診療255日目、ダイバーさん必読希望
2023年6月6日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
今日からスポーツと歯をテーマにしてみますね💃✨
昨日の水族館の魚たちの歯科検診から触発されました。
最近の受付は、来院される患者様の運動会の話を聞くことが楽しみの一つです。
水中という特殊な環境で楽しむスクーバ・ダイビング。
特殊ということは他のスポーツとはまったく違った、からだへの影響を受けていることにもなります。
そこでダイバーが感じる素朴な体の悩みや疑問について、真剣に考え解決していこうと思います。
(以下『DIVING WORLD』高松院長執筆記事より)
水中で歯が痛い。歯のスクイズって?
「ダイビングで海に潜るとなんだか歯がシクシク痛む。
講習の時に歯のスクイズって聞いたけど、それかな」。
こんな悩みを持つダイバーは結構いらっしゃいます。鼻腔のスクイズや、
ウェットスーツのスクイズなどは一般的ですが、この歯のスクイズ、本当に起こるのでしょうか?
そしてこんな悩みを解消する方法はあるのでしょうか?
スクイズとは、”体内の空隙などが水圧によって押しつぶされたり引っ張られたりする現象”
(wikipediaより)のことを言います。
デンタルスクイズは詰め物(修復物)はかぶせた物(補強物)と歯との間にわずかな空間(死腔)が
ある場合に起こる可能生があります。一般的には虫歯ができると神経をそのまま保存できる場合は、
患部を削り取り、その部分に詰め物をしたり、患部が大きい時はかぶせたりします。
また神経が保存できなかったりすでに神経を取ってしまっている歯の治療する場合は根の内側に
根充材とよばれる詰め物をします。このような時になんらかの原因で歯のなかに死腔、すなわち
不完全な密閉空間ができてしまうと、潜水による圧の変動に死腔内の気泡も圧を平衡に保とうとして、
ない歯では「歯が浮いた」状態になる可能生がでてきます。
あごが疲れる。なんとかなる?
意外に多いのがこの悩み。
「レギュレータを噛む力を込めすぎているのか、いつも人より顎が疲れるんです。
水中でもくわえているのがつらいくらいで、なんとかしたいのですが…」。
物をくわえっぱなしで長時間維持するという行動は日常において、めったにないことです。
そんな状況を作りだすダイビングには当然の悩みかもしれない。こんな人を救う方法はあるのでしょうか?
実はダイビングをした後に「口が開きづらい、あごがガクガクする」を訴えるダイバーの方が多くいらっしゃいます。
これはダイビングによる「一過性の顎関節症」と考えられます。「
顎関節症」とはもともと、あごの関節が変形している場合や噛み合わせや姿勢が悪い、
ストレスなどがきっかけとなって「口が開きづらい、開けると痛、ポキポキ音がする」など症状が出現し、
それにともなって頭痛や肩こりなども現われます。
ではどうして、ダイビングのあとにこのような症状がでるのかというと、水中という、温度の低いところで、
口を開けたり閉めたりするのに使う筋肉である「咀嚼筋」が冷やされ、水中でのストレスに加えてマウスピースが
柔らかいため、位置が不安定な状態で顎がおかれるために起こると思われます。
しかし多くの場合は筋肉を暖めてマッサージすれば1、2日で症状は消退するので問題はありませんが、
もともと顎関節症の症状がある人がダイビングする場合や、ダイビングの後、何日経過しても、
症状が消退しない時は注意が必要です。歯科医院で顎関節症の専門治療を受けることを勧めますし、
レギュレーターのマウスピースを顎が安定するように改良することも必要です。
口が開きづらい時のダイビングを避けた方がよいでしょう。