診療710日目、「歯を残す治療」の認知度は4割以下!
2025年4月3日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
【「歯を残す治療」の認知度は4割以下!】
歯科医師が語る「根管治療」の重要度とは「最後の手段」ではなく「第一の選択肢」
-根管治療がQOL向上につながる理由
QOL(クオリティ オブ ライフ)、ブログ担当はこの言葉を目にすると高い生活水準と意訳しています。
さておき、個人的には今年1驚きのニュースのご紹介です。
根管治療を適切に行わなかった場合に発生する問題は「歯の損失」「抜歯の可能性」「痛みや腫れの再発」です。
しなしながら、タイトルにもあるように認知度はまだまだ低いのが現状です。
一般社団法人日本歯内療法学会(所在地:東京都豊島区、理事長:柴 秀樹)は、
1.20代~50代の男女/2.歯科医師を対象に、「歯の根の治療(根管治療)」に関する調査を実施しました。
歯は、私たちの生活の質を支える大切な一部です。
しかし、虫歯が進行して歯の根にまで達すると、根管治療が必要になることがあります。
根管治療は、歯を残すための重要な治療法である一方、痛みや治療期間、費用など、さまざまな不安を感じる方もいるでしょう。
では、一般の方々は根管治療についてどの程度の認識を持ち、どのようなイメージを抱いているのでしょうか。
また、歯科医師から見た患者の理解度や不安はどのようなものなのでしょう。
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そこで今回、一般社団法人日本歯内療法学会(https://jea-endo.or.jp/)は、
1.20代~50代の男女/2.歯科医師を対象に「歯の根の治療(根管治療)」に関する調査を実施しました。
調査概要:「歯の根の治療(根管治療)」に関する調査
- 【調査期間】2025年3月11日(火)~2025年3月12日(水)
- 【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
- 【調査人数】1,029人(20代~50代の一般男女522人/歯科医師507人)
- 【調査対象】調査回答時に1.20代~50代の男女/2.歯科医師であると回答したモニター
- 【調査元】一般社団法人日本歯内療法学会(https://jea-endo.or.jp/)
- 【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
約7割が根管治療を「知らない」と回答
根管治療は、虫歯が神経まで進行しても歯を抜かずに残せる治療で、神経や感染組織を取り除き、根管を消毒・密封する治療です。
虫歯は1番最初の歯を治療しなければいけないステップです。
エナメル質・象牙質までの虫歯は、CRという詰める治療や型取りをする治療、
「虫歯部分を削って埋める」という1〜2回の治療で終わります。
象牙質からさらに神経に達した虫歯は、歯の中に針めぐっている神経を取り除き、
代わりとなる材料で代替えしないといけません。神経の感染(虫歯菌の状況)と歯神経の複雑な形の影響で
平均4回以上の治療が必要となります。
つまり、根管治療は虫歯のさらに先の治療ステップとなります。
適切に処置すれば20~30年と長持ちすることもあります。
通常の虫歯治療と違い、歯の内部を処置するため回数が多くなりますが、しっかり治療すれば
自分の歯を維持できる大きなメリットがあります。
では、20代~50代の男女のどのくらいの方が根管治療について知っているのでしょうか。
「根管治療について、どの程度知っていますか?」と質問したところ、『詳しく知っている(9.6%)』
『名前は聞いたことがあるが、詳しくは知らない(25.5%)』『全く知らない(64.9%)』という回答結果になりました。
この結果から、約3分の2の人が根管治療について全く知らないことが明らかになりました。
「詳しく知っている」層は1割にも満たず、「名前は聞いたことがあるが詳しくは知らない」と答えた人を
含めても、認知度は4割程度にとどまります。
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実際に、根管治療を受けたことがある方はどのくらいいるのでしょう。
「これまでに歯の根の治療(根管治療)を受けたことがありますか?」と質問したところ、
以下のような回答結果になりました。
- 『現在治療中である(4.0%)』
- 『過去に治療を受けたことがある(17.8%)』
- 『治療を勧められたが受けていない(3.8%)』
- 『受けたことがない(74.4%)』
つまり、約8割の人が根管治療を受けたことがないのです。
本来、根管治療が必要になるのは重度の虫歯や外傷によって神経が侵された場合ですが、
多くの人が適切なタイミングで治療を受けていない可能性があります。
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根管治療を受けた人の声-「歯を抜かずに済んだ」が最大のメリット
根管治療を受けたことがある方はどのようなメリットを感じたのでしょうか。
根管治療の経験について『現在治療中である』『過去に治療を受けたことがある』と回答した方にうかがいました。
「実際に根管治療を受けて良かったと思うことは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、
『歯を抜かずに済んだ(45.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『しみる感じがなくなった(23.7%)』
『治療後の違和感が少ない(16.7%)』となりました。
根管治療の最大の利点は、自分の歯を維持できることです。抜歯を避けることで、噛み心地や咀嚼能力を維持し、
インプラントや入れ歯を避けられるというメリットがあります。
では、根管治療を受けたことがない方は、根管治療に対してどのような理解をしているのでしょうか。
「根管治療について、どのようなイメージを持っていますか?(複数回答可)」と質問したところ、
『痛そう・怖い(54.7%)』と回答した方が最も多く、次いで『費用が高い(44.1%)』『治療期間が長い(20.6%)』となりました。
根管治療は「痛い」「怖い」といったイメージが強く、治療に対する心理的なハードルが高いことがわかります。
「自分の歯を残せる」といったポジティブな印象よりもマイナスな印象を持つ方が多いようです。
また、「費用が高い」という認識も根管治療の障壁となっています。
保険適用の治療であれば数千円~1万円程度で済む場合もありますが、自費診療の場合は数万円~十数万円
かかることもあるため、情報の伝え方によっては不安を与えやすいと考えられます。
⚠️当院、椎名町駅えがお歯科では自由診療での根管治療はございません。
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さらに、根管治療が重要である理由の一つは、適切な処置を受けないことで生じるリスクの大きさにあります。
「根管治療を適切に行わないと、どのような問題が発生すると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、
『わからない(40.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『歯を失う可能性がある(28.2%)』
『痛みや腫れが再発する(25.3%)』となりました。
つまり、約4割の人が根管治療を受けないことのリスクを正しく認識していないことが浮き彫りになりました。
根管治療を受けるかどうかの判断を下すためには、治療によって得られるメリットだけでなく、
治療を怠った場合に何が起こるのかを正しく理解していることが重要です。
しかし、その知識が十分に浸透していないことが明らかになりました。
つまり、正しいリスク認識ができていないこと自体が、患者にとっての課題であり、これを改善するためには、
歯科医療の側からの積極的な情報提供が不可欠となります。
長くなるので後半へ続きます!