診療695日目、「100均」グッズで子どもの虫歯を防ぐ方法とは?
2025年3月10日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
「100均」グッズで子どもの虫歯を防ぐ方法とは?
一般的に子どもの虫歯は親の責任と言われています。
お子さんをお持ちの親御さんはお気付きでしょうが、小さいのからだのお子さんたちは、
細かい動きは苦手な子が多いのです。
わが子を思って夢中で歯磨きをしている親御さんも少なくないと思いますが、
実は子どもが3~4歳になったら、歯ブラシに歯磨き剤をつけて磨いているだけでは駄目なのです。
もう1つ別の道具を追加する必要があるとご存じでしたか?
しかもその道具は、身近な「100均」でも売っているとの話です。
今回は富山県の小矢部市にある歯科クリニックで、予約が取れないくらい評判の渡辺歯科医院の院長・渡辺智良先生のお話を参考に、3~4歳の虫歯予防に大切なデンタルケアのグッズをご紹介していきます!

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子どもが3~4歳になると奥歯と奥歯の間に虫歯が増える心配も

子どもの歯磨きは、基本的に親のやり方と一緒になるはずです。
保護者である皆さんは、普段何を使って歯磨きをしていますか?
恐らくほとんどの方が歯ブラシと歯磨き剤(粉)を使って、歯を奇麗にしていると思います。
しかし、この磨き方では不十分だとご存じでしょうか。
例えば2014年にライオンが発表した
『日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査 Vol.2』によると、
日本人でデンタルフロスを使っている人の割合は19.4%。一方でアメリカでは60.2%、
スウェーデンでは51.3%となっています。

親が使っていなければ、子どもにだけデンタルフロスを使うとは考えにくいです。
このデンタルフロスこそが、3~4歳の子どもの虫歯を防ぐ上で、とても大切になってくるのですね。
そもそもデンタルフロスとは、<歯間の歯垢(しこう)を取るのに使う絹などの糸
(小学館『大辞泉』より引用)と書かれています。歯ブラシが歯の表面を奇麗にする道具だとすれば、
デンタルフロスは歯と歯の間を奇麗にする道具になります。
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渡辺智良先生によると、乳歯は年齢によって虫歯の多発する部位が異なるそうで、
「3~4歳からは、歯と歯の間の虫歯が増えます」との話でした。

朝夜と忙しい中で子どもを追いまわし、
時間をかけて歯ブラシで磨いても、歯と歯の間までは物理的に磨けません。
歯と歯の間の虫歯は見えにくい分だけ、自覚症状が出るころにはだいぶ悪化して見つかるケースも多いと言います。
治療でも大きく削らなければいけない場面も、少なくありません。
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デンタルフロスの上手な使い方

3~4歳の子どもの虫歯を防ぐデンタルフロスとは、どのように、どのようなタイミングで
使えばいいかご説明していきます。デンタルフロスの選び方について聞くと、
「フロスは柄のついたタイプが販売されています。
まずは「100均」など、どこででも構いませんから購入してください」。
先ほど掲載した写真でも分かる通り、デンタルフロスは細い糸でできています。
その糸を自分の指に巻きつけて使うのですが、柄がついたスティックの先端に糸が張ってある商品も販売されています。
指に巻きつけて使うタイプのデンタルフロスは、大人の指を2本、
子どもの口に突っ込みながら歯と歯の間を掃除しなければなりません。

子どもは息苦しくて、嫌がる場面も出てくると思われます。柄のついたタイプであれば、
子どもの小さな口の中でも自由に動かせますから、ハードルはグッと下がります。
「歯と歯の間に入れて、歯に沿わすようにゴシゴシ磨いてください」。
歯と歯の間には、食べ残しや歯垢(しこう)があります。

<口の中に食べ物のかすが残っていると、むし歯菌はその糖分を分解し、
ねばねばした物質をつくって、歯の表面に張りつきます。これが歯垢(プラーク)です>
(小学館『キッズ・メディカ安心百科 子ども医学館』より引用)
とあるように、食べ残しと歯垢は深い関係にある様子。
引用文にある「ねばねばの物質」をバイオフィルムと呼び、その中に虫歯菌が隠れています。
そのフィルムを破壊して中に潜んでいる菌を殺すために、歯磨き粉(研磨剤が入っている)はそもそも存在しているのですね。
デンタルフロスも一緒で、歯と歯の間に糸を入れるときは、
歯磨き粉が口の中に残っている状態の方が好ましいです。
その意味では、歯ブラシで歯磨きをした流れで、一緒にデンタルフロスを使って
歯と歯の間を掃除してあげればいいのですね。
親がデンタルフロスを使う習慣を持つと、子どもも自然に受け入れるケースが多いと言います。
子どもに怖い思い、痛い思いをさせないためにも、今日から早速デンタルフロス習慣を家族でスタートしたいですね。
診療693日目、乳歯の虫歯、歯ブラシ、フロスの仕方を解説!
2025年3月7日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
治療する?抜歯しない?
乳歯の虫歯、歯ブラシ、フロスの仕方を解説します!
虫歯になりやすい乳歯を虫歯から守るには?

子どもの虫歯はできるだけ防ぎたいもの。とはいえ、仕上げみがきをしようにもなかなかじっとしていられない子どもにしっかりと歯磨きをするのは至難のワザで、結局乳歯のうちに虫歯ができてしまった、と悩んでいるママは多いのではないでしょうか。
虫歯になりやすいのは乳歯の奥歯

乳歯の虫歯は主にこの2パターンによるもの。主に奥歯の噛む面にある裂溝(れっこう)と呼ばれる溝から進む場合と、歯と歯の間の接している面の隣接面から進む場合のものになります。
溝は、形が複雑で食べ物が詰まりやすく、磨き残しが多いところから、ザラつき始め、やがて穴が空いてしまいます。また、子どもの歯は大人の歯よりも小さく、神経の入っている部屋が大きいため、小さな虫歯でも神経が出てきてしまうことが多いです。
さらに、歯の硬さも大人の歯よりも柔らかく、隣の歯との接触面積が大きいため、虫歯が進みやすいという特徴が。子どもの歯に変色や穴などの変形が認められたら、自己判断せず、痛みが出る前に歯医者に行くようにしましょう。
虫歯なのに治療をしない? 乳歯の治療の基本的な流れ
乳歯の初期虫歯の場合は、フッ素を塗って歯の再石灰化を促す治療が基本です。また、低年齢でも経過観察後に3歳ごろから治療を開始していきます。虫歯が進行している場合は、神経を抜く場合もあります。
ちなみに、低年齢(3歳以下)で治療ができない場合は、定期的に検診をしながら経過をみていきます。
抜歯になるのはどんなとき?

乳歯を抜歯するケースは二通りあり、1つ目は、乳歯がなかなか抜けずに残ってしまったとき。もう1つは、大人の歯に悪い影響を及ぼしそうなときです。
具体的に言うと、虫歯が大き過ぎて子供の歯の根の先端に大きな膿の袋が出来てしまい、永久歯の根っこと一体化してしまった場合。永久歯を守るため乳歯を早めに抜いてしまうことがあります。
乳歯の虫歯を進行させない! 気を付けたいのはこの3つ
わが子の乳歯が虫歯になってしまったという方の多くは、毎日の歯みがきをがんばっていたと言います。それなのになぜ虫歯になってしまうのでしょうか? そこには食生活が関わっていました。歯みがきだけでは防ぎきれない子どもの虫歯、気を付けることはいったいどんなことなのでしょうか。
糖質の摂りすぎが虫歯を加速
子どもの虫歯と糖質の多いおやつの摂取は、密接な関係があります。治療をしていて親御さんに話しを聞いてみると、ジュースや甘いおやつを日常的に食べているお子さんは、必ずと言っていいほど虫歯があります。
虫歯菌は、白米、パン、ジュース、お菓子に含まれる糖質をエサにしてどんどん繁殖していきます。糖分が口の中にある間は虫歯菌が酸性の物質を作り出し、歯のエナメル質を溶かすことで虫歯ができやすい環境に。そして、食べ物がなくなるとアルカリ性になり、歯の再石灰化が起こります。
しかし、1日に数回に分けて糖質の多い食品を摂ると、口の中の酸性状態が続くため、再石灰化が遅れて虫歯になるのです。
おやつのダラダラ食べはNG

そこで、おやつを食べる時は、朝の10時と午後3時など、時間を決めましょう。また、食べたら、できるだけ歯磨きやうがいをする習慣をつけることが大切です。
ちなみにアメやガムなど長く口の中に入っているものや、グミやキャラメルなど歯にくっつきやすいものはできるだけ避けるようにしましょう。
歯ブラシよりもフロスを優先
虫歯予防で特に大事なのが、歯磨きです。お子さんに磨かせたら必ず親御さんが仕上げ磨きをしましょう。特に歯と歯の間がくっついているお子さんや、永久歯が生えてきたお子さんは、歯ブラシでだけでは歯間の汚れを取ることができないので、デンタルフロスを併用することが必須です。もし時間がない場合は、フロスだけでも使うことをオススメします。
診療690日目、妊娠で高まる口内リスク
2025年3月3日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
妊娠で高まる口内リスク
~専門家は歯科健診呼び掛け~
妊娠した女性は歯科受診をためらうケースが少なくありません。
診療の途中で具合が悪くなる心配があるほか、エックス線の照射や麻酔の使用などが
胎児に何らかの悪影響を及ぼしかねないと懸念するからです。
これに対し、専門家は胎児にはほぼ影響しないと説明しています。妊娠するとホルモンのバランスが変化し、
虫歯や歯周病などのリスクが高まるとした上で、つわりが落ち着く安定期に歯科健診を受けるよう推奨しています。
お住まいの市町村から「妊産婦検診」のご案内がされるかと思いますので、
そういった機会も活用しましょう。

残念ながら、当院では豊島区の妊産婦検診は受診できませんので、
お気をつけください。
◇エックス線、麻酔、飲み薬を不安視
日本歯科大学の鈴木麻美准教授によると、妊娠期は「口の中も大きな変化が起こっています」。
歯茎からの出血や唾液の減少、口内の粘つき、口臭といった症状が表れやすく、こうした状態が
続くと虫歯や歯肉炎、歯周炎になる危険性が高くなります。
発症すると、場合によっては低体重児出産や早産につながる恐れもあるという。

一方、妊婦はいろいろな面で神経質になりがちでしょう。
胎児を大事にしようと意識するあまり、歯科診療についても過度に不安視するケースが見られます。
例えば、日本歯科大付属病院のマタニティ歯科外来を訪れた患者の間では、診療中に具合が
悪くなったり、エックス線撮影や麻酔・飲み薬が胎児・授乳に影響したりすることへの危惧が聞かれました。
不安な気持ちがあると、必要な診療から遠ざかる事態になりかねません。
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◇産科医と連携し安全確保
こうした懸念に対し、鈴木准教授は「一番に心掛けているのは妊婦の不安を取り除くこと。産科医と連携し、歯科治療ができる状態か、使える薬は何かなどを聞きながら治療を進める」と安全性を強調する。アレルギーなど個々人の体質も考慮し、麻酔・飲み薬にどの薬剤を使うかを選択する。しかも、使用は必要最小限にとどめるとしている。
エックス線撮影に関しては「写真から得られる情報は非常に重要だ」とした上で、胎児への影響はほとんどないと説明する。鈴木准教授によると、特定の歯を調べるための局所的な「デンタル撮影」の被ばく線量は約0.01ミリシーベルトで、国内の普通の生活で浴びる1年間の放射線量(平均1.5ミリシーベルト)の150分の1程度。すべての歯を写す「パノラマ撮影」でも約0.03ミリシーベルトで、50分の1にすぎない。さらに、撮影時には放射線を遮る防護エプロンを使用するため、「被ばく量は非常に少量で、安全と考えていい」と話す。
◇出産後は多忙、安定期に受診を
妊婦の健診実態はどうなっているのだろうか。厚生労働省がまとめた2019年度の地域保健・健康増進報告によると、受診率は35.2%と低調。ライオンの2023年調査では、受診しない理由として「つわりなどで体調が悪かった」「普段から治療以外で歯科医院に行く習慣がない」「虫歯などの不具合がない」と回答した割合が高かった。
ライオン歯科衛生研究所の歯科衛生士、久保田好美さんは「妊娠中に歯科を受診するハードルが高いと感じる人もいるかもしれない」と述べた上で、受診を促す方策として①体調が落ち着く安定期(妊娠5か月ごろ)になったら早めに受診する②妊娠前から歯科で予防処置を受ける習慣を付ける③口内の変化に気付いていない可能性があるため、不具合がなくても受診し確認してもらう―などを挙げている。エックス線や麻酔、薬への不安に関しても「歯科医院では妊娠を考慮しながら診てくれるので、迷っている人はぜひ受診してほしい」と力を込める。
久保田さんが妊娠中の受診を勧めるのは、出産後の多忙な生活も理由の一つだ。ある女性はおおむね2時間おきに授乳やおむつを取り換えるなど、昼夜を問わず育児に追われていたという。そうなると歯科医院へ足を運びづらくなるため、「自分の時間が取りやすい妊娠中に受診しておくことが大切だ」と話している。
◇かかりつけ医を持とう
ライオンの調査では、歯科を受診した妊婦の合わせて7割が「非常に満足」「やや満足」と回答。具体的には「虫歯が見つかり治療できた」「安心して出産を迎えられた」「歯科医に丁寧に診てもらえた」などと評価する声があった。受診をめぐる不安が解消されれば歯科健診を受けたいと考える人は多い。
鈴木准教授は、妊娠期の歯科健診の利点に関し「口腔内の疾患の早期診断・対応につながり、重症化を避けられる」と力説。併せて、生まれてくる子どもについても医師にさまざまな質問ができるとし、「歯が生える時期や虫歯予防、歯磨きの方法などをぜひ聞いてほしい」と呼び掛ける。その上で、「理想は普段からの定期的な歯科健診。自分だけでなく、赤ちゃんや家族に関して相談できる『かかりつけ医』を持つことが非常に大事だ」と付け加えた。

診療689日目、笑わない人は歯の寿命が短い!?
2025年3月2日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
笑わない人は歯の寿命が短い!?
歯医者で使われる「笑気麻酔」とは?
「笑う門には福来たる」と言いますが、“福”には歯の健康も含まれることが近年明らかにされてきました。今回は、笑いと歯や口の健康との関係性について論じます。
笑いと健康には密接な関係がある

「笑いは百薬の長」と言われるように、笑いやユーモアが全身的な健康にとって効果的であることは古くから知られています。
2020年に山形大学医学部のグループが報告した研究では、40歳以上の約17000人の健診データを分析し、ほとんど笑わない人はよく笑う人に比べて死亡率が約2倍高く、脳卒中など心血管疾患の発症率も統計学的に有意に高くなることを明らかにしました。
近年は世界中でさまざまな角度から研究が進んでおり、笑いがストレスを軽減して全身的な免疫力を高めたり、自律神経のバランスを整えたりするという科学的メカニズムが明らかにされてきています。
それに伴い、健康維持や増進のために日々の生活の中で笑いを取り入れる取り組みも各地で行われています。
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笑いと歯の関係
では、口の健康に対する笑いの効果はあるのでしょうか?
そもそも笑いと口は密接な関係にあり、“白い歯がこぼれる笑顔”という表現があるように、キレイな歯は笑顔をより引き立てる大きな役割を果たします。
しかし、特に前歯に黒い虫歯や歯の欠損があると見た目に悪影響が出るため、人前で口を開けて笑えなかったり、会話やコミュニケーションに支障をきたしたりします。
ですから、気兼ねなく楽しく笑うためには健康的な歯は重要なのですが、では逆に、笑うことが歯にとってプラスになることはあるのでしょうか?
2021年に福島県立医科大学のグループが報告した研究によると、約24000名の高齢者を対象に、笑いの頻度と歯の数との関連性を調べました。
その結果、普段声を出して笑うことが「ほとんどない」人に比べて「ほぼ毎日笑う」人は、歯が0本になるリスクが低いことが明らかになりました(図1)。

図1. 笑う頻度と歯を失うリスクの関係
つまり、日常生活でよく笑うと歯を長持ちさせる効果があることが示唆されたのです。
では、どうして笑いが歯の寿命を延ばすことにつながるのか、別の具体的な研究結果から考察してみましょう。
笑わないと虫歯や歯周病になりやすい?
2013年に大阪大学、福島県立医科大学などの研究グループが報告した内容によると、秋田県および大阪府の健診を受診した4780名(男女、平均年齢59歳)を対象として、日常生活における声を出して笑う頻度と糖尿病の有病率の関連を調べました。
その結果、毎日声を出して笑う人に比べて月1~3回、もしくはほとんど笑っていない人は約1.5倍、糖尿病の有病率が高くなりました(図2)。

図2. 笑う頻度と糖尿病有病率の関係
糖尿病では唾液分泌が減少するだけでなく、唾液の糖レベルが上昇して虫歯になりやすくなります。しかも、免疫力の低下や創傷治癒(傷んだ組織を修復すること)の遅延などにより歯周病になりやすく、悪化しやすいことも知られています。
つまり、笑わない→糖尿病になりやすい→虫歯や歯周病になりやすい→歯を失う→さらに笑わない…という悪循環が生じる可能性が推察されるのです。
ですから、虫歯や歯周病のリスクを上げる糖尿病を防ぐためにも、日頃から笑う習慣を実践したいですね。
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笑うと唾液の免疫力や口周りの筋力がアップ
2002年に早稲田大学のグループが報告した研究では、94人の講演参加者に対して落語を鑑賞してもらい、その前後において唾液で免疫の役割を担う分泌型免疫グロブリンA(以下、s-IgA)の濃度などについて比較・検討しました。
その結果、落語を鑑賞した後では前に比べ、s-IgAの濃度だけでなく分泌率も有意に上昇することが明らかになりました。
つまり、面白い落語で笑うことによって口腔内の細菌やウイルスなどの外敵に対して働く免疫力が高まるため、細菌感染症である虫歯や歯周病の予防に笑うことが有効であることが示唆されたのです。
ところで、笑うという顔の動作は表情筋という表情を司る筋肉を存分に活動させ、口唇や頬など口周りの筋肉を鍛えます。
口周囲の筋肉が強くなれば口唇を閉じる力が強まり、話す、食べる、嚥下する(えんげ、飲み込むこと)といった口周辺の機能を正常に作用させることにつながります。
ですから、笑いは口腔二大疾患である虫歯・歯周病の予防だけでなく、口が正しく働くためにもとても重要なものなのです。
思わず笑ってしまう?「笑気麻酔」
もう一つ、歯科と関連深い“笑”で忘れてはいけないトピックスがあります。
皆さんは「笑気」という面白い名前のガスをご存じでしょうか。
その名前の通り、吸うと気持ちが良くなって思わず笑顔になってしまうことから名付けられたそうですが、このガスを使用した麻酔鎮静法が歯科治療に恐怖心のある子どもなどに効果的だとして、一部の歯科医院で利用されています。
この「笑気麻酔鎮静法」は、麻酔とは言っても注射するのではなく、マスクを鼻の上にのせて笑気ガスを吸い込むだけなので、子どもに対する負担がほとんどありません。鎮静法ですので痛みが全くなくなるわけではないですが、痛みを和らげることが可能です。
笑気の成分は亜酸化窒素(N2O)ですが、これを吸い込むことで緊張や恐怖心が和らぎ、心身の負担を軽減してリラックスした状態で治療を受けることができます。
笑気の安全性や注意点
吸入する成分は酸素に30%以下の低濃度の笑気ガスを混入したもので、速やかに体外に排出されるため、副作用はほとんどなく処置後の回復が早いのも特徴です。そのため、子どもからお年寄りまで高い安全性で使うことができます。
日本でも100年以上の歯科での利用の歴史があり、眼科の手術などでも用いられることがあります。また、全身麻酔では完全に意識を消失しますが、笑気麻酔では意識を保ったままリラックスできるという利点もあります。
その一方で、設備がある歯科医院が多くないため事前にあるかどうかを確認する必要があることや、アレルギー性鼻炎、鼻詰まり等で鼻呼吸が困難な人には不向きなどの欠点があります。
また、アメリカやイギリスの小児歯科ガイドラインでビタミンB12欠乏がある人に対しての使用に副作用の注意がなされるなど、慎重に用いる必要がある場合もあります。
⚠️当院では笑気麻酔を使用しておりません。