診療303日目、歯周病原因菌が子宮内膜炎の発症を誘導する可能性
2023年7月31日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
今日は、歯周病菌の研究最前線のお話です。
歯周病と子宮内膜症の関係についてです。
名古屋大学は6月15日、子宮内膜症の発症を促す細菌「フソバクテリウム(Fusobacterium))」
を同定し、抗生剤治療が子宮内膜症の非ホルモン性新規治療薬となる可能性について発表されました。

この研究は、名古屋大学院医学系研究科腫瘍生物学分野の近藤豊教授と同大医学部附属病院産婦人科の
村岡彩子助教、梶山広明教授、同大大学院医学系研究科神経遺伝情報学分野の大野欽司教授らによるものです。
研究成果は、Science Translational Medicine に掲載されました。
子宮内膜症は、生殖年齢女性の約10%が罹患し、生涯に渡り骨盤痛や不妊症、癌化など
さまざまな問題を引き起こす疾患です。その発症メカニズムは、研究段階において「月経血の逆流」が一要素として考えられています。
そのため、現時点での子宮内膜症の治療方法は、ホルモン剤内服による偽閉経療法や
手術療法による病巣切除であり、どちらも薬剤の副作用と術後の高い再発率などが問題となっています。
また、どちらの治療方法も妊娠に与える影響が大きく、妊娠を希望する女性にとって安全に使用できる
非ホルモン性の新規治療戦略が切望されています。
そこで今回の研究グループは、子宮内膜症の発症メカニズムを解明し、妊娠を希望する女性にも
使用可能な新しい治療方法を見つけることを目的としました。

(まとめ)
・子宮内膜症は、生殖年齢女性の約10%が罹患しますが、その疾患発症メカニズムはいまだ研究段階です。
・これまで無菌状態と考えられていた子宮内に、有意に発現の多いFusobacterium(歯周病の原因菌) が発見されました。
・口腔内の常在菌で、歯周病の原因菌であるFusobacterium が、子宮内膜症の発症を誘導している可能性が示唆され始めました。
Fusobacterium が子宮内膜微小環境を変化させることによって、子宮内膜線維芽細胞が
TAGLN高発現の筋線維芽細胞へ変化し、それが子宮内膜症の発症メカニズムの一要素であることを発見しました。
このことから、抗生剤治療は、子宮内膜症患者にとって病態発症メカニズムに即した
非ホルモン性剤として、新規治療戦略となる可能性が示唆されました。
研究に注目するとともに、やはり歯の定期検診、人間ドックなど全身の定期的な健康状態チェックが大切ですね!






