診療464日目、体の門番その1

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診療464日目、体の門番その1

2024年4月4日

こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。

 

すべての死に至る病は「のど」から始まる

「体の門番」と呼ばれています

誤嚥性肺炎だけじゃない

寒さと乾燥が厳しくなる年末年始、特に高齢者はなによりも守らなければいけない器官がある。それは「のど」だ。

のどというと、単に食べ物が通過するところと思う人も多いかもしれない。一方で、暖房をつけっぱなしにして寝たり、乾燥した屋外で長時間過ごしたりすると、すぐに腫れて痛くなる非常にデリケートな器官でもある。

「当たり前のことですが、人間は食べ物を食べてエネルギーを身体に取り込まなければ生きていくことができません。嚥下機能(食べ物を飲み込む力)をつかさどっているという意味で、のどは人間の生命の源ともいえる器官なのです」

こう語るのは、著書に『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)がある、西山耳鼻咽喉科医院院長の西山耕一郎氏である。西山氏は、食べ物を飲み込む力をはじめとして、3つの重要な機能がのどにはあると指摘している。

  • 嚥下機能
  • 呼吸
  • 発声

という、生きていくうえで欠かせない機能があるのが、のどという器官です。のどが健康的に機能しているからこそ、私たちは日々生活できていますし、私は、『人間はのどから衰える生き物』と考えています」

食事、空気、そして会話。体内外のモノを交換するときに必ず通過するのどは、まさに「身体の門番」ともいうべき役割を果たしているわけだが、のどはただの「管」ではない。

身体はのどの周りの筋肉を動かして、この3機能を円滑に進めているわけだが、当然加齢とともにこの筋肉は衰えていく。若いころのようにのどを動かすことができなくなれば、恐ろしい病を引き起こすきっかけにもなる。

神鋼記念病院耳鼻咽喉科長の浦長瀬昌宏氏が解説する。

「のどで食べ物と呼吸の交通整理がうまくいかなくなる。それが『誤嚥』と呼ばれる症状で、気管に異物が入ってしまうことがあります。

若い人であれば『せき反射』といって、せきこんでリカバーすることができますが、加齢で反射が鈍ると、そのまま気管に侵入してしまいます。ここから細菌に感染し、誤嚥性肺炎の原因になるのです」

人間は、一日におよそ500~1000回、飲み込む動作を無意識に行っている。この際、のどの奥では「喉頭蓋」という蓋が気道をふさぎ、そのスキにのどは食べ物や飲み物を食道に送る。わずか0.8秒ほどで、身体は絶妙な連係プレーを繰り返しているのだ。

こののどにポリープがあったり、脳梗塞や認知症の影響で神経伝達がうまくいかず、連係プレーが乱れたりすると、繰り返し誤嚥するようになる。

一度の誤嚥では問題ないが、慢性化すると誤嚥性肺炎に発展するリスクが上がる。日本では毎年10万人前後が肺炎で命を落とすが、高齢者の肺炎のうち7割が誤嚥性肺炎ともいわれている。

後章でも詳述するが、飲み込む力が衰えれば、誤嚥以外にも深刻な症状が出てくる。

モノが頻繁にのどでつかえるようになると、食欲も減退し、栄養障害や消化器系の疾患を引き起こす。栄養不足が続けば、運動障害やうつ、ひいては認知症など、QОL(生活の質)を著しく下げる疾病を招くことになる。

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突如訪れる「窒息」の恐怖

嚥下機能以外の「呼吸」「発声」機能が衰えていくにつれて、高齢者を死に至らしめる病にかかるリスクはどんどん増していく。

東京医科大学八王子医療センター呼吸器内科の寺本信嗣教授は、のどの機能の低下と呼吸の関係についてこう解説する。

「肺は非常にうまくできていて、かつ複雑な臓器です。ふだんの生活で使っているのは、肺の最大容量の約3分の1程度で、大きな息をしてようやく3分の2まで開きます。

ですが、加齢やのどの調子などが原因で、大きな息ができないと、誤嚥によって細気管支が詰まったままの部分が徐々に増えていって気道閉塞が生じる可能性があります」

のどが原因で肺活量が低下してしまうことからも、さまざまな病が引き起こされる。

浅い呼吸が続くと、慢性的な低酸素状態となり、高血圧や高脂血症といった生活習慣病の引き金になる。さらに生活習慣病が重なることで、冠動脈性心疾患などの突然死のリスクも高まると指摘されているのだ。

また、呼吸に関する病気には急性喉頭蓋炎がある。のどの入り口にある喉頭蓋が細菌感染で腫れあがり、のどを塞いでしまう。「窒息」の恐怖も、決して他人事ではない。

年齢を重ねると、お腹や下半身の筋肉がたるむように、のどの筋肉もたるみ、動きが鈍くなる。そうすると、若いころよりもうまく声が出ないということが増えてくる。

健康には一見関係がないと思われる3番目の機能「発声」も、高齢者の身体のバランスを整えるうえで重要な位置を占める。

「発声は声帯を使って行いますが、じつは嚥下とほとんど同じ臓器で声を出しています。そのため、声を出す機会が減れば必然的に嚥下機能も落ちてしまうことになります。

また、カラオケに行ったり友人と談笑したりすることで、人間はストレスを解消し、自律神経のバランスが調整されて身体の血液循環をよくすることにつながります。つまり、声を出すことが全身の健康を守っているともいえるのです」(前出・西山氏)

特にこれからの季節、守るべきは心臓でも脳でもなく、「のど」なのだ。

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