診療248日目、歯が元々白い理由
2023年5月27日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
ホワイトニングの需要が増してきましたので、本日は、「歯の本来の色って何色?」
をテーマにします!
まず、歯の色は歯の内部の構造に深く関係しています。
いま見えている歯の色と本来の色は違う?
ホワイトニング効果のある歯磨き粉を利用されている方は多いと思いますが、
歯磨き粉の説明書きなどに「歯本来の色に戻す」という一文があるのを見たことありませんか?
ホワイトニングに興味のある方は良く聞く言葉だと思います。
ではこの「本来の色」というものがどういったものかはご存知でしょうか?
歯の構造について
歯の一番外側には〈エナメル質〉という灰白色で半透明の構造があります。
通常お口を開けたときに見える部分で、体の中でもっとも硬い組織です。
その内側に〈象牙質〉という黄色い色をした組織があり、この象牙質が歯の形を作ったり、
エナメル質を内側から支えています。 そしてこの象牙質の内側に〈歯髄〉、俗に言う神経があります。
歯髄では歯の栄養や水分を補給したり、痛みの感覚を司っています。
また歯の根の部分の周囲には〈セメント質〉という構造があり〈歯根膜〉を介して骨と歯をつなげています。
これらの構造の中で、本来の歯の色に関与するのは〈象牙質〉と〈エナメル質〉です。
黄色い象牙質を半透明のエナメル質が覆っているため、中の色が外側に透けて見えています。
つまり歯本来の色は象牙質の色と、それを覆うエナメル質によって決まってきます。
歯の場所によって色が気になる、といった経験はありませんか?
犬歯が特に色が濃い?根元のほうが気になる!
歯の色は中の「象牙質の色」が透けて見えているのですが、同じお口の中でも〈歯の種類〉によって
色が違ったり、同じ1本の中でも〈位置〉によって色が異なってくることが多いです。
■歯の種類による違い
歯の形に合わせて中の象牙質の厚みが変わります。歯が大きければ、象牙質の大きさも大きくなり、
その分色も濃く見えやすくなります。
■犬歯
犬歯はあごを横に動かす時のガイドになる歯のため、他の歯よりもかみ合わせの力がかかりやすい歯です。
噛む刺激などにより代謝が促され、加齢変化によるトーンダウンが起こりやすい歯になります。
■歯茎からの距離による違い
一番外側を覆っているエナメル質は歯の先よりも歯茎に近づくにつれて薄くなっています。
これはどの種類の歯でも一緒ですが、半透明のエナメル質が薄くなればなるほど中の色は
外側に見えやすくなり、歯茎付近の色が特に濃く感じやすくなります。
歯の色が人によって違う理由には、エナメル質の厚さが関係しています。
エナメル質の色は白色ではなく、もとは半透明色です。象牙質は黄色っぽい色をしており、
エナメル質と重なることで、白色に見えているのです。
しかし、エナメル質が薄い人は象牙質の色が透けやすいため、黄色っぽく見えてしまいます。
一方、エナメル質が厚い人は象牙質の色が反映しにくいため、白く見えます。
また日本人と欧米人を見比べると歯の白さの違いがよくわかります。
日本人は欧米人よりエナメル質が薄いため、歯の色は欧米人より黄色がかっています。
このように歯の色といっても全て同じわけではありません。
ご自身ではなかなか判断も難しいものですので、気になる場合はお気軽に当院へご相談くださいね!