診療462日目、「ハウスの分類」

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診療462日目、「ハウスの分類」

2024年4月2日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

 

総義歯患者における義歯への適応力に着目した「ハウスの分類」

ハウス博士は1950年、無歯顎になる予定の患者がどのように行動したか、またその後の総義歯装着に対し、どのように適応したかという視点から患者を分類することを考案し、発表した。

 

論文の中でハウス博士は、臨床的な印象に基づき、患者を以下の4つに分類した。

Philosophical mind(理性的なマインド)

Exacting mind(厳格的なマインド)

Hysterical mind(ヒステリックなマインド)

Indifferent mind(無関心なマインド)

 

 

 ① Philosophical mind(理性的なマインド

理性的なマインドをもつ患者は、総義歯による治療の必要性について予期しており、歯科医師からの診断や治療に関するアドバイスにすすんで従う。また、歯科医師から義歯の再製をすすめられた場合も同様に従う。

 

 

② Exacting mind(厳格的なマインド)

厳格的なマインドをもつ患者は、大抵健康状態が悪く、多くの治療を必要としている。しかし歯科医師からの、保存不可能な歯を抜歯して義歯を装着するという提案には応じようとしない。また、自身の審美的および機能的なニーズを満たす義歯を作ることができるかどうか、歯科医師がもつ能力に懐疑的。多くの場合、追加費用なしで、歯科医師に特別な努力と治療結果の保証を要求する。

 

 

③ Hysterical mind(ヒステリックなマインド)

ヒステリックなマインドをもつ患者は、口腔内の健康を軽視している。加えて、義歯恐怖症であり、義歯を装着することに適応しようとしない。このタイプの患者は義歯を装着しようとはするが、見た目や機能が天然歯と同じであることを期待しているため、義歯を使いこなせないことが多い。

 

 

④ Indifferent mind(無関心なマインド)

無関心なマインドをもつ患者は、自分のセルフイメージを気にしない傾向があり、食べることを楽しむ意欲もない。このタイプの患者は、義歯を装着しなくても何とか生き延びる

 

上記の通り、② 〜 ④ に該当する患者は、無歯顎になることや義歯を装着する経験に対して、理想的とはいえない反応を示す。しかし、多くの患者が該当するタイプでもあるだろう。

 

どのような対応を行うかは、医院によって異なるものの、今一度、自院の患者に置き換えて考えてみてほしい。

ハウスの分類について再考する必要がある理由

ハウスの分類が発表された後、さまざまな研究者がハウスに倣って理想的な患者について論文を発表した。

 

それらの中のいくつかの研究では、患者と歯科医師間の協力関係を構築するために必要なことについて研究されている。患者が歯科医師に対して何を求めているかを明らかにしようとした研究では、患者は歯科医師の技術的な能力と同等に、コミュニケーションおよび自身が「理解されている」という感覚を重要視していることが示された3)。

 

一方、ハウスの分類は患者を単体で捉えるのみで、患者の行動に対する歯科医師の感情的な反応については、ほとんど考えられていなかった。患者を理解するには、歯科医師の性格や主観的な回答、反応も、患者の行動を起こす要因として考慮しなければならない。

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