診療369日目、後回しにしがちなデンタルケア
2023年11月10日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
後回しにしがちなデンタルケア、
最後まで食べられる「口」を保つには?
新型コロナウイルスが感染拡大して以来、外出の機会や人との接触が激減したことで、
高齢者ばかりか若い人の間でも、心と体のフレイル(虚弱)が一気に広がりました。
もう一つ、特に高齢者で注目されたのが「お口のフレイル=オーラルフレイル」です。
感染まん延時には、不要不急の外出を控えることが徹底されていたため、
訪問診療を含む歯科医療が手控えられ、歯科への受診が減ったことも大きな原因だといわれています。
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オーラルフレイル、死亡リスクは2倍以上
最近、むせやすくなった、食べこぼしが増えた、軟らかいものを好んで食べるようになった、
滑舌が悪くなった、口が乾きやすくなった、食欲がなくなった……など、気になることはありませんか?
こうした兆候が出てきたら「オーラルフレイル」に要注意。
- 残っている歯が20本未満
- かむ力が弱い
- 舌の力が弱い
- 滑舌の低下
- 硬い食品が食べづらい
- むせが増えてきた
――のうち、3項目以上が該当する人は、フレイル、サルコペニア(加齢による筋肉量の減少)、
要介護状態、死亡のリスクがそれぞれ2倍以上になると、東京大学の研究が警鐘を鳴らしています。
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人の歯は28本ありますが、19本以下になるとフレイルや認知症などのリスクが増えるとされています。
厚生労働省と日本歯科医師会は「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」と8020運動を
1989年から推進していて、厚労省の歯科疾患実態調査によると、
2016年に80歳で20本以上の歯を持っている人が初めて5割を超えました。
しかし、実際には高齢者の多くは、歯周病や虫歯、入れ歯の不具合などで、
咀嚼(そしゃく)機能に何らかの問題を抱えているといわれます。
その原因の一つと考えられているのが、70~74歳をピークに高齢者の歯科受診率が急速に減ってしまうこと。
足腰の痛みには敏感な高齢者も、ケアを怠っていると静かに進んでしまう歯の病気や不具合については、放置していることが多いようです。
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実はこの記事を書いてくださった方も40年来のかかりつけ歯科医が引退してしまったため、
それまで2~3カ月ごとに通っていたメンテナンスを2年間中断されていました。
かみ合わせの不具合と歯周病の兆候が出てきたため、ようやく重い腰を上げて新しい歯科医を見つけ、
治療とメンテナンスを再開しました。かみ合わせの治療が一段落したので、残った25本を保存するために、
数カ月に1度の経過観察と歯のクリーニングを始めたところだそうです。
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「食べる」機能が一気に衰える入院時
こうした歯の病気や不具合、オーラルフレイルが、一気に進んでしまうのが入院時です。
かかりつけの歯科医がいても、入院中は、歯科医との関係が途切れます。
その間に虫歯や歯周病が悪化したり、入れ歯の不具合が放置されたりしてしまうことが少なくありません。
それに輪をかけるのが、入院中の「禁食」です。リスクマネジメントが先行する病院では、
入院中に誤嚥(ごえん)性肺炎や感染症を起こすと、のみ込みやすい流動食や軟らか食に変えたり、
食事の経口摂取を禁止し経管栄養に切り替えたりします。
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「禁食や流動食が続くと、口の周りの筋肉やかむ筋肉などを使わないため、摂食嚥下機能が衰えます。
病院では退院時には『一応食べられる』状態で在宅に戻しますが、極度に痩せてしまったり、
入院前には普通に歩いていた人が車椅子で帰ってきたりしたら、低栄養になっている可能性があります。
帰宅後も食事の量が戻らなかったり、食事に時間がかかったり、妙にむせて食後ぐったりしているような場合も要注意です」
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そう語るのは、祖父の時代から3代、地域に根差した歯科診療を東京都板橋区で続ける渋谷英介さん。
外来に加え、約20年前から歯科の訪問診療もしています。施設での訪問歯科診療も行っており、
入居者が退院して施設に戻ってくる時には、施設に昼食を用意してもらい、本人がどの程度食べることが
できるかを評価しています。そして、施設職員や管理栄養士と一緒に本人に合った食事の形態や内容、量など
について検討し、必要な人には歯の治療や入れ歯の調整、嚥下訓練などを行います。
診療368日目、愛犬のよだれやけは防げる?
2023年11月9日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
突発的に始めたわんちゃん強化ブログ・最終回です!
愛犬の口まわりの毛の変色が気になったことはありませんか?
毛色の淡い犬や長毛種の場合、特に目立ちやすいですよね。なかには変色だけでなく、
ニオイが発生しているケースもあります。
これは「よだれやけ」と呼ばれる現象ですが、「なにかの病気の症状では?」と
不安になる飼い主さんもいるのではないでしょうか?
この記事では、「よだれやけ」の原因とケア方法を解説します。また飼い主さんにできる
予防改善法やおすすめケア用品もお伝えしますので、愛犬のお手入れ・健康管理に役立ててくださいね!
犬のよだれやけは、よだれが原因で口まわりの被毛が赤茶色・茶色に変色し、
場合によってはニオイを発生する状態です。特に白など薄い色の被毛の犬や、
口まわりにヒゲのある犬はよだれやけを起こしやすいようです。
よだれやけを起こしやすい犬種
- シーズー
- スピッツ
- マルチーズ
- ミニチュア・シュナウザー
- トイ・プードル
- ヨークシャー・テリア
よだれやけによる愛犬の見た目の変化や異臭は飼い主さんにとって不安なものですよね。
ではなぜよだれやけができるのでしょうか?まずは原因から理解していきましょう。
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犬のよだれやけはなぜできるの?原因を解説
よだれやけを改善・予防するためには、よだれやけが起きる原因を理解しておきましょう。
原因は大きく分けて4つ考えられます。
よだれやけの原因1:不衛生なおもちゃや食器などの環境による口内環境の悪化
雑菌が多い唾液はニオイがきつくいだけでなく、口周りの毛を変色させます。
犬が使うおもちゃ・食器にはどうしても唾液がつきます。雑菌の多い唾液がついたままのおもちゃや
食器を使ってしまうと、いくら口内環境に気をつけていても、おもちゃ・食器でまた口の中に菌を取り込んでしまいます。
また、硬すぎるタイプのおもちゃは、歯が折れる・歯の表面が摩耗するなど、口内環境の悪化につながる可能性がありますので、注意が必要です。
よだれやけの原因2:ドッグフードの油分
油分の多いドッグフードは注意が必要です。
ドッグフードに油分が多いと、被毛に油分が付着して酸化し、口周りの毛が変色しやすくなります。
よだれやけの原因3:口内のお手入れ不足
口の中のお手入れが十分でないと口内環境が悪くなり、口内の雑菌を含んだよだれが被毛・
ヒゲについて雑菌が繁殖。変色・異臭の原因となりえます。
よだれやけの原因4:歯肉炎などのお口の中の病気
よだれやけを引き起こすのは唾液で、唾液量増加の原因として多いのは、歯石や歯肉炎といわれています。
口腔内にたまった細菌を取り除こうとして唾液が増え、よだれやけが起きやすくなります。
動物病院を受診する目安
よだれやけができて鼻水も出ている場合、動物病院を受診したほうがいいでしょう。
鼻水は、「透明でサラサラタイプ」と「黄緑で粘り気のあるタイプ」に分かれます。
サラサラタイプはアレルギー性の症状として出る可能性があり、人間のスギ花粉症などもこのタイプです。
粘り気タイプは、細菌などの感染によって起こる可能性が高く、人間が風邪をひいたときと同じような症状になります。
ただし、動物の場合、全身ではなく鼻の中に限定した病変が多いようです。
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愛犬のよだれやけを予防する具体的方法
愛犬のよだれやけの予防方法を具体的に解説します。
思い切って口まわりの毛をカットして清潔にする!
日頃から口まわりの毛を短くカットして清潔に保っておくと、よだれやけの予防につながります。
できてしまったよだれやけを元の状態に戻すのは、なかなか難しいです。
カットが必要な犬種なら、トリミングサロンで相談にのってもらいましょう。ご自身でカットする方法も
ありますが、慣れないと動いてしまって愛犬やご自身の思わぬケガにつながる可能性もあるので、十分お気をつけください!
こまめに口まわりを清潔にする
ご飯を食べたあとなどは、口まわりによだれがつきやすいもの。ぬらしたタオルやウェットティッシュなどでさっぱりふき取ってあげましょう。
気になったときにすぐに取り出せるように、愛犬と過ごすお部屋にはウェットティッシュをケースごと置いておくのがおすすめです。愛犬とのお出かけの際も持参すると良いでしょう!
食器やおもちゃも清潔を保つ
食器は食事ごとに、おもちゃも定期的に洗いましょう。雑菌の繁殖を予防するには、食器はプラスチックよりステンレス・陶器素材がおすすめです。
毎日洗うのがむずかしいタイプのおもちゃなどは、殺菌力があり口に入っても問題のないスプレーなどを使って、清潔な状態をキープしてください。
歯みがきで口内環境を良くする
悪化した口内環境はよだれやけの原因になるのはもちろんります。口内環境が悪いまま放っておくと、
歯周病を引き起こし、将来的にはあごの骨や内臓に影響が出るリスクもあります。
お口の中の環境を良くするためには、お口の中の雑菌を増やさないようにするケアが欠かせません。
効果が期待できるケアは、歯みがきです。
次の項では、歯みがきのしつけ方法、愛犬の歯みがきを続けるコツなどについて説明します。
よだれやけは歯みがきで予防・改善しよう!
よだれやけを改善・予防するには、口まわり・食器・おもちゃの環境を清潔に保ち、口内環境を良くすると効果的です。
口内環境の向上に効果が期待できるのは、【歯みがき】です。
歯みがきがしっかりできていると、歯周病によるあごの骨や内臓への悪影響も防げます。
「歯みがきトレーニングが苦手」
「毎日そこまでやる自信がない」
という飼い主さんもいるかもしれませんが、せっかくですので気軽に楽しくケアしたいですよね。
ここからは、歯みがきを楽しい習慣にするポイント・コツをお伝えします!
歯みがきのしつけは何歳からでもできる
「ずっと歯みがきをしてこなかった」と気にされていませんか?年齢を理由にあきらめる必要はありません。
犬の歯みがきトレーニングは何歳からでも間に合います。
犬に「歯みがき=楽しい」と覚えてもらいましょう!
歯みがきはスキンシップ!新たなコミュニケーションが生まれる
「散歩にブラッシング、目や耳のお手入れに加えて歯みがきまで手がまわるかな……」と
考えてしまう飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
歯みがきは上手にトレーニングすれば、むしろ楽しいスキンシップの時間にもなります。
おもちゃやおやつを使って練習すると、愛犬は歯みがきを「楽しいもの」ととらえてくれるでしょう。
以下の記事では歯磨きに慣れてもらうやり方やポイントを紹介しています。歯磨きにトライしてみようと思う方はぜひご覧ください。
診療367日目、愛犬の歯磨き頻度は毎日おこなうのが理想
2023年11月7日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
愛犬の歯磨き頻度は毎日おこなうのが理想
愛犬の歯磨きは毎日行なうのが理想、最低でも週に最低でも週に2~3回の歯磨きが望ましいです。
人間の口内は酸性~中性ですが、犬の口内はアルカリ性です。そのため、犬の口内は歯垢が付きやすく、
さらには3~5日ほどで歯垢が液中のミネラル分と反応し、硬い歯石になってしまいます。
人は歯垢が歯石に変わるのに20日以上かかると言われていますので、
犬は歯石が付きやすい動物であると言えます。この歯石化のスピードを考えると、
最低でも週に2~3回の歯磨きが望ましいといえます。
ただし、歯石の付きやすさには個体差があります。このあとで説明する歯周病対策を考えると、
できれば愛犬の歯磨きは毎日やるのが理想です。
そうはいっても、飼い主さんが「毎日やらないと」と負担を感じながら歯磨きを行なうと
そのストレスは愛犬にも伝わってしまいます。それによって愛犬が歯磨きを嫌がるようになってしまう可能性も…。
愛犬にとっても、飼い主さんにとってもスキンシップを兼ねて楽しく行なえることを第一に、歯磨きの方法を考えましょう!
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愛犬に歯磨きを受け入れてもらうためのポイント
愛犬に歯磨きを受け入れてもらうためには、いくつかのポイントがあります。
このポイントをおさえて行なえば、多少時間がかかっても歯磨きができるように
なっていくので、焦らず愛犬と一緒に頑張りましょう!
歯磨きにいい印象を持たせる
「歯磨き=楽しい」という印象を持たせます。そのためにも、何かできた時は必ずほめるようにしましょう。
歯磨きがちゃんとできれば、ごほうびにおやつやおもちゃがもらえ、飼い主さんにほめてもらえることを愛犬に印象付けます。
愛犬が歯磨きを嫌がるときには無理にしない
几帳面な飼い主さんは、愛犬の健康管理のためにきちんと歯磨きをすることに使命感を持ってしまいがちです。しかし、気を付けなければいけないのは、「犬が歯磨きを嫌いになってしまったら本末転倒」ということです。
つまり、愛犬が嫌がるときに無理やり歯磨きしようとするのは、愛犬にとって「歯磨き=嫌なもの」と学習してしまうため、勧められるものではありません。
犬はとても賢い動物です。歯磨きに悪い印象を残さないためには、愛犬が嫌がるそぶりを見せたり威嚇などをしたら、その日はきっぱりあきらめて日をあらためてチャレンジしましょう!
ストレスを与えない
犬は本来口のまわりを触られたくない動物で、母犬は子犬を叱るときは子犬の口を軽くくわえるほどです。
ポイント1~3に通じるのは、愛犬にストレスを感じさせないこと。いきなり歯ブラシを口に入れるようなことはせず、焦らず段階を踏んで慣れさせましょう!
歯磨きをサポートする便利なデンタルケアアイテム
歯磨きの重要性は理解していても、それを愛犬に慣れてもらい、なおかつ習慣にするのは大変なものです。
「デンタルケアをしなければならないけれど、思うようにできない」と飼い主さんがストレスを感じると、愛犬にとっても良くない影響が出る場合があります。
そんなときは、無理に歯磨きを行なおうとはせず、便利なデンタルケアアイテムに頼るのも一案です!
最近は手軽で効果的なデンタルケアアイテムが充実しているので、これから紹介するようなアイテムを取り入れて、ストレスなく愛犬の健康管理をしていきましょう。
手軽に歯垢を落とすデンタルガム
デンタルガムは、噛むことで歯垢の付着を軽減するアイテムです。
アレルゲンとなりやすい原料を使用していないタイプや、口臭対策まで考慮された製品もあります。愛犬の状況に合わせたチョイスが大切です。
また、製品の中には、犬の体格によって使用する量が変わる製品もあります。そういった製品を選ぶ場合には、愛犬の体重に合ったサイズを選びましょう。
なめさせるだけでもOK!フレーバー付き歯磨きペースト
酵素が含まれているなど【舐めるだけでもOK】なものも!複数の味が選べるものもあり、歯磨きがおいしく楽しくなります。
犬用の歯磨きペーストは、基本的に嗜好性に優れたフレーバー付きです。愛犬や飼い主さんのお好みに合わせて選びましょう。食物アレルギーに配慮した製品もあります。
ブラッシングや口の中をすすぐ必要がなく、なめるだけでデンタルケアの効果が期待できる歯磨きペーストなら、忙しい飼い主さんも手軽に使用できます。
直接愛犬の口に入るものなので、効果や成分をしっかりチェックして選びましょう!
飲み水に混ぜる簡単デンタルケア
歯磨きのサポート役にぴったりなのが、飲み水に混ぜる液体タイプのデンタルケアアイテムです。
キャップ部分に計量カップが付いた使い勝手の良い製品もあり、朝などあわただしい時間帯でもスピーディーに愛犬のデンタルケアができます。
こちらも大切な愛犬の口に入るものなので、成分・効果はしっかり確認して選びましょう!
効率的なブラッシングをかなえるデンタルブラシ
歯磨きで大切なのは、歯の表面と歯周ポケットの歯垢を取り除くことです。そのためには、歯ブラシは愛犬のサイズに合ったもので、歯周ポケットに入り込む極細毛タイプがおすすめ。
抗菌加工のブラシなら衛生管理も安心です。
犬は歯周病になりやすく、歯周病が進行すると骨や内臓にまで影響が出てしまうおそれもあります。
愛犬の健康管理のために、日頃から行なえる歯周病対策として効果的な手段は歯磨きです。少なくとも週に2~3回は歯磨きをするよう習慣づけていきましょう。
歯磨きを習慣づけるポイントは、「歯磨き=楽しいこと」と愛犬に印象付けることです。おやつやおもちゃ、ほめ言葉を上手に使いましょう!
歯磨きに慣れるまでは紹介したデンタルケアアイテムを取り入れることも一つのやり方です。
愛犬と飼い主さんにとって、歯磨きを楽しいコミュニケーションのひとときにしてくださいね!
診療366日目、愛犬への歯磨きが大切と聞いたけど、絶対しないといけないの?
2023年11月6日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です!
さてさて、ワンちゃんのお口のお話、もう少し続きますよ〜!
愛犬への歯磨きが大切と聞いたけど、絶対しないといけないの?
愛犬への歯磨きの必要性がイマイチわからないという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
結論から申し上げると、犬の健康管理に歯磨きは欠かせません。本記事では歯磨きをしなかった
場合に考えられるリスクを紹介していきます。
また、これから愛犬の歯磨きを始める方に向けて、犬の歯磨きのやり方とコツ・ポイントも解説していきます。
歯磨きのサポートアイテムも紹介しますので、愛犬の歯みがきの習慣化にお役立てください!
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愛犬の歯磨きをしないとどうなるの?
歯磨きを行わない場合、どのようなリスクがあるのでしょうか?
歯磨き不足で歯周病が発生する
歯磨き不足は歯周病の原因となります。
先述のように、犬の口内はアルカリ性で、溜まった歯垢は口内の細菌やミネラル分で硬い歯石となります。
歯磨きを怠ってしまうと歯石はどんどん増加して、歯と歯ぐきの間である「歯周ポケット」の溝に入り込みます。
そこから炎症を起こし、やがては歯周病に発展してしまうのです。
歯周病を引き起こす歯垢や歯石は「細菌」のかたまり。歯周病になると腐敗臭のような口臭がしたり、
重症化すると鼻腔炎を引き起こしたりするケースもあります。
歯周病による症状例
- 生臭いニオイの口臭がする
- 口を気にする
- 噛むときに痛がるそぶりを見せる
- くしゃみ・鼻水・鼻血がでる
歯周病が原因で骨に影響が出る
歯周病が悪化すると歯槽膿漏になり、歯の土台が弱くなってしまい歯がグラグラしてきます。
下あごの歯周病が進行するとあごを支えている部分がもろくなり、あごの骨を骨折してしまうなどの重い症状が出るケースもあります。
歯周病が原因で内臓に影響が出る
歯周病が原因で口内に炎症や出血が起きると、血管に細菌が侵入します。
血液は全身を循環するので、歯周病が原因で心臓や腎臓に負担をかける可能性もあると言われています。
愛犬の歯磨きのやり方とコツ
愛犬の健康管理のためには歯周病にさせないことが大切です。愛犬への歯磨きのやり方とコツについて紹介します。
歯磨き習慣のない愛犬の飼い主さんにとって歯磨きは、「むずかしそう」「愛犬が嫌がる」と、なかなかいいイメージを描けないかもしれません。
でも、歯磨きも段階を踏んで慣らしていけば、愛犬との新しいコミュニケーション手段に!愛犬との楽しみがまた一つ増えますよ♪
愛犬に歯磨きに慣れてもらうためには、次のようなやり方で進やり方でめていきます。
用意するもの
【ステップ1】愛犬の口元を触る
まずは、愛犬の口元にふれ、口元を触られることに慣れさせることから始めます。
普段のしつけと同じように、できたら(=触らせてくれたら)ほめてあげましょう!
【ステップ2】歯や歯ぐきにも触り、できたらごほうびをあげる
「口まわりを触られる=いいことがある」と、愛犬に覚えてもらいます。ごほうびのおやつを片手でにぎり、触る→ごほうびを繰り返します。
【ステップ3】指を口の中へ入れ、できたらごほうびをあげる
歯・歯ぐきだけでなく、口内全体を触っても大丈夫なようにします。手の中のおやつを使って「待て」をさせ、唇をめくるといいでしょう。
触らせてくれたら、「お利口さん!」「GOOD!」などしっかりほめておやつをあげましょう。
【ステップ4】指に歯磨きペーストを付けて指磨きをする
いきなり歯ブラシを使わないのがポイントです。まずは指を使い、ペーストが歯に付く感覚に慣れてもらいましょう。
【ステップ5】歯ブラシに慣れさせたら、前歯から順番に磨いていく
指みがきが慣れてきたら、今度は歯ブラシを持つ手でおやつを与え、歯ブラシに良い印象を持たせます。
回数を重ね、徐々におやつ抜きでも歯ブラシに抵抗がない状況になるまで、愛犬と一緒に頑張っていきましょう!
歯ブラシに抵抗がなくなったら、次はペーストを塗った歯ブラシを優しく歯ぐきにあて、前歯から順に磨いていきましょう。
問題なくできたらおやつを与え、しっかりほめてあげてくださいね。
診療365日目、犬の虫歯予防をしたい!
2023年11月4日
犬の虫歯予防をしたい!
虫歯の原因や見分け方、予防方法を紹介
人間にとっても犬にとっても、歯は健康な生活に欠かせません。歯が不調になると、
食生活にも悪影響がおよぶだけでなく、全身の健康を損なってしまう可能性もあります。
犬は自分で歯磨きしたり、食生活を変えたりすることができないため、
飼い主さんが日頃からしっかり歯をケアしてあげたいですね。
この記事では、犬の虫歯にスポットを当てて発生原因やチェック方法、
おすすめの予防方法などについて解説していきます!愛犬の健康を支えるためにも、
虫歯予防や歯磨きの仕方をしっかり学んでおきましょう。
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犬も虫歯になるが事例は少ない
従来「犬は虫歯にならない」といわれてきました。たしかに犬の虫歯はほとんど見かけませんが、
「実は犬も虫歯になる」ということがわかっています。
なぜ犬の虫歯が少ないのかわかりやすく説明すると、犬の口の中は虫歯になりにくい環境だからです。
犬の歯は鋭利で薄い形をしているので、人間の歯に比べると虫歯菌がたまりにくくなっています。
また、人間の唾液が弱酸性なのに対し、犬の唾液はアルカリ性です。糖分がたまりにくい性質も
持っているので、虫歯菌が増えにくくなっています。
そのかわり犬のお口の中では、人間よりも「歯周病」が起こりやすいのです。唾液がアルカリ性なので、
歯垢が石灰化して「歯石」に変わりやすくなっています。歯垢や歯石は細菌のかたまり。
これが増えると歯周病菌も増えるのです。3歳以上の成犬の8割程度がかかっているといわれるほど、
歯周病はとても身近で多い病気なのです。
虫歯や歯周病にかかっているかどうかは、口臭の変化からわかるといわれています。
口臭チェックなら自宅でも簡単にできるうえ、指標としてもわかりやすいので、愛犬のデンタルケアにぜひ取り入れてみましょう!
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犬に虫歯ができてしまう原因とは?
少ないとはいえ、犬も虫歯になる可能性はあります。なぜ虫歯ができてしまうのか、
その原因についてまとめました。
犬の体質的になりやすい
先述したように犬の虫歯は症例自体が少ないため、実際のところあまりわかっていない部分も多いようです。
犬種・大きさ・年齢によって虫歯になる確率が変わるかどうかも判明していないので、
「この犬種のほうが……」「老犬のほうが……」といったこともわかっていないのが現状です。
しかし、成犬であれば歯の数はどの犬も基本的に42本です。小型犬と大型犬を比べた場合、
歯や口の大きさはそれぞれ異なりますが、生えている歯の数自体は同じとなっています。
つまり、口が小さい小型犬のほうが歯の間隔が狭くなるため、体質的に虫歯になりやすいかもしれません。
はっきりとした根拠はないので断言はできませんが、参考程度に覚えておきましょう!
人間用の食べ物を与え過ぎている
味付けしていない野菜や果物程度ならともかく、人間用に作られている食べ物は犬からすれば有害です。
犬用の食べ物より糖分が多く含まれているため、虫歯菌に栄養を与えてしまいます。
また、人間用の食べ物は味が濃過ぎるため、犬の食生活が乱れる原因にもなります。
愛犬の健康を守りたいなら、与え過ぎないように注意しましょう!
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甘いおやつを与え過ぎている
犬用の食べ物でも、甘い味付けがされたおやつには要注意です。
やはり糖分が多いので、与え過ぎると虫歯菌を活性化させてしまいます。
愛犬の肥満度やおやつの頻度などを考えながら、程々に与えるようにしましょう。
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虫歯がある飼い主とのスキンシップ
飼い主さんが虫歯にかかっている場合、愛犬とのスキンシップにも注意が必要です!
愛犬の口元にキスしたり、愛犬が飼い主さんの口元を舐めたりすると、虫歯菌がうつってしまうかもしれません。
また、飼い主さんがかじった食べ物を愛犬に与えるなど、間接的な接触でも虫歯菌はうつってしまいます。
犬の口内は虫歯菌が繁殖しにくいため、逆に愛犬から飼い主さんにうつる可能性は低いです。
しかし、その他の雑菌がうつるかもしれないので、スキンシップは程々にしておきましょう。
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歯周病の放置
虫歯と歯周病は別の病気ですが、関連性がないわけではありません。
犬が歯周病にかかっている場合、歯茎が下がって歯の根元部分に歯垢がたまりやすくなるので、
そこに虫歯菌がたまり、虫歯になるリスクも高まります。
愛犬が虫歯かどうか見分ける方法
愛犬の虫歯予防に役立つチェック方法をまとめたので、ぜひ実践してみてくださいね!
口臭や口内に異常や変化がないか確認する
虫歯のチェック指標として、最もわかりやすいのは「口臭」です。いつもと違う臭いや嫌な臭いがしたら、歯と歯茎もチェックしましょう。
以下のような異常や変化が見られる場合、虫歯や歯周病にかかっている可能性があります。
- 歯に穴が開いている
- 歯が茶色や黄色になっている
- 歯茎が腫れている
- 歯茎から出血している
また、口内の正常・異常がわかる画像も載せておきますので、こちらも併せてご覧ください!
正常の歯はきれいな白色ですが、歯周病が進むと歯垢・歯石がたまって一目でわかるくらい変色してしまいます。
重症化させないためにも、日頃からしっかりデンタルケアを行ないましょう。
なお、愛犬の口内をチェックするときは、手を噛まれないよう触り方や力加減に注意してください!
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普段の行動やしぐさに変化がないか確認する
口内の状態だけではなく、普段の行動や何気ないしぐさをチェックすることも大切です。
- ご飯を食べるのが遅くなった
- 急にご飯を食べなくなった
- 硬い食べ物を嫌がる
- 冷たい食べ物を嫌がる
- 顔まわりを触ろうとすると攻撃的になる
どれかひとつでも該当する場合は、歯周病や虫歯などのお口のトラブルの可能性があります。かかりつけの獣医師や動物病院に相談しましょう。
診療364日目、犬の口臭の原因って?
2023年11月2日
こんにちは、椎名町駅えがお歯科です。
ワンちゃんのお口事情、第二弾です🎉🎉
犬の口臭の原因って?
歯磨き以外にできる口臭ケアとは
愛犬の口臭について悩んでいる飼い主さんのなかには、原因が分からず心配なかたもいるでしょう。
原因が分からないと対処もできず困ってしまいますよね。今回は、犬の口臭の原因と予防法・解決策に
ついて、いぬのきもち獣医師相談室の白山さとこ先生にお聞きしました。
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病気の場合の口臭はどんなニオイ?
犬の口臭の原因のひとつに病気が潜んでいる可能性が挙げられます。
生ゴミのような口臭がする場合に考えられる病気が、口内炎や歯周病、舌炎(ぜつえん)です。
口臭以外の特徴として、口内炎の場合は微熱や大量のよだれが出ることも。
歯周病では、歯茎が腫れたり出血したりすることがあります。
また、舌炎になると、舌が白くただれ大量のよだれが出るといった症状が見られます。
口から甘ったるいニオイがする病気
糖尿病や門脈シャントを患っているときには、口の中から甘ったるいニオイがするでしょう。
糖尿病は、体内でインスリンが不足または働きに異常が起こり、糖が吸収されずに尿と共に
出てしまう病気で、口臭のほか体重減少や多飲多尿が見られます。
また、門脈シャントとは、 消化管と肝臓をつなぐ「門脈」という血管に、異常な血管(シャント)が
でき、肝臓での栄養の吸収や毒素の解毒が正常にできなくなる病気です。けいれんや発育不全などの障害も起こります。
ガンの中には血生臭い口臭がするものも
口腔内腫瘍や胃がんなどの消化器の腫瘍がある場合、血生臭いニオイがすることがあります。
口臭だけでなく、血まじりのよだれや吐血、嘔吐や食欲不振など、異変を感じたら早めに動物病院で診てもらうようにしましょう。
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病気以外にも口臭の原因はいっぱい
――ここまで、病気のときの口臭について解説してきましたが、それ以外に考えられる犬の口臭の
原因について白山先生にお聞きします。病気以外で口臭がする場合、どういった原因が考えられるでしょうか?
白山先生:
「食べた物や食べカスのニオイが原因となる場合があります。また、口が乾いていたり、口腔内細菌の増加・
バランスが変化したりして口臭がすることもあるでしょう」
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歯磨きのほかに飼い主さんがしてあげられること
――食べカスを取り除くためにも、毎日の歯磨きを習慣化することが大切ですね。
歯磨き以外に口臭を予防する方法があったら教えてください。
白山先生:
「 食後はもとより、普段からこまめにお水を飲ませるようすると良いでしょう。
ただし、ガブ飲みはさせないようにしてください。どうしても口臭が気になる場合は、
フードを変更することも検討してみましょう。口腔内環境を改善するサプリメントやマウスクリーナーを試すのも効果的です」
――歯磨き以外にもさまざまな口臭ケア方法があるのですね。
愛犬が病気にかかっていないかチェックする意味でも、スキンシップをするように口臭を確認して
ください。また、歯磨きをする際は、歯茎にたっぷり歯磨きペーストを塗っていき、
愛犬が歯磨きペーストをなめている間に歯ブラシをすると磨きやすいでしょう。愛犬の健康のために、
日頃から口臭ケアを行っていきたいですね。
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愛犬の口臭を改善・予防するには?
愛犬の口臭を予防・改善する方法をいくつか紹介します!ポイントは、飼い主さんが負担を感じず、
愛犬が嫌がらないようにすること。つまり、飼い主さんも愛犬も、どちらも楽しく続けられることがとても大切です。
食後などに水分補給をする
お口のなかの水分が不足していると、食べ物のカスが残って唾液が濃くなり、においが発生しやすく
なりがちです。特に食後はしっかり水分を摂らせて、お口のなかを洗い流しましょう。
歯みがきを習慣化しケアする
歯みがきトレーニングをしてこなかったため、愛犬に歯みがきをするのは難しい!と思っている飼い主さんも
多いでしょう。しかし、歯みがきのしつけは成犬からでも決して遅くありません。ステップを踏んで歯みがきを
習慣にしましょう!個体差はありますが、うまくいけば1〜3ヵ月で効果が出てきますよ。
デンタルケアができるご飯に変えてみる
素材・形状を工夫し、歯垢がたまりにくいよう処方されたドッグフードを与えます。
ただし、フードの切り替えは一気に行なわず、犬の反応を見て少しずつ新しいフードの割合を増やしましょう。
内臓系の症状が疑われる場合には病院へ
アンモニア臭や酸っぱいにおいなどの口臭は内臓の病気が疑われます。こうなると獣医師の力が必要です!
できるだけ早く動物病院で受診しましょう。
適度に運動をする
意外に思われるかもしれませんが、運動不足も口臭の原因になります。
代謝が良くないと体内に不要なものがたまり、口臭がきつくなってしまうのです。
運動はストレス解消のためにも大切!毎日の散歩や休日のドッグラン、雨の日はおうちでボール遊びなど、
犬も飼い主さんも楽しめる工夫をして運動不足を解消しましょう。
(監修:いぬのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
参考/いぬのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】犬の口臭 病気の場合の臭いと人気のデンタルケアグッズ』