診療905日目、口をやけどしたら、まず何をする?
2026年2月12日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
「あちちっ!」
口をやけどしたら、まず何をする?
子どもの猫舌対策と、家庭でできる口のやけど予防ポイント
温かいスープや出来立ての料理を口に入れた瞬間、
「あちちっ!」と慌てた経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
特に子どもは、大人よりも口の中がデリケートなため、
ちょっとした油断が口のやけど(熱傷)につながることがあります。
今回は、
- 口のやけどとは何か
- やけどの重症度と見分け方
- もしものときの正しい対処法
- 子どもの「猫舌」はどうして起こるのか
- 家庭でできる予防の工夫
を、医学的な視点を交えながら、日常に落とし込める形で解説します。
火傷(やけど)とは?
実は「熱傷」という医学用語です。
やけどは、医学的には熱傷(ねっしょう)と呼ばれます。

炎や熱湯だけでなく、高温の食べ物・飲み物によって皮膚や粘膜が損傷する外傷の総称です。
やけどにはさまざまな種類があり、
- 電気による電撃傷
- 化学物質による化学熱傷
- 低温による凍傷
なども広い意味では熱傷に含まれます。
口の中の場合、歯ぐき・舌・頬の内側・上あごなどは粘膜で覆われているため、
口のやけどは「粘膜熱傷」と考えてよいでしょう。口唇(くちびる)は皮膚と粘膜の両方を含む、少し特殊な部位です。
やけどの重症度は「深さ」で分けられます

やけどは、損傷の深さ・範囲・部位を総合的に評価しますが、一般的には以下の3段階に分類されます。
・Ⅰ度熱傷
表皮のみが損傷し、赤く腫れてヒリヒリする状態です。
日焼けや軽いやけどがこれにあたります。
流水で冷やすことで、痛みが落ち着くことがほとんどです。
・Ⅱ度熱傷
真皮まで損傷が及び、水ぶくれ(※水疱)ができたり、皮がむけたりします。
水ぶくれが破れると細菌感染のリスクが高まるため、注意が必要です。
・Ⅲ度熱傷
皮膚や粘膜の全層が損傷し、皮下組織まで達した状態です。
この場合は家庭対応ではなく、速やかに医療機関を受診してください。
口のやけどは何℃から起こる?
口の中は意外と熱に強く、約60℃前後までは耐えられるとされています。
しかし、70℃を超えると熱傷のリスクが急激に上昇します。

特にやけどしやすい部位は、
- 上あご(口蓋)
- 舌の先
- 舌の裏
- 頬の内側
- 口唇
などです。
症状としては、
- ヒリヒリした痛み
- 赤み
- ざらつき
- 皮むけ
- 水ぶくれ
- 一時的な味覚低下
などが見られます。
口のやけどは治りやすい?その理由とは
口の中は比較的治りが早いと言われます。その理由は唾液にあります。
唾液には、
- 粘膜を保護する作用
- 抗菌作用
- 抗炎症作用
- 組織修復を助ける成長因子
といったように様々な作用が含まれています。
以下の画像をご覧ください。

もちろん歯にとってもとても大切な役割を果たしていると
何度かブログでも取り上げましたね。

軽症であれば、数日〜2週間程度で自然に治癒するケースが多いですが、
- 痛みが強い
- 食事が取れない
症状が長引く場合は、歯科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、ホームケアとしてマッサージもオススメですよ!

見逃してはいけない「のどのやけど」
注意したいのが、喉頭熱傷です。

2013年にアメリカで報告された研究では、小児の口内熱傷75例のうち、
約15%でのどまでやけどが及び、その多くが重症化しました。
とろみのあるスープ、溶けたチーズ、おもちなどは、喉に張り付きやすく危険です。
子どもが急に咳き込む、声がかすれる、呼吸が苦しそうな場合は、すぐに医療機関へ。
口のやけどをしたら、家庭でできる正しい対処法
基本は「冷やす」ことです。
- 口の中に残った食べ物を取り除く
- 冷水でやさしくうがいをする
- 患部を舌や指で触らない
- 口腔内を清潔に保つ
- 歯磨きは刺激を避け、歯磨剤は少なめに
痛みが強い場合は、医師・薬剤師に相談のうえ鎮痛薬を使用しても構いません。
食事は、
- 熱いもの
- 辛いもの
- 酸っぱいもの
を避け、プリンやゼリーなど口当たりのよい食品がおすすめです。
なぜ子どもは「猫舌」になりやすいの?
「猫舌」は病気ではありません。
東海大学の研究では、MRIを用いて猫舌の人とそうでない人の舌の動きを比較しました。
その結果、
- 非猫舌の人:舌を奥に引いて飲み物を溜める
- 猫舌の人:舌先で直接熱いものに触れてしまう
という違いが明らかになりました。
つまり、食べ方の習慣が大きく影響しているのです。
子どもの猫舌は「練習」で改善できる?
可能性はあります。
英語の「R」の発音のように舌を奥に引く動きを意識することで、熱を逃がしやすくなります。
親が猫舌だと、子どもも熱いものを避けがちになります。
無理のない範囲で、少しずつ温かい食べ物に慣れさせることが大切です。
家庭でできる、口のやけど予防ポイント
- 口唇や舌先で温度を確認する
- 子どもは特に注意する
- 食事中は目を離さない
- アツアツは一呼吸おく
- 金属製スプーンを避ける
金属は熱伝導率が高く、プラスチックや陶器に比べて熱が伝わりやすい素材です。
口のやけどは、少しの工夫で防げます。
正しい知識を知っておくことで、家族みんなが安心して食事を楽しめます。
温かい料理を、笑顔で囲める時間を大切にしてください。






