診療427日目、食物繊維不足が関連か
2024年2月13日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
土曜日のブログが下書きになっておりました💦
久々にやってしまいました・・・。
というわけで、今朝は2本アップしています!!!
食物繊維不足が関連か
~睡眠中の歯ぎしり(岡山大学学術研究院 外山直樹助教)~
上下の歯をぎりぎりとこすり合わせたり、かみしめたりする歯ぎしり。睡眠中の歯ぎしりは子どもや若者に起こりやすく、睡眠障害の一種とされるが、原因は分かっていない。睡眠中の歯ぎしりの要因について、岡山大学学術研究院予防歯科学(岡山市)の外山直樹助教に話を聞いた。
歯ぎしりの有無で比較した食物繊維摂取量
◇放置すると歯に異常が
外山助教によると、睡眠中の歯ぎしりは、小学生で約20%、成人で約10%に見られ、高齢になるほど少なくなる。成長に伴ってなくなることも多いが、放置すると歯がすり減る、欠ける、詰め物が脱落する、または歯周病、顎(がく)関節症などの問題をもたらすという。
その要因はまだ十分解明されていないが、最近の研究で、脳の興奮によって起きるとの見方がある。「私たちの過去の研究でも、睡眠中に脳が興奮してしまう、睡眠の質が悪い人は良い人に比べ、歯ぎしりの頻度が明らかに高いとの結果が出ています」
◇食物繊維少ないほど歯ぎしり
睡眠の質は生活習慣の影響を受ける。食事の内容もその一つだ。そこで外山助教らは、睡眠中の歯ぎしりと栄養摂取量との関係を検討した。
大学生143人を睡眠中の歯ぎしりの有無で二つに分け、過去1カ月間における35種の栄養素の1日摂取量を比べた。その結果、野菜、果物、穀物、豆類などに多く含まれる食物繊維の摂取量は歯ぎしりのあるグループが、ないグループに比べて少ない傾向を示した。
さらに、143人を食物繊維の摂取量により四つに分け、最も多いグループと最も少ないグループの計74人について、歯ぎしりの有無で食物繊維の1日摂取量を比較した。すると、歯ぎしりのあるグループの摂取量は平均10.4グラム、ないグループは13.4グラムで、統計学的に明らかな差が見られた。食物繊維以外の栄養素で明確な差はなかった。
外山助教は「食物繊維の摂取が睡眠中の歯ぎしりに有効かは今後、詳しい研究で明らかにする必要があります。ただ、食物繊維には多くのメリットがあり、特に若い人は不足気味なので積極的に取ることをお勧めします」と話している。
診療426日目、誤嚥性肺炎、能登の病院で例年の3倍
2024年2月13日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
誤嚥性肺炎、能登の病院で例年の3倍
歯科医師「できるケアを」
能登総合病院の外観。能登半島地震以来、誤嚥(ごえん)性肺炎になり受診する患者が増えている=石川県七尾市
能登半島地震の被災地では、水不足のため歯磨きなど口腔(こうくう)ケアができず、雑菌が肺に入っておきる「誤嚥(ごえん)性肺炎」の増加が心配されている。能登総合病院(石川県七尾市)の歯科口腔外科には、震災後2週間に誤嚥性肺炎になり、歯科での対応が必要になった患者が19人いた。例年の約3倍にあたる。
能登総合病院の長谷剛志・歯科口腔外科部長。「平時と同じケアをするのは難しいが、その場でできることをして重症化する人を減らしてほしい」と語る
誤嚥性肺炎は命に関わる病気で、震災関連死にもつながる。歯科医師は「今後も増える恐れがある。できる範囲のケアを」と呼びかける。
能登総合病院は能登中部・北部で唯一、常勤の歯科医師がいる病院。1月1~14日、内科などで誤嚥性肺炎と診断された後、歯科口腔外科で診た患者のデータを長谷剛志・歯科口腔外科部長が分析した。輪島市や珠洲市など能登北部から運ばれた患者も含まれる。
19人は65~103歳で、年代別では80代が7人、90代が5人と多い。全員が地震で断水となった地域の患者で、高齢者施設や避難所、病院、自宅にいた。糖尿病や心臓の病気など持病がある人も多いが、中には持病がない人もいる。また肺炎になるまでの口腔ケア未実施の期間は、3日と短い人も複数いた。
2022年と23年の同じ期間の受診者は、平均5・5人だった。
「入れ歯洗うのためらわないで」災害時の口腔ケア
過去には『誤嚥性肺炎』多発も 少ない水でどう対策?
地震などの災害で断水になると、大きな影響を受けるのが「口腔ケア」。過去の災害では長期間入れ歯をつけっぱなしの高齢者もいたという。水が限られる中での、お口のケアの仕方について専門家に聞いた。
■断水で入れ歯を1か月つけっぱなしも・・・水がなくても口の中のふき取りを
石川県で最大震度7を観測した能登半島地震の発生からまもなく4週間が経とうとしている。被災地では懸命な支援活動が続けられているが、未だに広い範囲で断水が続き、飲み水をはじめ生活用水の確保が大きな問題となっている。
北海道で歯科医師をしている池田昭さんは、被災地の様子に危機感をもっている。池田さんは、東日本大震災をきっかけに、災害時に起きるであろう口の中の衛生や対策についてSNSやYouTubeで発信を続けてきた。特に入れ歯を使っている方のことを気にかけているという。
ーー過去の震災では断水などでどのようなことがあったのでしょうか?
コンフォート入れ歯クリニック 池田昭理事長
「東日本大震災では、水が使えず、なかなか入れ歯を洗うことができなかったといいます。その後、水が使えるようになっても、避難所の水場は共用なので、入れ歯を外して洗うことをためらい、震災後、1か月経ってもずっとつけっぱなしという人もいて、口内環境が悪くなってしまう人が多くいたそうです」
ーー口内環境が悪くなるとどんな懸念がありますか?
池田昭理事長
「口の中で繁殖した細菌が誤って肺に入ってしまうことで起こる『誤嚥性肺炎』による死者が増えたと考えられています。とても心配しています」
ーー今回の地震でも、長期的な断水の可能性が指摘されています。水が不足した環境のなかでも、口内を衛生的に保つ方法はありますか?
池田昭理事長
「歯磨きができない状況であれば、入れ歯の人も、そうではない人も、アルコールフリーのウェットティッシュや、水で濡らしたティッシュやハンカチで歯や口内、入れ歯を拭ってください。口腔内には常時数億もの菌がいて、食事をする、しないに関わらず、12時間で4096倍に増殖するといいますので、出来る限り、心がけていただきたいです」
ーーすごい菌の数ですね…。
池田昭理事長
「加えて、口の中が乾かないように気をつけてください。唾液には細菌の増殖を抑える抗菌作用や、口腔粘膜を保護するなど、口内の環境を整える役割があります。せっかく清潔にしていても、口の中が乾いていると、また細菌が繁殖するという悪循環に陥ってしまいます。
地域のつながりが薄い避難所では、周囲に気を使って会話をする機会も減ってしまいがちです。また、トイレの回数を減らすために水分を我慢してしまうこともあるかもしれません。そうなるとますます口腔内の乾燥が進んでしまうんです」
唾液の分泌には、食事や会話などの刺激により分泌される刺激唾液があるという。加えて、唾液の量を増やすために、他にもできることがあるという。
■コツは食事や会話の前 口腔ケアに効果的な“唾液腺マッサージ”
池田昭理事長
「唾液の量を増やすための“唾液腺マッサージ”をお勧めします。普段でも朝起きた時や食事の前、会話をする前などに行ってみてください」
口の中には、▼耳下腺(じかせん)▼顎下腺(がっかせん)▼舌下腺(ぜっかせん)と呼ばれる唾液の出やすいポイントが3つあり、そこを手指でマッサージして刺激することで、唾液の量を増やす効果が期待できるという。
1.耳下腺(じかせん)
耳たぶの前あたりに人差し指が当たるようにし、後ろから前に向かってゆっくり円を描きます。
2.舌下腺(ぜっかせん)
両手の親指をそろえ、顎の真下から突き上げるようにグッと押します。
3.顎下腺(がっかせん)
下顎の骨の内側の軟らかい部分に親指を当て、骨に沿って後ろから前に向かって5か所くらいを順番に1~2秒押します
■避難生活で食事が困難に 災害に備える“入れ歯データのバックアップ”とは
池田医師にはもう一つ気になっていることがあるという。東日本大震災では、震災で入れ歯をなくしてしまい、食事が困難になり、免疫や体力が低下してしまう高齢者も多かったという点だ。
池田昭理事長
「東日本大震災は昼食後の時間帯に発生した災害だったため、食後に入れ歯を外していた状態で、着の身着のまま避難をした人が多くいらしたそうです。そのため、5人に1人が入れ歯をなくしてしまったと言われています。
そして被災地に届けられる食事は、おにぎりやパンなどの炭水化物が多く、入れ歯がない高齢者にとって、そういった食べ物は、冷えてしまうと噛むことも、飲み込むことも困難になってしまい、低栄養状態になる人もいたといいます」
しっかり食べるには“歯”が必要だ。通常入れ歯を作るには型を取り、かみ合わせや歯並びのチェックなどで通院回数は4回以上、完成までに1か月程度はかかるという。東日本大震災では歯科医療チームが総動員で入れ歯の製作にあたったものの、地元の歯科医院も被災してカルテも残っておらず、提供までには数か月かかったそうだ。
池田医師は、入れ歯のデータをクラウド保存することが、今後の防災の鍵になると感じているという。池田医師自身も、無料で入れ歯のデジタルコピーとデータのクラウド保存を行っている。
池田昭理事長
「例えば、スマートフォンはバックアップをとっていると思うので、無くしたり、壊したりしても、新しいスマートフォンを購入すれば以前と変わらずに使うことができますよね。
入れ歯も同じように、もしものときの備えとして、データを預けておけば、全国各地の提携歯科医院の3Dプリンターを使って、最短翌日には同じ入れ歯を使うことができるように取り組んでいます」
過去の震災を振り返っても決して軽んじてはいけない口腔ケア。いま避難所でできることを確認するのと同時に、未来に起きるかもしれない災害に備えていくことも、大切になりそうだ。
診療425日目、半年に一回をおすすめ
2024年2月9日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
スタッフのOさんのワンちゃんが歯石取りに行った
という話で盛り上がりました☺️
画像の写真はサンプルです🐕
ワンちゃんは虫歯にはなりにくいそうなのですが、
歯周病には注意が必要で定期的な歯石取りが理想なのだそうです。
当院は三ヶ月に一度の定期検診を勧めています。
一方ワンちゃんは半年に一度が目安だそうです。
ワンちゃんの歯周病予防、口臭予防にも
ぜひ一度歯石取りをご検討くださいね!
診療424日目、2月1日は「フレイルの日」
2024年2月8日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
身体の「フレイル」は口の機能の衰えから
「ガム咀嚼トレーニング」で高齢者の噛む力が向上することが明らかに
2月1日は「フレイルの日」。フレイルとは、病気ではないけれど、加齢によって心身の活力が衰え、放っておけば要介護になるリスクが高い状態のこと。フレイル予防の重要性を多くの人に認識してもらい、健康長寿社会の実現を図ることを目的に制定されたのである。
「身体のフレイルは口の機能の衰え、いわゆるオーラルフレイルから始まるといわれています。オーラルフレイルの状態を放っておくと、栄養状態の悪化や、心身の機能低下を招きやすく、要介護認定や死亡のリスクが2倍以上高まることが報告されているのです」とは、東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野の水口俊介教授。
①「むし歯や歯周病で歯の数が少なくなった」
②「噛めない食品が増えた」
③「食べ物が飲み込みにくく、むせることが増えた」
④「滑舌が悪くなった」
⑤「食べこぼしが増えた」など、口の機能の些細(ささい)な衰えが老化の始まりを示す重要なサインなのだと言う。
「口の中の健康に関心を持ち、口をしっかり動かす、食事はよく噛む、口の中をしっかりケアする、定期的な歯科検診を受ける、咀嚼(そしゃく)訓練をするなど、意識的なアプローチをすることによって、失われつつある口腔(こうくう)機能の回復が可能であることが分かっています」
1日に3回1回5分
水口教授らの研究グループは、ロッテと共同で「ガム咀嚼トレーニング」による高齢者の口腔機能への影響を検証したところ、1日に3回、1回あたり5分程度ガムを噛むのを2カ月間続けることで、噛む力が有意に向上することを確認。その研究の成果が国際科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカルメディスン」に掲載されたのである。
また、高齢者1000人以上を対象に、週に30分以上ガムを噛む習慣のある高齢者とない高齢者の2グループに分けて健康状態を比較した研究では、ガム咀嚼習慣のある高齢者はオーラルフレイルの割合が4割ほど少なく、握力、バランス能力等の身体機能に加え、認知機能に関してもスコアが良いとの結果も報告されている。
「大事なのは、口の機能が衰えないようにしようという意識を持つことです。人とのコミュニケーションや、何らかの社会的な活動をキープすることも大きなポイントです。むし歯の治療など、口の中のケアをした上で、咀嚼トレーニングをすることが重要だと思います」
義歯だから無理だと思っている方には、義歯でも噛めるガムもあるので、それで試してみてはどうだろう。
診療423日目、積雪にご注意を
2024年2月6日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
昨日から東京にも雪が降ってきましたね⛄️
珍しさとあまりの寒さに何度も窓の外を見てしまいました。
足元も大変悪くなっております。
ニュースでも無理な外出は控えるように伝えていますね。
定期検診など、お急ぎではない患者様も同じです。
決してご無理をなさらず、日時を変更することも検討くださいね。
よろしくお願い申し上げます。
診療422日目、やっぱりすごいぞ・ハビットプロ!
2024年2月5日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
ブログ担当の受付です。
今日はいつもよりもラフなブログにします!
先日、母と旅行に行ってきました。
風邪やコロナがまだまだ増えている最中、
万が一でも体調を崩したくないのでハビットプロを持参して、
宿泊先のホテルで朝晩使いました☺️
寝起きの口の中の粘り気が気になるかも、
乾燥で喉がイガイガするかも、
少し体温が上がりそうかも、
そんな「かも」をスッキリ解決してくれました!
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診療421日目、こどもの指しゃぶり
2024年1月31日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
いつまで? やめさせるには?=気になる子どもの指しゃぶり
指しゃぶりは多くの子どもに見られる。好奇心が芽生える頃には自然に治まるが、
小学生になっても続いて、悩んでしまう親も少なくない。
大野矯正クリニック(横浜市)の大野粛英理事長は「治しやすい4~5歳をめどに指導し、
生え変わる永久歯の歯並びに悪影響を持ち越さないことがポイントです」と話す。
◇歯列に影響も
指しゃぶりには、①乳首を吸うごく自然な動作から生まれる生理的な行為②生活環境などから来る心理的な問題③意味の無い癖―の三つがある。大野理事長は「通常は4~5歳ぐらいで自然とやめますが、心地良い感覚を学習して残ってしまうこともあります」と説明する。最近は小学校に上がっても治らないケースも多く、同クリニックでは11歳での相談も全体の5.9%あるという。
指しゃぶりを続けると、上下の前歯に隙間ができたり、出っ歯になったり、かみ合わせが横にずれる「交差咬合(こうごう)」になったりする恐れがある。「飲み込むときに舌を前歯の隙間から突き出す舌癖や舌足らずな発音、口唇の力が弱いため口をぽかんと開けるといった二次的な弊害も見逃せません」と大野理事長。
◇4~5歳で指導を
大野理事長は歯科の観点から、指しゃぶりは4~5歳をめどに指導することを勧めている。「2~3歳では理解が難しいですが、4~5歳になれば、やめた方がいい理由を理解してくれます」
同クリニックでは、初診時に専用の問診票を幾つか使い、両親と子どもの関係、子どもの性格や生活背景、指しゃぶりを始めた時期などのアンケートを取る。指しゃぶりによる悪影響について説明し、専用のカレンダーを使って、指しゃぶりを我慢できた日にシールを貼っていく。
「2週間続けられたらご褒美をあげるなどの工夫で、子どもに意欲を持たせて自らやめるように導きます」。外で遊ぶ機会を増やし、手や口を使った遊びで関心をそらすなど、生活環境を変える工夫も効果的だ。
指しゃぶりが治ったら、舌癖を治す訓練や口唇周辺の筋肉を鍛える訓練をすると、自然と歯列がきれいになり、永久歯に影響を残しにくいという。
大野理事長は「指しゃぶりは第三者が指導すると効果的と言われ、中には初診時の説明だけでやめられる子もいます。無理にやめさせようとすると別の癖が始まることもあるので、必ず指導を行っている歯科医師に相談してください」と呼び掛けている。
診療420日目、こどもの発音
2024年1月30日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
気になるわが子の発音
心配なら言語聴覚士に
さまざまな要因によって発音(構音)が困難になる「構音障害」。言葉自体も発達途上である子どもの場合は、本当に構音障害なのか悩むことも多い。昭和大学歯科病院(東京都大田区)言語聴覚療法室に所属する言語聴覚士の武井良子さんと山田紘子さんに対応方法などを聞いた。
▽待つことも大切
楽しい雰囲気で、たくさんおしゃべり
子どもの構音障害は、手術や先天性の病気などで唇や舌、歯、上顎、下顎といった構音器官の形そのものに問題がある場合と、構音器官に異常はないものの「赤ちゃん言葉」がいつまでもなくならなかったり、特定の音がうまく言えなかったりする場合に分けられる。
子どもの問題には親は深刻になりがちだ。しかし、武井さんは「発達に伴って改善されることが多いので待つことが大事です」と強調する。サ行とザ行、ラ行の発音は習得時期が遅いといわれ、6~7歳になってようやく発音できるようになることも多い。
子どもが間違った発音をしたときの対応も重要だ。「『さかな』を『しゃかな』と発音しても、『さかなでしょ?』と言い直しを強要するような否定的な言い方をするのではなく、『そうね、さかなね』と正しい発音を聴かせるのがこつ」と武井さん。自信を無くすことで話さなくなる子どももいる。子どもに楽しくたくさん話をさせることが一番の練習になる。
ただし、「赤ちゃん言葉」と異なって、発音の癖は自然には改善しないことが多い。山田さんは「舌を横に寄せて発音してしまう『側音化構音』では『キ』が『チ』のように聞こえますが、明らかに違う音に聞こえるわけでもないため見過ごされがちです」と注意を促す。発音の誤りが直らないまま成長して大人になってから病院を受診するケースも多い。
▽食事はよくかんで
発音が不明瞭な子どもは、食べ物の好き嫌いが多かったり、軟らかい物ばかり食べたりしているケースが目立つ。武井さんは「発音と食事のときに使う口の器官は同じなので、しっかりかむことが構音器官の発達につながります」と指摘する。
ただし、構音障害の中には発音だけではなく、言葉の発達自体の遅れが潜んでいることもある。「言葉を覚えるのが遅くて、話した言葉が理解できていないと感じる場合は言語聴覚士が在籍している医療機関や地域の療育センター、保健センターなどに早めに相談してほしい」と武井さんらは呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
診療419日目、こどものよだれ
2024年1月29日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
4歳過ぎても続けば相談を
~子どものよだれ(兵庫県立尼崎総合医療センター 日馬由貴医長)~
赤ちゃんのよだれは口の機能が発達途上にあるためで、一般的には成長とともに治まります。
では、何歳くらいがめどなのか、治まらない場合はどうしたらよいのか―。
兵庫県立尼崎総合医療センター(同県尼崎市)小児科の日馬由貴医長に話を伺いました。
◇口の機能が未発達
唾液には「食べものを滑らかにして飲み込みやすくする」「歯と歯茎を清潔にして、虫歯を防ぐ」
などの働きがある。通常は、唾液を無意識に飲み込んだり、唇を閉じて垂れないようにしたりしている。
しかし、こうした機能が未発達な赤ちゃんや脳や神経などの病気によって低下している子、
病気や薬の副作用で舌や唇が異常な動きをする子では、分泌量そのものは健常児と変わらなくても、唾液が口の外に漏れ出てしまう。
「通常は口の機能の発達に伴いよだれは減っていき、問題になることはありません。
4歳を過ぎてもよだれが続く場合は、病気が原因かもしれないので、医療機関に相談するとよいでしょう」
過剰なよだれが出る病気として、脳性まひ、発達障害などがある。重症度にもよるが、
こうした病気が原因の場合でも、自然に軽快することがある。トレーニングをすると改善が期待できるという。
◇よだれに気付かせる
家庭でできるトレーニングの一つは、子どもに唾液や口の動きを意識させること。
例えば、時折子どもの顔を鏡に映して、よだれでぬれていることを意識させる。
不快だと本人が気付けば、唾液を飲み込むように努めたり、拭こうとしたりするかもしれない。
拭きやすいように、子どもの手首にハンカチを巻いておくのもよい。
唇を閉じていられるように、紙を唇で挟む、ストローで空気を吸うような練習をする、
指をくわえる癖をなくす、といった方法もある。
診療418日目、チーズが虫歯を予防する
2024年1月27日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
チーズが虫歯を予防する
食後に食べれば歯の再石灰化を促進
チーズが虫歯を予防する――
こう言うのは、岩手医科大学解剖学講座/盛岡大学栄養科学部の稲葉大輔歯科医師です。
日本ではチーズが口腔内の健康に及ぼす影響についてあまり知られていないが、
欧米ではチーズの虫歯予防効果は常識として知られているという。稲葉医師に話を伺いました。
まずは虫歯のできるメカニズムのおさらいから。
虫歯は、「脱灰」と「再石灰化」のバランスが崩れることで起こります。
まず、食事をすると起こるのが「脱灰」だ。口腔内の細菌が食品の糖類をエサにして酸を産生し、
それが歯のエナメル質と象牙質からカルシウムイオンとリン酸イオンを溶出させます。
その後、食事や間食が終わると、エサの糖類がなくなるので、細菌の酸の産生が終わり、
脱灰が停止。口の中の唾液に含まれるカルシウムイオンとリン酸イオンが脱灰で
溶け出した部分を修復し、虫歯に至らないようにする。これを、「再石灰化」と呼びます。
「ところが、糖類の摂取量が多かったり、頻繁に間食を取っていたりすると、
再石灰化が間に合わず、虫歯が生じます。再石灰化が進むには、唾液の分泌が十分に
行われていることが大前提となります。ただ、唾液内のリン酸イオンは誰でも豊富なのですが、
カルシウムイオンの分量は個人差が大きく、カルシウムイオン量が少ない人では、再石灰化が進みにくいのです」
そこで活躍するのが、チーズ!
チーズは生乳にタンパク質を固める凝乳酵素を加え、生乳内の水分を抜いて作られています。
「そのため、もとの生乳よりも栄養素が大幅に凝縮されています。
ほとんどのチーズで、歯に関係するミネラルであるカルシウム量はもとの生乳の3~10倍、
リン酸は2・8倍も含んでいます。特に、チェダー、パルメザン、エメンタール、ゴーダなどに
代表されるハードチーズやセミハードチーズは、カルシウムとリン酸の量が、非常に多い」
つまりチーズを食べることで、口の中にカルシウムやリン酸が拡散されます。
カルシウムイオンが少ない唾液に対しては、チーズがそれを“補給”する形となり、再石灰化が促進されるという、仕組みです。
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単にカルシウムが多い食材というだけであれば、小魚もカルシウムが多いが――
「カルシウムが多い食材であっても、カルシウムとリン酸の結合が固いと、
唾液中にカルシウムイオンとして出ていきません。まさに小魚では、そう。
一方、チーズはカルシウムとリン酸の結合が緩いので、カルシウムイオンが唾液中に出ていきやすいのです。
カルシウムを豊富に含み、かつ唾液のカルシウムイオン補給に役立つ食品は、チーズが最強です」
種類はお好きなものを召し上がってください。
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歯が溶ける酸蝕症も改善
チーズと虫歯に関する研究報告は複数あります。
たとえば、4週間毎日2回、ショ糖液に歯を漬けて虫歯を起こしやすくした研究で、
チーズ14グラムを噛んでいたグループは、そうでないグループに比べて再石灰化が有意に促進していました。
また、「チーズを毎日4回摂取していたグループは虫歯が改善した」「虫歯の病巣サイズは、
チーズ摂取群で非摂取群のおよそ3分の1だった」という報告もあります。
「チーズの口腔に対する効果は虫歯予防だけではありません。果実やジュース、ソフトドリンク、
食酢は歯が溶ける酸蝕症を引き起こします。しかしチーズを取ることで、それが改善できるのです。
チーズを5分間咀嚼すると、そうでない場合に対し歯の硬度が増したとの研究結果もあります」
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お勧めの利用法としては、
「食事や間食の最後に」
「10~15グラム程度(1・5センチ程度角)のチーズを食べる」。
チーズによってカルシウム量は異なるものの、継続が大事なので、
ナチュラルでもプロセスでも好きなチーズを選べばいいでしょう。
「チーズを食後に食べていれば、多少歯磨きを怠っても、虫歯予防になります」
お酒のつまみも、チーズで決まり!