診療560日目、やっぱり 野菜を食べよう!
2024年8月29日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
ブログ担当のパソコンがなが〜〜〜い入院生活から
帰ってまいりました😭😭😭
再び、無理せず更新していきます!
・・・さて、切り替えていきましょう!
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野菜に含まれる硝酸塩が、プラークの酸産生を抑制することが判明
(東北大学)
こちらのニュースをシャアします🤝
主に葉物野菜等に含まれる「硝酸塩」とは?
硝酸塩は食品中、特に葉物野菜などの野菜に多く含まれており、私たちが日々の食事から常に摂取している成分の一つ。
摂取された硝酸塩は、消化管から速やかに体内に吸収され、血液を介して全身の組織を循環し、その一部が唾液腺で濃縮され、口腔内に再び唾液成分として分泌される。そのため、口腔内には硝酸塩が常に存在していることになる。
今回の研究グループの先行研究では、硝酸塩は、Veillonella・Actinomyces・Rothia・Neisseria・Schaalia などの広範な口腔常在菌によって亜硝酸塩に代謝されること(Sci Rep, 2020)、そして Veillonella 属を用いた基礎研究では、硝酸塩の豊富な培地で育てた場合に亜硝酸塩産生能が高まること(Appl EnvironmentMicrobiol, 2020)が報告されている。
また、亜硝酸塩は抗菌作用に加え、血圧降下作用を有することが報告されている。口腔細菌により産生された亜硝酸塩が、他の口腔細菌に対して抑制的に働き、全身を巡って血圧を制御することで、う蝕などの細菌性口腔疾患や、脳または心臓などの循環器疾患を予防し、口腔さらには全身の健康維持に寄与する可能性に注目が集まっている。
しかし、実際のプラークに対する亜硝酸塩産生活性や酸産生(pH低下)抑制作用に対する硝酸塩の影響は不明であった。また近年では、口腔細菌が亜硝酸塩をさらに分解する活性をもつことも示唆されており、プラークによる硝酸塩代謝は、亜硝酸塩の産生と分解の双方を考慮することが必要であると考えられる。
そこで今回の研究では、実際のプラークを対象として、亜硝酸塩産生・分解活性を測定し、これらの活性と酸産生活性との関係性を合わせて明らかにすることで、プラークにおける硝酸塩/亜硝酸塩の動態と機能を検討した。
硝酸塩を添加したプラークは、酸産生によるpH低下を有意に抑制
研究では、一般歯科医院を受診した18名の患者の上顎臼歯部から採取したプラーク試料に、口腔と同程度の濃度の硝酸塩および亜硝酸塩を添加し、さらにグルコースを添加した際のpH変化を測定。亜硝酸産生活性および亜硝酸分解活性は、Griess試薬を用いて亜硝酸塩の増減を測定することにより評価した。
その結果、硝酸塩の添加はプラークの内因性酸産生によるpH低下を有意に抑制し(p<0.0001)、さらに、グルコース添加後の酸産生に伴うpH低下も有意に抑制した(p<0.02)。また、グルコース存在下では、プラーク中の硝酸塩代謝(亜硝酸塩産生)活性が約3.3倍(p<0.002)に促進された。
一方、亜硝酸塩の添加は内因性酸産生によるpH低下を有意に抑制したものの(p<0.0002)、グルコース添加後の酸産生に伴うpH低下は抑制しなかった。また、グルコース存在下では、亜硝酸塩分解活性が有意に促進されたが(p<0.05)、その促進効果は約1.1倍で、亜硝酸塩産生活性と比べて、はるかに弱いものであった。
また、採取した全プラーク試料において、亜硝酸産生活性と分解活性が確認されたが、いずれも個人差が大きく、両者間に相関は認められなかった。ただし、亜硝酸塩産生活性は年齢と正の相関がみられた。
今回の研究により、口腔内のプラークでは硝酸塩から亜硝酸塩が産生され、糖代謝に伴うpH低下活性が阻害されることが明らかとなり、硝酸塩がう蝕予防に寄与する可能性が示された。さらに亜硝酸塩産生活性は、グルコース存在下で亢進することが明らかとなり、糖代謝による過剰な酸産生を防ぐ自己調節機構として機能している可能性も示唆された。
この結果は、日々の食事に含まれる硝酸塩やそれを多く含む野菜を用いて、新たなう蝕予防方法として開発に貢献できる可能性があり、その実現が期待される。
今後は、口腔細菌のより効果的な亜硝酸塩産生条件の模索や、細菌群との最適な共生のあり方などを含め、さらなる研究が進められる予定とのこと。患者が取り入れやすく、尚且つう蝕予防だけでなく全身の健康にも寄与しうる予防方法の開発が進むことを心から願う。
少々難しいお話ですが、
サクッとまとめると「やっぱり野菜は健康にいい栄養素が多いからたくさん食べよう!」と
なるのではないでしょうか。
食べて健康に!そのためにも健康な口腔内を保ちましょう!