診療378日目、なぜ丁寧に歯を磨いても「口臭」は消えないのか?01
2023年11月25日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
なぜ丁寧に歯を磨いても「口臭」は消えないのか?
歯科医が教える「本当の理由」
口臭がなくなれば、こんなメリットも
全国47都道府県4,700人を対象に口臭を測定した調査では、1日の歯磨き回数が3回以上の人の方が、2回以下の人より基準値が高いという結果となり、歯磨き回数だけでは口臭は解決しない事が明らかになりました。また7割が周りの人の口臭を我慢しながら仕事をし、約半数の女性はデート中に相手の口臭に悩む経験をしています。
マスクを外す生活に戻ってきた今、口臭対策は社会的にも人間関係においても、大切なエチケットと言えます。そこで、日本人の9割が気にしたことがある口臭に対しての効果的な対策をご紹介します。
歯磨きをしているのに口臭が消えない理由
口臭はお口が原因となる口臭と、全身の健康が原因となる口臭に大別されますが、前者が口臭の98.5%を占め、圧倒的に原因はお口の中にあると言えます。

お口が原因の口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」に分かれ、生理的口臭とは舌の表面の汚れが原因となる口臭です。病的口臭とは歯周病が原因の口臭で、その比率は3対7となっています。
生理的口臭は強かれ弱かれ基本的に誰にでもあり、舌表面が新陳代謝で剥がれた口腔粘膜などで汚れ、その下に生息した口臭菌によって排出された硫黄化合物が臭いをもたらします。
舌は体温で温かく、湿気があり、表面が汚れで覆われているので、口臭菌にとっては住み心地が良い環境です。「ゆで卵」のような臭いがするのが特徴で、舌の汚れにより口臭が強くなったり弱くなったりと変化します。
一方、歯周病が原因となる病的口臭は、歯周病の進行程度と臭いの強度は比例しますので、口臭の程度は歯周病の進行のバロメーターの一つになります。臭いの特徴は台所の三角コーナーのようで、歯周病が進行すると野菜が腐った時のように強く鼻を突く感じになります。
この臭いは歯周病菌が原因で出る「メチルメルカプタン」によるものですが、実はこの物質は日本の法律では「毒物」に指定されています。その毒性は「青酸ガス」に匹敵し、勝手に持ち運びは許されません。
そもそも歯周病菌の毒性はとても強く、歯周病菌の中でも最も毒性が強い菌(P.g.菌)が出す物質がメチルメルカプタンであり、歯ぐき組織破壊に最も強く関与していることが指摘されています。
このように口臭の原因のほとんどは舌の汚れか歯周病が原因なので、丁寧に歯磨きをしても効果的ではないというわけです。調査でも9割の人が口臭対策を行なっているにもかかわらず、その対策方法の多くが「歯磨き」だということが分かっています。
効果的な口臭対策ができていないのですから、口臭に対して「自信がある」という答えが、アメリカ68%、ドイツ79%に対して、日本ではわずか19%にしか過ぎないのも分かる気がします。
「舌チェック」をして汚れていたら舌ブラシを
生理的口臭は舌の表面の汚れに潜む口臭菌が原因の元ですから、舌をキレイにすると速やかに口臭もなくなります。

口臭の有無や程度は歯科医院では専門の測定器でチェックできる場合もありますが、簡単にセルフチェックする方法があります。
スーパーマーケットで買った物を詰め込むサッカー台に設置されている20cm×30cm程度の薄いビニール袋を準備して、袋の中に温かみが残るくらいにそうっと息を吐き出します。
袋がいっぱいになったら入り口を手で締めて、一度、鼻でゆっくり深呼吸をして、嗅覚をリセット。その後、温かみがある間に袋を少し開け、中の臭いを嗅いでください。
前述のように「ゆで卵」の臭いなら舌の表面の汚れが原因の生理的口臭で、「三角コーナー」なら歯周病が原因です。
しかし、口臭が自分の生活臭になっている時は、上記のように自分自身でチェックするのは容易でないかもしれません。特に生理的口臭は病的口臭に比較して臭いが弱いので、判別が難しいことも少なくありません。その場合は舌をチェックしてみてください。
鏡の前で口を大きく開けて舌を前に出して、舌表面の色を観察します。舌表面の色が紅色で均一の場合は、舌はキレイと判断できます。しかし表面が白く濁ったり、褐色から黒色になったりしていると、舌は汚れています。
舌の中央部だけの色が変化していれば軽度ですが、全体的に変化が見られる場合は汚れが進んでいます。舌の先端より喉の奥側の方が汚れている場合が多いので、舌の根元までしっかりチェックしてください。
舌の汚れは、ドラッグストアで販売している舌ブラシを使うことでキレイになります。個人的には、表面がスポンジ状のものよりブラシ状のもののほうが、しっかりと清掃できるのでオススメです。
時々、歯ブラシで代用する方もいますが、これはオススメできません。歯ブラシは硬い歯を磨くようにデザインされているので、歯ブラシで舌を擦っても効果的にキレイにできませんし、かえって舌を傷つける可能性があるからです。
舌の清掃をする時は、舌を大きく出して、舌ブラシを舌表面の根元から先端に向けて、一方向に拭うように擦ってください。反対側に舌ブラシを動かしてしまうと、清掃効率が悪いだけでなく、細菌を含んだ汚れを飲み込む可能性がありますからやめましょう。
一度に3~5回程度、表面を擦って、1日に1~2回程度繰り返すと、汚れは取れてキレイな舌になります。もし、一度で完全にキレイにならなくても、回数を重ねることで、徐々にキレイになってきます。






