診療424日目、2月1日は「フレイルの日」
2024年2月8日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
身体の「フレイル」は口の機能の衰えから
「ガム咀嚼トレーニング」で高齢者の噛む力が向上することが明らかに
2月1日は「フレイルの日」。フレイルとは、病気ではないけれど、加齢によって心身の活力が衰え、放っておけば要介護になるリスクが高い状態のこと。フレイル予防の重要性を多くの人に認識してもらい、健康長寿社会の実現を図ることを目的に制定されたのである。
「身体のフレイルは口の機能の衰え、いわゆるオーラルフレイルから始まるといわれています。オーラルフレイルの状態を放っておくと、栄養状態の悪化や、心身の機能低下を招きやすく、要介護認定や死亡のリスクが2倍以上高まることが報告されているのです」とは、東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野の水口俊介教授。
①「むし歯や歯周病で歯の数が少なくなった」
②「噛めない食品が増えた」
③「食べ物が飲み込みにくく、むせることが増えた」
④「滑舌が悪くなった」
⑤「食べこぼしが増えた」など、口の機能の些細(ささい)な衰えが老化の始まりを示す重要なサインなのだと言う。
「口の中の健康に関心を持ち、口をしっかり動かす、食事はよく噛む、口の中をしっかりケアする、定期的な歯科検診を受ける、咀嚼(そしゃく)訓練をするなど、意識的なアプローチをすることによって、失われつつある口腔(こうくう)機能の回復が可能であることが分かっています」
1日に3回1回5分
水口教授らの研究グループは、ロッテと共同で「ガム咀嚼トレーニング」による高齢者の口腔機能への影響を検証したところ、1日に3回、1回あたり5分程度ガムを噛むのを2カ月間続けることで、噛む力が有意に向上することを確認。その研究の成果が国際科学誌「ジャーナル・オブ・クリニカルメディスン」に掲載されたのである。
また、高齢者1000人以上を対象に、週に30分以上ガムを噛む習慣のある高齢者とない高齢者の2グループに分けて健康状態を比較した研究では、ガム咀嚼習慣のある高齢者はオーラルフレイルの割合が4割ほど少なく、握力、バランス能力等の身体機能に加え、認知機能に関してもスコアが良いとの結果も報告されている。
「大事なのは、口の機能が衰えないようにしようという意識を持つことです。人とのコミュニケーションや、何らかの社会的な活動をキープすることも大きなポイントです。むし歯の治療など、口の中のケアをした上で、咀嚼トレーニングをすることが重要だと思います」
義歯だから無理だと思っている方には、義歯でも噛めるガムもあるので、それで試してみてはどうだろう。