診療448日目、「朝の歯磨きは食前・食後?」
2024年3月15日
「朝の歯磨きは食前・食後?」
毎日の正しい歯磨き習慣で腸内環境も改善する
<歯磨きは一日何回するのが良いの?
どれぐらいの時間が必要?
歯の健康にかかわる様々な疑問に専門家が回答する>

年を重ねても生き生きと過ごすにはどうすればいいか。
70歳を超えて元気に生きていくためには、食べる力を落とさないことが重要になります。
その際に重要性を強調したいのが食べ物の入り口である「口の中」でありそのケアです。
歯科医師の栗原丈徳さん、医師の栗原毅さんが書いた『70歳の壁を越える 食べる力』(エクスナレッジ)より紹介します――。
※本稿は、栗原毅、栗原丈徳『70歳の壁を越える 食べる力』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
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【歯科衛生士は歯みがきの先生】

現在は、歯科医院に行くと、口腔こうくうケアのプロフェッショナルである歯科衛生士が歯みがきのやり方を指導してくれます。
人によって歯並びや歯の状態が違っているので、自分ではきちんとみがいているつもりでも、実際にはプラークが取れていないことがあります。
歯科衛生士はそうしたみがき方の弱点を指摘し、みがけてない歯をきれいにするにはどういうふうに歯ブラシを当てればよいかなど、きめ細かなアドバイスをしてくれます。
ですから、これからまじめに歯周病予防のための歯みがきを始めようと思っている人は、一度、歯科衛生士に教わるのも一つの方法です。
歯科衛生士はその人の歯並びなどを考慮して、どんな歯ブラシを選べば効果的にみがけるのか、また後述する歯間ブラシのサイズや使い方などについても教えてくれます。
とくに歯の異常がなくて歯科医院に行くのであれば、本稿に歯科衛生士に歯みがきのやり方を教えてもらえると書いてあったので、一度歯を診てくれませんか? といえばよいでしょう。
【みがく順番はない。すべての歯をみがければいい】

食べかすが残りやすいのは、①歯の噛む面、②歯と歯の間、③歯と歯肉の間、の3つです。
②と③はプラークがこびりついて、歯周病菌が繁殖しやすいので、歯周病予防のためにしっかりみがく必要があります。
①はおもに奥歯のことで、ここに食べかすが残るとむし歯のリスクが上がるので、できれば歯みがきの最後に奥歯のかむ面もみがいたほうがよいでしょう。ただ歯周病予防のための優先順位としては②と③です。
みがく順番についてもよく聞かれます。みがく順番が書かれている本もありますが、別に順番はありません。
奥歯からみがいてもよいし、前歯からみがいても同じです。裏からみがいてもよいし、表からみがいてもかまいません。
大事なのはすべての歯をみがくということです。
そしてむし歯対策として、歯の噛む面も最後にみがくとよいと思います。歯の噛む面には溝があり、ここに食べかすがたまります。
歯も経年劣化をするので、溝が深くなっていれば、噛み合わせの問題も出てきます。噛み合わせが気になる人は、歯科医院で直してもらったほうがよいでしょう。
【就寝前は10分以上時間をかけてみがく】
1日3回といいたいところですが、大事なのは回数よりもタイミング、つまりいつみがくかということ。そして一番大事な時間帯は、寝る前です。
歯周病菌が夜寝ている間に繁殖しやすいのは、寝ているときに唾液の分泌が少なくなるからです。
唾液には殺菌作用があるので、唾液の分泌が盛んな日中は、歯周病菌は就寝時よりはおとなしくしています。
ですから、歯周病菌の温床となるプラークを寝る前にしっかり落として、歯周病菌の繁殖を抑えないといけません。
お酒を飲んだ後に歯みがきをするのは大変かもしれませんが、歯を失わないための一番重要な歯みがきは夜なので、舌みがきなどを含め10分以上時間をかけて、しっかりみがくようにしてください。
もう1つ大事な時間は、朝起きた直後の歯みがきです。
朝は必ず朝食後にみがいているという人がいますが、それよりも重要なのは、起床直後です。
朝起きた直後はまだ唾液の分泌が少ないので、口腔内環境が劣悪な状態になっています。
寝る前に歯をきちんとみがいていても、口腔内の歯周病菌がゼロになるわけではありません。口腔内には、歯周病菌が残っています。
この口腔内にいる歯周病菌を飲み込んでしまうと、胃を通過して腸にまで達し、腸内環境を破壊するともいわれています。






