診療444日目、多くの子どもがブラッシングに興味がありませんその2
2024年3月9日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
では実際に他院で行われているTBI(歯ブラシ指導)をご紹介します。
栗林歯科医院の小児TBIプログラムとは?
では、実際に栗林歯科医院で行っているTBI(歯ブラシ指導)について説明していきます。

はみがきチェックシート
栗林歯科医院では、上記のような「はみがきチェックシート」を用意し、プログラムを「ブラッシングの順番」「歯ブラシのあて方」「デンタルフロスの使用方法」の3つに分類し、TBIを行っています。
また、冊子を渡す前には、糖の摂取の仕方やフッ化物配合歯磨剤の使用方法について、クイズ形式で保護者と子どもの両名にスライドを用いて説明を行います。
そして、実際に指導を行う際には以下の7つのポイントを意識しながらTBIを行います。
TBIの7つのポイント
1. 7〜8歳の発育レベルから開始する2)
2. スモールステップにて複数回に分けて何度も行う
3. 一度にたくさんの情報を伝えない、複雑なことを求めない
4. 保護者に必ず同席してもらい、保護者にも理解してもらう
5. 見返せるようなシステムにする(冊子を渡す)
6. 糖の摂取の仕方やフッ化物応用について、TBI毎に何度も説明する
7. 時間をかけない(30分以内)で終わらせる
では詳しく解説していきます。
1回目:ブラッシングの順番を覚える
歯ブラシのあて方など細かい内容については簡単に説明し、まずは順番を覚えることだけに集中して指導をします。子どもたちにはわかりやすいように、右から始まり、右で終わる、ゴールとスタートが同じになるように一筆書きで磨くように説明します。

ブラッシングの順番を学ぶシート
2回目:歯ブラシのあて方を覚える
順番を覚えたら、次は各歯面に対しての歯ブラシのあて方を説明します。子どもによってはまだ微細運動(指の感覚)が発達しておらず、上手にブラッシングできない子がいるので、子どもの発達をみながら指導していきます。

歯ブラシのあて方を学ぶシート
3回目:デンタルフロスの使用方法を覚える
最後にデンタルフロスのやり方を説明します。デンタルフロスについては技術によって有効性が変化し、特に子どもが行うデンタルフロスの使用方法では、う蝕の予防効果は低い可能性が示唆3)されています。
よって、大事なのは「やる習慣をつけさせること」です。中にはデンタルフロスはむずかしくてできない子もいますので、その子の発育レベルをみながら指導の内容を決めていきます。

デンタルフロスの使用方法を学ぶシート
このように3回に分けてスモールステップにて指導を行います。また、項目ごとに復習しやすいよう、すべての項目にQRコードをつけ、指導の様子を動画で見られるようにしています。
子どもの中には微細運動が苦手で細かく動かせない子や、発育の面から順番が覚えられない子もいますが、決して子どもに完璧なプラークコントロールを求めてはいけません。ブラッシングはとても繊細な動きで、子どもにとってはいきなり白紙を渡されて「目の前の物を完璧に模写しなさい」と言われているようなものです。
大切なのは定期検診ごとに手の動きの発達を確認しながら、「将来的にPCRを20%以下にする」などの長期目標を定め、達成を目指すことです。
また、TBIは必ず保護者同伴で行います。小児のTBIはブラッシング指導だけではありません。保護者と子どもに口と健康について学んでもらう場でもあります。子どもだけでなく、保護者にも糖の摂取の仕方やフッ化物配合歯磨剤の使い方などを理解してもらうことが重要になります。
また、子どもにも目標を持って頑張ってもらう必要がありますので、チェックシートに記入するようにしてもらいます。「チェックシートはちょっと…面倒だし、結局捨てられそうです…」と言われることもありますが、習慣化の重要性を説明し、3ヶ月頑張れば一生のブラッシング習慣になることを伝えると、頑張ってやってきてもらえます。
しかし、残念ながらシートを記載しない保護者もいます。このようなケースでは保護者の口腔内への関心は低く、子どもに基本的生活習慣を身につけさせることができない場合が多いので、今後、子どものう蝕リスクも高くなる傾向があります。
シートの記入の有無がう蝕リスクをはかる一つの指標になるのではないでしょうか。

頑張ってシートを記入した女児の1例(9歳)
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成人のTBIについてはさまざまな本や雑誌で紹介されていますが、小児のTBIについては目にする機会が少ないように感じます。
本記事を通して、子どものブラッシング習慣の必要性を知ってもらうことにより、子どもたちの輝く未来と笑顔のために少しでもお役に立てれば幸いです。







