診療477日目、全国規模で「高齢者の噛む力」を調査
2024年4月20日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
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全国一位は高知県…そのワケは? 大手菓子メーカー“ロッテ”が「高齢者の噛む力」を調査
大手菓子メーカーが行った調査で、高知県内で暮らす高齢者は「ある力」が全国でも最も強いという結果が出ました。一体、何の力が強いのか、そのワケは何なのか探りました。
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大手菓子メーカー「ロッテ」が2023年の末に実施した「高齢者の噛む力」調査。
各都道府県に住む65歳から80歳までの高齢者を対象に、「噛むことに対する意識」や「口の機能の衰えを感じていないか」などの項目でアンケート調査を行い、回答を得点化して都道府県別のランキングにまとめたものです。
その結果、今回ランキング1位に輝いたのが高知で偏差値77、2位の埼玉、兵庫、福岡の偏差値69を大幅に上回っていました。
なぜトップになったのか、調査を行った担当者に聞いてみると…
(ロッテ 噛むこと研究部 菅野範さん)
「噛む力や免疫機能、口のうるおいというのが良好に保たれていた人が多かったというのと、歯を磨く意識や噛むことについての知識も、ほかの県と比べて高かったことが1位という結果につながった」
ではなぜ、高知県内の高齢者は「噛む力」や「口のうるおい」が比較的良好に保たれているのでしょうか。県民性などに詳しい作家の岩中祥史(いわなか・よしふみ)さんは、高知県民の性格や食文化が「口をよく動かすこと」につながっているのではないかと分析します。
(県民性に詳しい 岩中祥史さん)
「高知の人は開放的で社交性に富むことが特徴。話好き、議論好きという部分がある。よく食べながら話をするという1つの食文化、生活習慣ができていると思う」
高知ならではの食材も実は噛み応えがあるものが多く、「噛む力」の強化につながっているのではないかと話します。
(県民性に詳しい 岩中祥史さん)
「イモ類やタケノコを使った山の幸だけで作ったお寿司(田舎寿司)や肉でも土佐ジローや海産物ではウツボとか。山菜で言うとイタドリとかハスイモとか、ほかの県の人からすると『なにそれ?』みたいなものが、高知の人からしたら当たり前に日常的に食べて過ごしてきたというところが年配の人の噛む力につながっている」
また、「噛む力」を保つことでメリットも多いと考えられています。口の機能と栄養状態に関する研究などを行う東京医科歯科大学の水口俊介(みなくち・しゅんすけ)教授は、口の機能を保つことが体全体や心の衰え=フレイルを防止するのに役立つと話します。
(東京医科歯科大学 水口俊介 教授)
「体のフレイルに至るまでの一番大きなルートが栄養。栄養摂取がちゃんとできるかどうか。口の機能は食べることだけではなく、喋ったり、心理的な問題や社会性にも関わっている。口の機能が落ちてくると精神的な問題や社会的な問題が起きてくるので、それが体全体のフレイルにつながると考えられる」
口の機能を守ることをきっかけに体全体の健康を守る。「高齢者の噛む力」が全国1位となったことを誇りにほかの年代の皆さんも「噛むこと」の大切さと「健康」について考えてみてはいかがでしょうか。