーゼ」は一部のハミガキや洗口液にも配合されていて、
歯垢を分解・除去する働きを発揮します。
気をつけたい!
実は赤ちゃんにも「うつる」ミュータンス菌!
ミュータンス菌は親から子へとうつります。
そもそも生まれたばかりの赤ちゃんの口にはミュータンス菌は存在しません。
では、なぜこの菌が子どもにうつるかというと、親の唾液が原因です。
同じスプーンを使うなどすると、ミュータンス菌がうつる機会となります。
ミュータンス菌は硬い組織(歯)がないと、生育できないので、特に歯が生えてきた、
生後約1歳半から2歳半頃までの期間は注意が必要です。
まわりの大人もしっかりと口の中をキレイにして、スキンシップをするようにしましょう。