診療715日目、歯科で行う歯石除去について
2025年4月10日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
SNSでわかりやすくまとめようかと計画中の話題を
まずはブログでご紹介します。
歯科で行う歯石除去について
保険できる?歯石除去にかかる費用
歯科での歯石除去にかかる費用は、検査をして歯周病と診断されると保険診療の適用となり、
3割負担の方であれば初診の場合初診料・検査と含めて4,000円代となる場合が多いです。
歯石取りは主にブロックごとに分けて行われるため、歯石が多いほどその回数が増えてしまいます。
2回目以降の費用は、歯の本数や部位・歯周病の状態によっても異なりますが、およそ1,500~2,500円前後になります。
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歯石除去が保険適用できない場合は「ほぼ」ありません
保険診療というのは疾患や傷病に対して適用されるため、疾患がない場合のクリーニングや
メインテナンスには保険が適用されません。だからといって、歯石が気になって歯科に行って、
「歯周病じゃないから自由診療です」とはならないのでご安心下さい。
歯石が気になるということは、歯周病の一つのサインですので、保険での検査・施術が可能です。
もちろん自由診療でも歯石取りは可能でPMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning※専門的機械歯面清掃)と
呼ばれることが多く、定期的に歯石取りをしたい方や、複数歯のインプラント治療・全顎インプラント治療を
された方が受診されることが多い施術です。PMTCの費用は医院によって異なりますが、当院の場合は、前歯上下3,300円、全歯11,000円となります。
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歯石を除去するメリット
では、歯石取りはなぜ必要なのでしょうか?これは歯石がお口の健康を害すものであるからです。
歯と歯茎の間についているグレーだったり、ベージュの塊が「歯石」です。
歯石は、歯垢が石灰化したものであり、虫歯菌や歯周病菌の住処となり、虫歯・歯周病リスクを高めてます。
その他にも、歯石の影響で口元が不潔に見えてしまったり、口臭の原因となるなど、
様々な外を及ぼすため、歯石を除去しないで良いことは一つもありません。
歯石除去を行うことで、歯の健康を保つことはもちろん、歯周病と関係する全身疾患の予防にも
つながる他、周りの人に与える印象にも影響します。
舌で歯の表面に触れたときに、ザラッとした感覚があれば歯石の可能性は高いです。
歯石の除去は歯科医院を受診ましょう。
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歯石の除去デメリット
まず1つは「痛みや出血」です。
歯石は歯と歯肉に付着しているため、それを剥がす際は痛みを感じることになり、出血することもあります。
「今回のそうじは今までで1番痛かった!」「あれ、今日のそうじは痛くないぞ?」という感想の多くは、
この炎症した歯茎の痛みによるものです。
痛みの大小は人によって異なりますが、明らかに痛みを伴う部位の歯石除去には麻酔を施します。
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次に「知覚過敏」です。これまで歯石付着していたところが、歯石取りによって露出します。
露出した部分の中には本来歯肉に埋まっている部分が歯周病によって退縮してしまっている場合、
エナメル質が薄いため冷たいものや熱いものを口にすると知覚過敏の症状を感じることがあります。
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そして「歯の動揺」のリスクです。
重度の歯周病の場合、歯石があることでかろうじて歯が固定していることが稀にあります。
この場合歯石を取ることで歯は動揺し、欠損のリスクもありますが、この場合そもそもその歯は延命が難しく、
そのまま歯石を取らなければどんどん歯周病は進行し、他の歯へも影響を及ぼしてしまうため、
「動揺する」とわかっていても歯石は取る必要があります。
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歯石除去は1回の治療でできる?
歯石除去は、歯石が溜まっていない場合は1度で終わります。
ただし、定期的に歯科に通っていない方の場合、複数の受診が必要になることが多いです。
上の図のように歯石には大きく2種類があります。
歯茎から上の歯石と、歯茎の下(中)の歯石です。
歯茎の下にある歯石取りは、口腔内をいくつかのブロックに分け、治療を進めます。
そのため、歯石の付着量が多いほど治療回数は増えます。
通常、長い期間歯科に通えていないという方で3~4回、歯周病が進行し、相当量の歯石がついている場合は
5~6回の治療回数が必要になることもあります。3~4ヶ月に1度のメインテナンスを続けることで、
毎回1回での施術でキレイに歯石を落とすことができるようになります。
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歯石除去の方法
歯石除去の施術は主にスケーリングとルートプレーニングです。
スケーリングとはスケーラーという器具を使用し、歯石を取る方法です。
歯周ポケットの奥深くまで入り込んだ歯石など、スケーリングで除去できない歯石がある場合は、
ルートプレーニングという施術を行います。
ルートプレーニングは専用の器具を使用し、スケーリングで除去しきれない歯石を取り除くだけでなく、
細菌によって汚染・軟化したセメント質や象牙質という組織も除去し、歯根面を滑らかな状態にすることで歯石がたまりにくい状態に仕上げます。
歯石を除去する際の痛みについて
歯石の具体的な除去の方法としては、スケーラーという歯科用器具を用いて行います。
スケーラは、フックのような形をした刃物で、これにより歯石をこそぎ落とし、掻き出します。
この施術を「スケーリング」と言い、歯肉縁上といって歯と歯茎の境目より上に付着した歯石の場合、
超音波スケーラーという器具を使うことで、効率よく歯石を取ることができます。
この際、あまり痛みを感じることはありませんが、ときより「チクチク」と感じることがあることと、
「キーン」という音が少し怖く感じることもあります。通常麻酔はしないことも多いですが、
痛みに弱い方・怖い方には麻酔をしての施術も可能です。
しかし、歯周病が進行し、歯肉縁下(歯茎の中の)にまで歯石が及んでいる場合、SRP(スケーリング・プレーニング)
という歯肉の中の歯石を探りながら除去する施術が必要となります。この施術に関しては、歯肉の中に器具を入れるため、
痛みを伴います。そのため、麻酔をしてから治療する必要があります。
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歯石除去は必ず歯科で行いましょう
歯垢や歯に付着した食べかすと違って、歯石は硬いため、ご自身で除去することはできません。
爪楊枝や安全ピンなどを使用して、自ら歯石を取ろうとする方は少なくありませんが、
歯や歯肉を傷つける危険性が高いため、絶対におやめください。歯肉が傷つくと、傷口から細菌が入り込んだり、
炎症を起こしてしまうリスクがあります。また、最近ではネット通販などでスケーラーが販売されていますが、
これを使って自身で行うこともおやめ頂いた方が良いかと思います。歯石取りは衛生士の技術によって成り立つ施術です。
道具があるからといって、誰でもできる治療でありませんので注意が必要です。
歯石除去は必ず歯科で行ないましょう。