診療703日目、エナメル質形成不全症とは?
2025年3月24日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
こちらのブログは、と書きたいところではありますが、
その時々で院内で話題に登ったテーマや、最近来院される患者様の傾向、頂いた質問を元に、
調べてみなさまにシェアしています!
たまに読み返すと、ブログ担当としてはその時々の熱感を思い出せるので、
「日記」要素もあります。もちろん間違ったことを書いてはいけませんので、
真面目要素は高めに意識しています!
と、たまには綴ってみました☺️
では本編です!
エナメル質形成不全症とは?
まずは症例をご覧ください。

ナメル質形成不全症(MIH)とは、エナメル質が生まれつきモロい状態のことを言います。
主に永久歯の前歯と6歳臼歯に見られることが多く、黄色っぽい変色が特長です。
この病気の原因としては、「妊娠中のお母さんからの影響や遺伝」「出産時の障害」「早期産」
「生後1-3年以内の疾患や抗生剤の投与」など様々なものが挙げられていますが、どれも決定的なものとは
されていません。歯のエナメル質がしっかり作られない病気です。
エナメル質形成不全になると、生えたばかりなのに、歯の色が茶色い・黄色い、または、
歯がまだらに白くなったり、歯の表面が欠けていることがあります。
当院でも保護の方から「虫歯でしょうか?」と相談させるケースが多くあります。
症状の原因はさまざま
①妊娠中のお母さんからの影響(全身的要因)
エナメル質形成不全の原因の一つと考えられるものに、妊娠中のお母さんからの影響があります。
妊娠中、つわりで十分に食べられないなど、お腹の中にいる赤ちゃんへの栄養が不足し、胎児の時期に歯がしっかり形成されないと、エナメル質形成不全になる可能性があります。
妊娠中に飲んだお薬が、エナメル質の形成に悪影響を与えるケースもあるようです。
早産で、しっかりエナメル質が形成される前に赤ちゃんが生まれた場合も、エナメル質形成不全になることがあります。
ただし、お子さまの歯がエナメル質形成不全だからと言って、必ずしも、妊娠中のお母さんからの影響とは限りません。後述する、赤ちゃん側の要素もエナメル質形成不全の原因になり得ます。どうか、「自分のせいで、子どもがエナメル質形成不全になってしまった」と気になさらないでください。
②胎内の赤ちゃんの代謝異常(全身的要因)
お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんの身体に代謝異常(身体の組織を作ったり壊したりする機能の異常)があると、エナメル質形成不全になることがあります。
③遺伝によるもの(全身的要因)
遺伝により、生まれつき、エナメル質形成不全になることがあります。遺伝でエナメル質形成不全になるメカニズムは、はっきりとはわかっていません。
遺伝によるエナメル質形成不全は、すべての乳歯、または、すべての永久歯に歯の変色・歯の欠けなどの形成不全が見られます。何本かなど限定的ではなく、すべての歯に変色・歯の欠けが見られる場合は、遺伝が原因の可能性が高いです。
④乳歯の怪我・高熱・重度のむし歯など(局所的要因)(永久歯のエナメル質形成不全)
乳歯の時期に歯をぶつけて歯を怪我したり、高熱、乳歯の重度のむし歯が原因で、永久歯のエナメル質形成不全になることがあります。
どのくらいの子供に起こる病気なの?
5~10人に1人の子どもが発症?歯の変色・欠けに注意を
先ほど、前歯と6歳臼歯でよく見られるとお伝えしましたが、大きなトラブルになるのは6歳臼歯です。

エナメル質形成不全症により柔らかくモロい状態になってしまっているエナメル質、
これに大きな噛み合わせの力がかかることによって、歯自体が欠けてしまうリスクがあります。
歯自体の防御力の問題なので、どれだけ綺麗に歯磨きをしていたとしても、回避できないことも多いのです。
2012年4~6月、日本の千葉県内にて行われた、7~12歳の児童3,348名に対する大規模調査では、
お子さんの「10人に1人」がエナメル質形成不全症に罹患していることがわかりました。
2015・2016年に日本小児歯科学会と富山大学が行った共同研究では、
日本の7~9歳の子どもの5~10人に1人がエナメル質形成不全だった、と報告されています。
上記の調査結果からもわかるように、エナメル質形成不全はけっして珍しいものではなく、
子どもによく見られる歯の病気の一つです。「子供の虫歯は親の責任!」と言った風潮がある中で、
「ちゃんと仕上げ磨きまでしているのに、なんで虫歯になるのだろう・・・。」とお悩みの親御さんも
沢山いることと思います。しかし、エナメル質形成不全症の場合は、どんなにしっかりケアをしても、
他の歯に比べて虫歯になるリスクはどうしても高くなってします。
今回は長くなってしまうので後編に続きます!







