診療398日目、乱れやすい年末年始は注意
2023年12月23日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
「歯間清掃」の習慣で血糖値は安定する…乱れやすい年末年始は注意
忙しくなる年末年始は、血糖コントロールが不安定になりやすい。寒さや仕事のストレスに加え、飲食の機会が増えて運動不足になるからだ。しかし、血糖コントロールが乱れる原因はそれだけじゃない。忙しさから日々の口腔ケアがおろそかになることも大きな原因となる。自由診療歯科医師で「八重洲歯科クリニック」(東京・京橋)の木村陽介院長に話を聞いた。
「口腔ケアというと、多くの人は歯磨きをイメージされると思います。しかし、加齢により唾液の成分や量が変わり、虫歯や歯周病になりやすくなる中高年は歯磨きだけでいいとは言えません。磨き残しが出るからです。とくに磨き残しが多い歯と歯の間はフロスや歯間ブラシを使って清潔に保たないと、歯が早くダメになるばかりでなく血糖コントロールが乱れることがわかっています。糖尿病の人は注意が必要です」
実際、今年5月の第66回日本糖尿病学会年次学術集会では、オーラルケアメーカーのサンスターと糖尿病治療を行う医療機関の共同研究が発表され、注目を集めた。通院中の2型糖尿病の患者を対象に、口腔衛生指標と24時間持続血糖測定器(CGM)を使った血糖管理指標との関係を分析したところ、口腔衛生状態の良い人は、直近2~3カ月の平均的な血糖値を示すHbA1cが良好であることが明らかになった。
研究は自分の歯が15本以上残っていて、2型糖尿病治療のため通院している104人が対象。歯数、1日の歯磨き回数、デンタルフロスや歯間ブラシなどの使用による歯間清掃頻度、歯科通院回数をアンケート。さらにHbA1c、空腹時血糖値、インスリン、高感度CRP(炎症や細胞破壊が起きると血中で増えるタンパク質のこと。炎症や感染症を調べるためのマーカーとして使われる)、IL-6(免疫応答や炎症調整で重要な働きをするサイトカイン)、TNF-α(腫瘍壊死因子)、MCP-1(単球走化性促進因子)、尿中アルブミン/クレアチニン比、CGMの血糖変動指標である「Time in Range」(CGMで測定した血糖が目標域に入った時間の割合を計算した値。糖尿病合併症の発症・進展や死亡率と関係するといわれる。以下TIR)などを調べ、その関係を分析した。
「この研究で注目したいのは、HbA1cや空腹時血糖だけでなく、歯間清掃習慣や歯の本数が、24時間の血糖変動の質の良さを示すTIRの数値と比例することが明らかになったことです。例えばTIRを基準にしてみた場合、週3回以上歯間清掃習慣がある人は、そうでない人に比べて有意に平均グルコースが低いことが明らかになっています。また、歯数が20本以上の人はそうでない人に比べてやはり有意に平均グルコースが低かったのです。さらに歯科通院回数はHbA1cや空腹時血糖値と負の相関関係にありました。つまり、歯間清掃習慣や歯科通院を通じた口腔ケア、歯数の維持は血糖コントロールに重要だ、ということです」
■毎食後のフロスや歯間ブラシは忘れずに
では、歯間清掃習慣とは具体的にどのようにすればいいのか?
「毎食後、デンタルフロスか歯間ブラシを使って歯と歯の間の食べかすを取り除くことが目的となります。デンタルフロスは歯と歯が接して隙間が狭い場合に使い、歯間ブラシは食べかすがたまりやすい歯と歯の隙間が広いときに使います。デンタルフロスは歯茎を傷つけないように歯と歯の間にゆっくり前後に動かしながら歯茎近くまで入れます。そこで歯の側面に沿う形で前後左右に動かして食べかすを取り除く。歯間ブラシは歯間の三角スポットにゆっくり差し入れ、前後に数回動かします。歯間清掃習慣は、正しく行うと、虫歯や歯周病、口臭の原因となる歯間部の歯垢の多くを除去できるといわれています」
もちろん、毎食後に歯間清掃をすれば、歯磨きは必要ない、というわけではない。理想は、歯間清掃後に歯磨きをすることだが、必ずしも全員が毎食後歯磨きできる環境にあるわけではない。
「その場合の歯磨きは就寝前と朝食後の2回にとどめ、毎食後や間食後は歯間清掃を行うといいでしょう」
今年は4年ぶりに新型コロナから解放された年末年始。毎食後、歯間清掃なんてやっている暇ないよ、という人もいるかもしれない。しかし、それはすべては自分のため。健康は後で取り戻せない、あなただけの財産だということを忘れてはいけない。






