診療305日目、舌がんは「舌を切らない手術」で治す!
2023年8月3日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
若い世代でも発症するのが舌がんです。20~30代の患者もいらっしゃいます。
治療の中心は手術で、切除の程度によっては、「話す」「食べる」「味わう」といった舌の機能が損なわれることがあります。

舌がんといえば、2019年にステージ4の舌がんを公表した歌手の堀ちえみさんを思い浮かべる人もいるかもしれません。堀さんは手術で舌の6割近くを切除したといいます。
当時、来院される患者様から「舌がんになっていないか?その可能性はないか?」と心配のお声が増えました。
一方、舌がんの治療には「舌を切らない」という選択肢もあります。
30年以上前から「選択的動注併用放射線療法」を行っているのが不破信和医師(現在、「中部国際医療センター陽子線がん治療センター」施設長)です。
30代の料理人は2018年にステージ4の舌がんと診断され、手術では全摘に近くなる可能性があると言われました。インターネットで不破医師を知り、選択的動注併用放射線療法を受けました。現在再発はなく、味覚はそのままに、料理人としての仕事を継続してます。
動注療法自体は古くから行われていますが、不破医師が行う方法には特徴があります。
「動注療法の大半は、太ももの大腿動脈からカテーテルを挿入し目的動脈に到達させます。
しかし舌がんの場合、この方法では脳に流れる太い血管を通るため脳梗塞を起こすリスクが2~3%程度ある。
そこで私は耳の前の浅側頭動脈からカテーテルを挿入します。脳梗塞のリスクは非常に低くなります」(不破医師=以下同)
浅側頭動脈からカテーテルを挿入する方法の問題点は、選択できる動脈がひとつだけという点です。
進行がんでは複数の動脈から栄養されていることが多く、そうなると別のアプローチとなり、治療効果にばらつきが出ます。
2022年に不破医師らが発表した論文では、伊勢赤十字病院で「ECAS」で治療をした
進行舌がん患者31人(ステージ4が84%)のうち、3年生存率81.6%。
3年間、再発やほかの病気がなく生存している期間(無病生存率)は74.2%でした。
「対象者が少ないものの、ステージ4が8割を占める中、3年生存率が81.6%はかなり好成績。
手術をした場合の治療成績と比較しても、同等またはそれ以上の結果だと言えます」
どう人生を過ごしたいかで、治療の選択は変わります。
舌がんの治療は手術だけではないことを覚えておきましょう。







